
中学入試に出る理科実験
science-experiment
近年、中学入試の理科では、身のまわりの物事の仕組みについて考え、もっている知識と相互に紐づけていく取り組みが求められています。「どうして?」という日常の素朴な疑問を大事にすること、実験・観察に関連した出題に対応できるような学習を進めておくことが大切です。
このコーナーでは、実際に中学入試で出題された問題に触れながら、ご家庭で取り組める簡単な実験を紹介します。

【中学入試に出る理科実験②】 渋谷教育学園渋谷中で出題された パンケーキの粉の化学変化に関する実験
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渋谷教育学園渋谷中で、パンケーキの粉にブルーベリージャムを混ぜて焼くと緑色に変化する問題が出題されました(2010年理科)。
今回は、パンケーキの粉を使った「酸性・アルカリ性」に関する実験と「密度」に関するカラフルドリンク作りの実験の2つを紹介します。
ブルーベリージャムやレモン果汁でパンケーキの色が変化します。
紫色のブルーベリージャムを生地に投入!
加熱すると紫色の生地が緑色に。
レモン果汁を緑色の生地にかけると……。
かけた部分がピンク色に変化しました。
完成!
【まとめ】
色のひみつは「酸性・アルカリ性」
ベーキングパウダーを加熱するとアルカリ性の炭酸ナトリウムが発生します。ブルーベリージャムの色素はアルカリ性に反応して紫色→青色→緑色と変化する性質があります。そのため、生地が緑色になりました。
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ブルーベリーと同じアントシアンという色素を含むムラサキキャベツの煮汁を使います。
アントシアンに、酸性やアルカリ性のものを混ぜると、混ぜたものに応じて色が変化します。
強い酸性は赤色、弱い酸性はピンク色、弱いアルカリ性は緑色、強いアルカリ性は黄色に変化。
甘くて密度の高い液体ほど下にたまる性質を使って色の層を作ります。
氷とかき氷シロップを入れたグラスにシロップ(砂糖水)を追加してよく混ぜます。
オレンジジュース、紅茶と甘味が少なくなる順にゆっくり注ぎ入れます。
完成!
【まとめ】
飲みものが混ざらないひみつは「密度」
同じ体積で比べると、水やその他の飲みものよりシロップ(砂糖水)が重いので、飲みものにシロップを加えると、体積あたりの重さ(密度)が大きくなります。密度が大きいものほど下に、小さいものほど上に移動しようとするので、下から上に密度が小さくなるように飲みものを重ねると、混ざらずにカラフルな層になります。
■実験監修
TOMASサイエンス教室 矢野 仁(やの ひとし)先生
TOMASの教室で理科実験プログラムを開催している。子どもたちの「なぜ?」「ふしぎ!」を引き出す問題発見型のプログラムに定評がある。
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