【開催レポート】2018年度 中学入試スタートアップガイダンス(2017.11.19)~夢の志望校合格に向けた早いスタートを!~
迫る2020年大学入試改革!
中学入試はどう変わるのか。中学入試の現状と対策
大学入試改革を見据え、中学入試を行う各中学校は、新たな入試制度を導入したり、各校の特色を前面に押し出した問題を作成したりと、さまざまな対策を講じています。そのため、中学受験生はこれらの変化にどう対応し、どう対策を打つべきかを考え、学習を進めなければなりません。去る11月19日(日)に開催した「中学入試スタートアップガイダンス」(ハイアットリージェンシー東京)では、次学年になる前に、どのような点に留意しておくべきかを、現役難関中学生からのアドバイスも含めてお伝えしました。
現役中学生が語る、後輩へのアドバイス
最難関中学に合格した先輩たちへのインタビュー。中学校生活や後輩へのアドバイスをお聞きしました。
【登壇者】
- 筑波大学附属駒場中学校1年(以下「筑駒」)
- 桜蔭中学校1年(以下「桜蔭」)
- 麻布中学校1年(以下「麻布」)
- 女子学院中学校1年(以下「JG」)
――中学校では何の部活に入っていますか?
筑駒:部活は4つ入っていて、音楽部、水泳部、語学部、筑駒管弦楽部です。ずっとヴァイオリンと水泳をやっていたので、その2つは入ろうと決めていました。勉強は独自のカリキュラムでやっていて、期末テスト前に猛勉強しています。
桜蔭:演劇部に入っています。桜蔭で一番忙しい部活なので大変ですが、とても楽しいです。桜蔭に入ってから入部を決めました。
麻布:ハンドボール部です。小学校ではバスケットボール部でしたが、部活見学をして面白そうだったので決めました。気がついたら体が大きくなっていました。
JG:化学班に入っています。女子学院では部活を「班」と呼びます。初めはESSに入っていましたが、忙しくてバレエとの両立が難しかったので、ESSをやめて化学班に入りました。バレエは5歳からずっと続けています。
――勉強スタイルやどんな生活を送っていたのか教えてください
筑駒:早起きして毎日何ページ勉強しましょう、というやり方が苦手だったので、夜遅くまで自分のやりたい勉強をして、朝は普通に起きていました。勉強しすぎて夜遅くなると、母から早く寝なさいと言われることはありました。勉強の計画は自分で決めていました。
桜蔭:4年生ぐらいまでは、祖父のすすめで毎日そろばんをやっていたので、計算力がついたと思います。6年生になると母が勉強の計画を立ててくれていましたが、サボってしまったときはケンカになったこともあります。ピアノを弾いて息抜きしていました。
麻布:3~4年生のころは、勉強はあまりしていませんでしたが、クロスワードが好きでよく解いていました。息抜きは読書です。寝る前に読むようにしていて、眠くなったら寝ると決めていました。事前に計画を作るよりも、その日の気分で勉強の計画をしていました。
JG:特に勉強はしていませんでしたが、6年生の時は朝5時に起きて2時間ぐらい勉強をしていました。寝る30分前に暗記ものをするとよいと聞いたので、実践していました。息抜きで漫画の日本史などを読んでいました。シリーズを通して読んでいたので、時代の流れが分かって、社会科目に役立ちました。
――6年生までにやっておけばよかったと思うことは?
桜蔭:見直しをすることです。私はケアレスミスが多くて、それなのに問題をバッと解いて見直しをせずにいたので、後からポロポロとミスを見つけることがありました。テストの時だけではなく普段から見直しの癖をつけることが大事だと思います。
筑駒:今まであまり本を読まなかったので、読むスピードが遅くて、テストでも読むことに時間がかかってしまい、あまり点を取れなかったことがありました。今からでも本を読むことをおすすめします。
麻布:日本の都道府県を全部覚えたのが6年生の秋ごろだったので、もっと社会の知識を入れておけばよかったなと思います。
JG:理科の基礎知識と、算数の特殊算の基礎をもっとやっておけばよかったと思います。
――後輩へのアドバイスを一言ずつお願いします
筑駒:6年生の9月ぐらいから過去問を解き始めましたが、最初は全然解けませんでした。とても不安で、このままでは落ちると思っていましたが、最後まで諦めずに勉強していました。その諦めない心があったから合格できたと思うので、最後まで諦めずに夢を信じて頑張れば合格できると思います。
桜蔭:サボり癖も睡眠欲も強かったのですが、やる時はやるというスタイルでした。コツコツ勉強したことは絶対に覚えているし、役に立ちます。受験本番はいつも通りの自分でいることも大事です。これだけ勉強したから絶対受かる、大丈夫、という気持ちを持つと緊張しないでいつもの力を発揮できると思います。
麻布:6年生の1月にラストスパートをかけて、ずっと勉強していました。早いうちから覚えておくべきことがたくさんあったので大変でした。早めに4~5年生の時に覚えておくべきことは、その時にやっておいた方がよいと思います。
JG:女子学院の合格率が最後の模試まで20%でした。それでも志望校を変えずに最後まで諦めないで頑張っていました。本当に当日まで何が起こるかわかりませんので、最後まで諦めないで頑張ってください。
これからの中学入試で問われる力とは
入試対策委員の高山先生より、これからの中学入試で問われる力について、算数・国語・理科・社会の4科目ごとにお伝えしました。
――中学入試で意識してほしいこと
求められる学力が変わってきます。「考える」「判断する」「表現する」が求められるようになり、これはつまり「思考力」「表現力」を問われることになります。最難関校に大きな動きはなく、従来通りの知識や技能は必要です。これまで以上に思考力や表現力が必要になってくると思われます。
【算数について】
首都圏の中学入試での調査結果から、算数の点数差が最も大きく、多くの学校で算数で差がついています。この結果により算数が中学入試の鍵であるといえます。算数を解く上で大切なことは、答えが合っているかどうかより、「なぜ、そのようになるのか?」を考えることです。これが算数の思考力です。学習する際に意識することはまず「答えまでの過程を問う」、そして「毎日、計算練習をする」ことです。
答えまでの考え方や式の意味を理解することが重要になってきます。これが算数でいう「思考力」になります。そして、考えたことや理解したことをノートや解答用紙を通して相手に伝えることが共有力につながります。自分が考えたことを、手を動かして書いてみることは、算数を通して表現力を深めることにつながります。これを普段から練習していけば、本番でもできるようになります。また、考え方は合っているけれど計算が合わないという場合がありますので、今のうちに計算力をつけておくことも重要です。一日に取り組む量を決めて、決まった時間に10分を目安に計算練習をします。問題を解く・採点・解き直す、というサイクルで毎日継続してください。
【国語について】
国語に必要な思考力とは読解力です。文章を正確に把握し、分析する力であり、問われていることは何か、それがどこに書かれているのかを読み解く力です。国語の問題は選択肢問題と記述問題ですが、選択肢問題では選択肢を選ぶ理由、その根拠を明確にすることが重要になってきます。例えばテストで間違った選択肢について、なぜその選択肢を選んだのか理由を聞いてみると、なんとなく選んでいる場合が多い。そのため、なぜその選択肢が正しいのか、だけではなく、その他の選択肢がなぜ正しくないのか、まで考えられればより理解を深めることにつながります。そして、なぜその選択肢を選んだのか説明をすることができれば、正解を導くことにもつながり、説明するということは文字に起こして書き表すこと、これがいわゆる記述の回答になります。
国語の学習ポイントは、「対話を大切にする」ことです。表現や言葉を意識して行う言葉のやり取りが、国語の力を広げることにつながっていきます。二つ目は「語彙を増やす」。低学年のうちからさまざまな言葉を知ることです。
【理科について】
とにかく暗記をすればよいという科目ではありません。近年の問題では現象を記述で説明させる問題や、データやグラフをもとに考察させる問題が出ています。普段の生活から身の回りの自然に注意を向けて、なぜどうしての考えを持つようにする。学校や塾で習ったことを、実際に自分の周りで起きていることに当てはめ、自分の目で確かめてみるのもよいでしょう。そこで疑問を持ったことを調べると、理科の楽しさにつながります。ポイントは「なぜ、どうして」を考えることが理科でいう「思考力」につながり、それを説明することが「表現力」になります。二つ目のポイントは図やグラフ、写真といった資料を活用することです。理科の問題は図や写真が一緒になって出題されるため、写真や図と合わせて学習すると知識の活用に差がつきますので、今のうちに基礎・基本をぜひやっておきましょう。
【社会について】
知識事項の理由を考えて、それを説明するという問題が多数出題されています。覚えるという点では、知識と知識を関連づけて覚えることをおすすめします。例えば、地理では地域という一つのまとまりから、地形や気候、産業、暮らしがどのようにつながっていくのかを覚える。このように、一つのまとまりとして覚えるという工夫が必要になってきます。ポイントは、調べ学習から知識の関連付けを意識させること、そして基本の知識を増やすことです。
【4科目に共通するポイント】
まず「なぜ、どうして」を大事にしてください。答えまでの考えや、なぜそうなるのか理由を確認することで、求められている学力を正しく身につけることにつながります。二つ目は復習する際の工夫です。問題をやりっぱなしにせず、見直しをする癖をつけましょう。間違えた問題に対して何ができていなかったのか、正しい考えが理解できるように進めていくことです。間違えることが、正しいことを理解するきっかけになるということに気がつくと、さらに学力が伸びていきます。
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