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私立大学で広がるオンライン入試

私立大学で広がるオンライン入試

2021年度の大学入試では、新型コロナウイルス感染症への対応として、私立大学を中心に「オンライン入試」が広がったことが文部科学省の調べで分かりました。主に「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」などの入試で、「面接」や「口頭試問」に活用されています。
受験生にとっては交通費や宿泊費を節約でき、大学側は遠方の受験生も集めることができ、双方にメリットがあります。
しかし、通信環境の整備や不正防止の難しさから、導入を見送った大学もありました。今後これらの課題がクリアできれば、オンライン入試が広がっていく可能性があります。

コロナ禍で試験会場に行かないですむ入試を実施

2020年度は多くの大学で感染防止のため「オンライン授業」が導入され、学生がキャンパスに行かなくても講義に参加することができるようになりました。学習のオンライン化が急速に進む中、大学入試でも同じことが起きたのでしょうか。

文部科学省は5月24日、「新型コロナウイルス感染症に対応するための個別試験におけるオンラインの活用」の結果を公表し、オンライン入試の実態を明らかにしました。
調査は4月6日から16日にかけて、学生募集停止の大学を除いた全国の国公立大学、私立大学775校を対象に行いました。ここでいう「オンライン入試」とは、試験実施者と受験者が直接対面せず、インターネットを活用して実施した試験を指します。

面接や口頭試問などで活用されたオンライン入試

現在、大学入試の形は大きく3つに分けられます。

一般選抜 大学入学共通テストや個別の学力検査による選抜
総合型選抜 大学の方針に合う受験生を、書類審査や面接など多彩な方法で選抜(旧・AO入試)
学校推薦型選抜 大学の出願条件と高校の推薦のもと選抜する。「公募推薦」や、私立大学に多い「指定校推薦」などがある。書類審査や面接、小論文、実技などで選抜(旧・推薦入試)

各大学は学部ごとにこれらの方法を組み合わせて入試を行っています。ですので、文科省の調査はオンライン入試を実施した「学部」の単位で行われました。

結果をみていきましょう。
オンライン入試を実施した学部は、国公立私立全体でみると「一般選抜」で2.9%、「総合型選抜」で19.1%。「学校推薦型選抜」で18.4%となりました。帰国生や社会人、留学生選抜などの「その他選抜」でも20.4%となっています。

国立、公立、私立の別でみると、実施率が2割以上となったのは、国立大の「その他選抜」と私立大の「学校推薦型選抜」「総合型選抜」「その他選抜」でした。
私立大学ではインターネット入試が少しずつ広がってきているといえます。

具体的なオンライン入試の内容は、「面接」「口頭試問」「レポート・小論文」が中心です。
最も多かったのは「面接」で、総合型選抜では91.2%、学校推薦型選抜では87.8%の実施率です。
次に多いのは「口頭試問」で、総合型選抜で39.9%、学校推薦型選抜で37.9%の割合で実施されています。
次いで「レポート・小論文」で、総合型選抜で30.6%、一般選抜で23.6%、学校推薦型選抜で17.9%が実施していました。

そのほか、プレゼンテーション、グループディスカッション、自己PR動画、演奏動画の提出などをオンライン入試で課した学部もありました。

通信環境や不正防止に課題

オンライン入試を実施して良かった点と課題も、自由記述で質問しました。

<オンライン入試を実施して良かった点>

  • 交通費や宿泊費の負担軽減で、受験生の受験機会が確保できる。
  • 録画などオンラインの特性を生かして、受験生の能力や適性等が判定できる。
  • 感染防止をしながら、受験生が自宅から受験できる。
  • 入試会場の設営や教員派遣の必要がなくなり、業務の負担が減る。

<オンライン入試の課題>

  • 受験生が不慣れなので、面接などでの点数が低く出てしまう可能性がある。
  • 不正防止策が対面と比べて十分ではない。
  • 通信環境のトラブルがある。
  • 通信環境を整える事前対応や当日の対応で、業務負担が増える。

実は、オンライン入試を検討したけれども、実施に至らなかった学部は、一般選抜で22.5%、総合型選抜で44.1%、学校推薦型選抜で39.1%ありました。
その理由として、「筆記試験をオンラインで実施するにあたり、公平性を担保することが困難」「すべての受験生にオンライン面接に対応できる環境があるか不明だった」「大学と受験生の通信環境を整えることができなかった」「不正行為の監視、防止が困難」など、実施した大学と同じような課題を指摘しています。

可能性を見据えて、オンラインのコミュニケーションに“慣れておく”

今回の調査で、コロナ禍がオンライン入試という新しい入試方法が広まるきっかけになったことがわかります。とくに面接や口頭試問などがメインの総合型選抜や、学校推薦型との相性がよいことがわかりました。

私立大学では総合型選抜や学校推薦型選抜が約6割を占めています。国公立大学の場合はまだ、一般選抜が約8割ですが、総合型選抜や学校推薦型選抜を増やそうという動きもあります。
何よりオンライン入試は、受験生にも大学にもそれぞれメリットがあるものです。通信環境や不正防止といった課題がクリアされてくれば、今後、ますます広がってくる可能性があります。

オンライン入試が拡大する可能性を考えると、いざ入試という段になって慌てることのないよう、オンラインでのコミュニケーションに慣れておきたいところです。
コロナ禍を契機としてオンライン授業の導入が一気に進み、多くの生徒が自分自身で機器を操作してリモート授業に臨んだ私立中高一貫校では、オンラインでのコミュニケーション経験を積む機会が整っているといえるでしょう。


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