医学部という進路

the path to medical school

強者(つわもの)たちが集う医学部受験の激しい競争で勝つためには、高い学力だけでなく、綿密な作戦も求められます。ここでは、選択科目をどれに決めるか、どの受験方式を選ぶか、どの併願パターンで受けるかなど、「戦うための武器の使い方」を伝授します。

【そもそも「医学部をめざす」とはどういうことか③】おさえておきたい科目別対策の「前提条件」

【そもそも「医学部をめざす」とはどういうことか③】おさえておきたい科目別対策の「前提条件」

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医学部は、英語と理科に重きを置いている

ここで、「そもそも」の話をします。
医学部以外の学部は、必ずしも「職業訓練」を目的としていません。一方、医学部は、医師という職業に就く人材を育成するための職業訓練の場です。つまり、医学部で行うのは医師になるための勉強であり、入試問題には「入学したらこのようなことを学んでほしい」という大学側の思想が反映されています。受験生は、そのように入試問題に込められた意図を「前提条件」として受け入れたうえで科目別に具体的な対策を立てていく必要があります。
じつは、医学部では、数学よりもむしろ、英語と理科の知識が重視されます。医学部において、英語と理科は、医学を修めるうえで、あるいは医療を遂行するうえで実践的な「ツール」として多用されるからです。一方、数学はどちらかというと医学部生として身につけておくべき「教養・素養」として扱われるケースが多めです。このような点などを踏まえつつ、以下では、英語、理科、数学、国語・地歴公民・情報の科目別対策を立てるうえでおさえておくべき「前提条件」を説明していきます。

近年の医学部英語入試は「速読型」と「発信型」が主流

医学部では、つねに最先端医療が研究されています。最先端医療の発信地は、何といってもアメリカです。最先端医療を学ぶためには、英語で書かれた文献をたくさん読み、日本では観察されていない症例に関する情報や知見を吸収する必要があります。このように、医学部では、英語を研究対象としてではなく、研究のために必要な手段・道具、すなわち、先述のとおり「ツール」として見なすのです。
医学部は、研究で必要な「ツールとしての英語力」を学生に要求します。学生に対して、多くの医学部が大量の英語論文を宿題として読み込ませたうえでディベートやプレゼンテーションを行わせる授業を開講しているのはそのためです。
さらには、医学部は「ツールとしての英語力」を受験生にも要求します。近年、医学部英語入試問題が手段・道具として英語を使いこなせるスキル、すなわち、「英語4技能」を重視する方向にシフトしているのはそのためです。
医学部英語入試の「英語4技能」化の結果として表れた出題傾向の変化は、以下の2つです。
1つ目は、短めの英文をじっくり読ませるという「精読型」の出題よりも、長めの英文を短い時間内で大量に読ませるという「速読型」の出題が増えているという変化です。速読型の出題では、長文問題にしても要約問題にしても、英語を速く大量にさばくという、先述の「情報処理能力」が試されます。
2つ目は、英文から必要な情報を読み取るという「受信型」よりも、みずから英文を作成して情報を伝える「発信型」の出題が増えているという変化です。その典型例は、受験生自身の意見を求めるという「自由英作文」です。
以上のような出題傾向の変化を踏まえ、医学部受験生は、英語入試における「速読型」「発信型」の出題に慣れていく必要があります。

理科の入試対策には高3までに着手しよう

先述のとおり、医学部は受験生に「手堅さ」「そつなさ」「まじめさ」を求めます。ほとんどの医学部で理科を2科目課している点には、1つには、先述のとおり、理科は医療現場で実践的な知識=「ツール」として使われる場面が多いという理由があります。また、もう1つには、コツコツ勉強することが求められる理科という教科を通じて、受験生がまじめに努力できる人材であるかどうかを測ろうとしているという理由もあります。実際のところ、医学部入試では理科が重視されていて、他学部と比べて配点が高めに設定されています。
理科では2科目分の対策が必要です。しかし、多くの受験生は、医学部入試における理科の重要性を認識していながら、実際には英語や数学の勉強に時間をとられすぎていて、理科対策のための時間を確保できていません。また、1科目はなんとか間に合わせたものの、もう1科目が全範囲終わらないまま入試を迎えるという受験生も毎年います。このような手遅れを避けるためには、高1の段階で1科目め、高2の段階で2科目めに着手するというように、高3までに理科の入試対策を始めるべきです。実際に、医学部に合格している受験生はたいてい、試験本番までに理科2科目をきっちり仕上げていた人たちです。

医学部入試における数学は「守り」

医学部数学の入試は、私立大がとくにそうであるように、難しくて得点しにくい問題が出題される傾向にあります。医学部と同じく理系の理工系学部であれば、合格の絶対条件は数学で高得点を上げることです。もちろん、医学部入試においても数学では大きな得点差がつきます。しかし、医学部の数学対策は、理工系学部における対策とはかなり事情が異なります。
というのは、医学部入試は、「速読型」「発信型」という新傾向への慣れが必要な英語、配点が高い理科2科目など、他教科の負担が大きいため、数学の対策だけに多くの時間を使うことは難しいからです。さらにいうと、基本問題・標準問題をきっちりとるという医学部受験の戦略に照らし合わせると、難問が多い医学部数学の入試問題に大きな労力を割くことはコストパフォーマンスの面で得策ではないからです。医学部数学については、英語や理科の勉強時間を圧迫する程度まで対策すべきではない、すなわち他の2教科とのバランスを考慮して対策すべきなのです。そういう意味では、医学部入試における数学は、「攻め」の教科ではなく「守り」の教科だといえます。くれぐれも、「数学をやりすぎない」よう注意しましょう。
医学部数学として重視すべきなのは「計算力」と「論証力」の対策です。「計算力」とは、説明するまでもなく、ミスせず正解を導き出せる能力です。「論証力」とは、正解に至るまでのプロセスを数式や日本語で的確に表現できる能力です。計算力と論証力は、数学における基礎力の土台です。教科書や傍用問題集を使ったトレーニングによって地道に習得していきましょう。

国語・地歴公民・情報の対策は学校の授業重視で

医学部入試における国語・地歴公民対策は共通テスト対策とほぼ重なります。多くの国公立大医学部では、個別学力検査で3教科を課すだけでなく、共通テストできっちり6教科8科目を課します。
個別学力検査と受験科目が重なる共通テスト英語・数学・理科の対策には、個別学力検査対策で代用できるという側面があります。一方、個別学力検査では課されない国語・地歴公民・情報の場合には、共通テスト用のみの対策を講じなければなりません。しかし、医学部受験生が共通テストでしか使わない国語・地歴公民・情報の対策に時間と労力を使うことは現実的ではありません。
これからは、従来以上に非個別学力検査教科の対策に高い効率性が求められます。では、「コスパ・タイパ」のよい対策は、どのように行えばよいのでしょうか。
それは、学校の授業をきちんと理解することです。国語・地歴公民・情報とも、学校の授業だけで十分な基礎力が身につきます。基本問題・標準問題しか出題されない共通テスト対策の最適解は、授業のフル活用なのです。
学校の授業で習得した基礎的な知識・考え方は、共通テスト対策特化型の参考書・問題集を活用することによって定着を図りましょう。『大学入学共通テスト ◎◎の点数が面白いほどとれる本』シリーズ(KADOKAWA)や『きめる! 共通テスト◎◎』シリーズ(Gakken)など、すぐれた教材がたくさん出ています。これらを勉強のペースメーカーとして使い倒してください。

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