中学入試に出る理科実験

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近年、中学入試の理科では、身のまわりの物事の仕組みについて考え、もっている知識と相互に紐づけていく取り組みが求められています。「どうして?」という日常の素朴な疑問を大事にすること、実験・観察に関連した出題に対応できるような学習を進めておくことが大切です。
このコーナーでは、実際に中学入試で出題された問題に触れながら、ご家庭で取り組める簡単な実験を紹介します。

【中学入試に出る理科実験③】 麻布中で出題された 味覚に関するラーメンの実験

【中学入試に出る理科実験③】 麻布中で出題された 味覚に関するラーメンの実験

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麻布中で、甘味や苦味などの「味覚」をテーマとする出題がありました(2022年理科)。
今回は、うま味を巧みに使った身近な料理であるラーメンを題材にした実験を紹介します。

おいしいとはどういうこと?
科学的に考えてみよう

舌の細胞は、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味という5つの基本味(五味)に反応します。その五味のバランスの違いによって、人間はさまざまな味の印象の違いを感じ分けています。5つ目の基本要素であるうま味は、日本人によって研究され、2002年に正式に存在が認められたものです。では、うま味とはどんな味でしょう。アミノ酸の一種であるグルタミン酸や、核酸の一種であるイノシン酸・グアニル酸などから感じられる味です。グルタミン酸はこんぶ、イノシン酸は肉や魚、グアニル酸はしいたけなどに含まれており、異なる種類のうま味をかけ合わせることで、おいしさが数倍になることがわかっています。

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3つのラーメン実験を通して
おいしさの正体を探ろう!

ラーメンは、五味のひとつであるうま味を巧みに使っている代表的な料理です。うま味を足したり、五味のバランスを変えたり、異なるうま味を組み合わせたりすることで、味の印象がどう変化するのか実験してみましょう。また、実際に食べてみて本当に「おいしい」と感じるかどうか試してみてください。

【実験1】

駄菓子のラーメンが高級に⁉

インスタントラーメンは調味料が元々入っているので、そのままでも十分おいしいですが、お湯の代わりに鶏モモ肉のゆで汁で作ることで、肉のイノシン酸が加わり、さらにおいしくなります。

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鶏モモ肉のゆで汁を作る。

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ゆで汁をカップめんに注いで、うま味を追加!

【実験2】

ラーメンにデザートをトッピング⁉

ラーメンにプリンを加えることで、強い甘味とカラメルソースの苦味が加わります。ラーメンのうま味や塩味と組み合わさることで、ラーメン、プリンを別々に食べたときとも異なる、新しい味の印象が生まれます。

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ラーメンにプリンを加える。

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混ぜると……新しい味わいが誕生!

【実験3】

うま味調味料で作る至高のスープ

鶏ガラ、こんぶ、かつおなど異なる種類のうま味をかけ合わせることで相乗効果が得られます。家庭にある調味料を組み合わせてお湯を注ぐだけで、何時間も煮込んだような味わいのラーメンスープが作れます。

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左上から中華ペースト(鶏ガラ)、こんぶだし、かつおだし
中央下から塩、ごま油

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うま味の相乗効果で複雑な味わいに!

●こんな味覚の実験も!

りんごジュースがトマトジュースに⁉

りんごは酸味・甘味が強く、トマトはやや弱い酸味・甘味と強いうま味をもつ食材です。りんごジュースの酸味・甘味を水で薄め、トマトのうま味(グルタミン酸)を足すと、トマトジュースのような味に感じられます。

■実験監修

TOMASサイエンス教室 矢野 仁(やの ひとし)先生
TOMASの教室で理科実験プログラムを開催している。子どもたちの「なぜ?」「ふしぎ!」を引き出す問題発見型のプログラムに定評がある。

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