昭和大学
基本情報
試験時間:2科目140分/問題数:大問4題
試験時間:2科目140分/問題数:大問4題
分析担当
安部 雄太
安部 雄太
出題内容・難易度
大問 | 出題内容 | 出題形式 | 難易度 |
---|---|---|---|
1 | A:熱力学(定積変化と定圧変化からなる熱サイクル) B:熱力学(水飲み鳥の仕組み) |
記述式 | A:易~標準 B:やや難 |
2 | 力学(運動方程式・慣性力) 定滑車に吊るされた2物体の運動 |
記述式 | 易~標準 |
3 | 原子・電磁気 原子核反応と質量欠損、2物体の荷電粒子の運動 |
記述式 | 易 (5)のみ難 |
4 | 電磁気(教材によっては原子範囲) 荷電粒子の運動 |
記述式 | 易 |
問題分析
-
A問題は定積変化と定圧変化の熱サイクルの問題。基本的な内容のため、(1)~(3)は完答したい。(4)は熱効率を最大にするための条件を問う問題であり、上手く式を変形して処理する必要があった。
B問題は、昨年度と同様に学習した知識を用いて考察させる問題であった。水飲み鳥が起き上がりと水を吸う動きを繰り返すことを考察させる問題であり、完答は難しい。起き上がるための条件と水を吸う動きのどちらかの理由は解答したい。 - 力学からの出題。昨年度は、大問1が動滑車と定滑車を組み合わせた問題であったが、本年度は定滑車に吊るされた2物体の運動を問う問題であった。後半は定滑車を一定の加速度で上向きに運動させた場合であり、前半と後半通して易しいため完答したい。
- 原子後半の原子核反応と質量欠損についての典型問題。(1)~(4)までは完答したい。(5)のみ、荷電粒子どうしが接触するための条件を問う問題であり、発展内容となる。この問題については演習したことがないと解けない問題であった。
- 電磁気(原子範囲)からの出題。直線運動する荷電粒子に、進行方向に対して垂直に電場をかけた場合の運動と、電場による影響を打ち消すために外部から磁場を加えた場合を問う典型問題であった。こちらも完答したい。
総評
大幅な難易度の変化はないが、昨年度に比べて大問1(B)の考察問題が難化した。また、その他の問題でも大問1(4)での式変形と処理、大問3(5)の荷電粒子の運動がレベルとして高い問題であった。しかし、それ以外の問題については典型問題からの出題であり、上記の問題を除いた部分を完答することが合格には必要となる。
これまでの昭和大学の物理の出題傾向として、実験・思考問題に加えて残りが易~標準レベルの典型問題であり、傾向としては本年度も変わらない。確実にとるべき問題がしっかりと完答出来ていれば合格点であると考えられる。
昭和大学の入試問題で合格点をとるには、典型問題を素早く正確に完答し、残った時間で実験・思考問題でとれる部分を得点することが必要となる。「典型問題を落とさずに得点する」という部分については、とにかく日頃から詰まることなく自力で解けるまで、繰り返し基本~標準レベルの問題を繰り返す必要がある。日々の繰り返しの復習で基本内容を定着させ、標準レベルまでの問題でミスなく得点出来るようにすること、ただ問題を解くだけでなく、学習した内容をコンパクトに整理しながら体系化していくことが重要である。
加えて、なるべく早めに全体の範囲を1周終了させることも意識したい。2周目以降の学習でより典型問題に対しての処理スピードも上がっていき、本年度の大問3(5)のような発展事項についての処理も学習する時間を確保することが出来る。