昭和大学
基本情報
試験時間:2科目140分/問題数:大問4題
試験時間:2科目140分/問題数:大問4題
分析担当
藤原 大輔
藤原 大輔
出題内容・難易度
大問 | 出題内容 | 出題形式 | 難易度 |
---|---|---|---|
1 | 数B:数列の小問集合 ((1)2次方程式の解+隣接3項間漸化式、(2)自然数列の積の総和) |
短答式 | 標準 | 2 | 数Ⅱ:三角関数 (立方体の断面図の面積、正接の対称式の計算) |
短答式 | 標準 |
3 | 数ⅠⅢ: (三角形の図形量、円・球の通過領域+面積・体積) |
短答式 | やや難 |
4 | 数A: 確率(トランプのマークと絵札に関する確率) |
短答式 | 標準 |
問題分析
- 数学Bの数列の小問集合。(1)(2)ともに類題経験があればスムーズに解ける問題であった。(1)は2次方程式の解の公式で求められる解が出てくる隣接3項間漸化式で、絶対に落とせない頻出問題であった。(2)は日本医科大2012で出題された問題とほぼ同じ問題で、前の結果を利用していけば楽に計算することができた。ただ、初見でそのことに気付けないと2重の計算やの自然数列の表をかいて考えるなどして解くしかない。時間を考えると、ここは一旦飛ばした方が無難であろう。
- 数Ⅱの空間図形を切断した断面図に関する問題。これは東京大学で2014年に出題された問題を少し改変した問題で、空間図形の図形量の問題演習量をこなしてきた受験生ならばより楽な計算で解くことができる。この問題の(1)は計算を煩雑にする誘導なので、(2)以降は(1)の結果を利用しない方がよい。おすすめの解法は座標設定して外積を利用することで、そうすれば(2)は簡単に求められる。後は対称式の計算問題である。とりあえず(2)までが最低目標である。
- 数学Ⅰの三角形の図形量と数学Ⅲの立体の通過領域の体積の問題。(2)までは基本問題である。(3)以降は(3)で平面での断面積を求め、(4)でそれをtで積分して体積を求める流れであるが、(3)は類題の経験がないと計算ミスするか時間がかかり過ぎるかで実戦で解くのは厳しいと思われる。類題経験のない受験生は無理せず捨てた方がよい。
- 数学Aのトランプに関する確率の問題。マークと絵札の種類に関する確率でどこかで1度はやったことがありそうな標準的な難易度の問題ではあるが、実戦では解きにくかったと思われる。どのマークを選び、どの絵札が選ばれたかに注目して立式すればよいが、場合の数・確率を苦手とする受験生は間違えやすい。立式が不安なときは、樹形図等で書き出して数え上げてもよい。ここは1ミス程度で抑えたい。
総評
全体として問題のレベルが1段上がって、やや難化した。ただ、類題を経験していた受験生であれば解きやすかったはずで、高得点も狙えたであろう。昭和大学は「入試過去問題活用宣言」をしていて、近年は医学部を始めとする難関国公立大や難関私立大の過去問からの出題が目立つようになってきている。来年度以降、昭和大学を目指す受験生はこのレベルの問題まで演習をしておく必要があるであろう。このことを踏まえた上で昭和大学攻略のポイントは以下の4点:①国公立大・私立大の難関医学部の頻出テーマ(例えば青チャートのコンパス4、5の問題)まで演習しておく、②普段から面倒な計算を避けるためにできる工夫を意識する(特に図形問題)、③場合の数・確率の問題をすべて書き出して数え上げる、いわゆる、全書きでも解けるように練習しておく、④冷静に状況判断して解く問題の取捨選択を行う、である。今年の問題で言うと、大問1の(1)まで、大問2の(2)まで、大問3の(2)まで、大問4の1ミスまでを最低目標として、1次突破のボーダーは55%程度と思われる。さらに上のレベルを目指すのであれば、余力をもって75%以上は欲しいところである。