
さきよみ中学受験

今から注目! 2025年の大学入学共通テストの新教科・科目は?
2021年1月16、17日の両日、従来の大学入試センター試験に代わる「大学入学共通テスト」が初めて実施されました。
これから中学や高校へ進学する子ども達は、この共通テストのもと大学受験を迎えることになります。中でも2025年には、この共通テストに新たな教科・科目が加わることが予定されています。
出題科目が変わるのはなぜ?
なぜ出題科目が変わるのでしょうか。
大学入学共通テストとは、独立行政法人 大学入試センターが実施する試験です。
共通テストを入試に利用する国公立、私立の大学が協力して、同一の日に同一の問題を出題します。これはセンター試験と同じ方式です。共通テストは、大学での勉強に必要な力を把握するために、高校段階の基礎学力の程度を判定するために行われます。
今後、高校では、新学習指導要領に基づいた新しいカリキュラムが、2022年度の高校1年生から年次進行で始まります。
新しいカリキュラムには「歴史総合」など新設された科目があり、それらを学んだ高校1年生が大学受験を迎えるのに対応して、2025年の共通テストで入試科目を変えようとしているのです。
「情報」ではプログラミングやデータ分析を出題
では、どのような問題が想定されるのでしょうか。
大学入試センターは今年3月に2025年から初めて出題する教科・科目案を公表し、「地理総合」「歴史総合」「公共」「情報」の4つの新科目のサンプル問題をウェブサイトに掲載しました。
「情報」では、比例代表選挙での各党への議席配分数をプログラミングによる処理を通して考えさせる問題や、サッカーの試合でのデータ分析などが出題されています。
これは高校1年で「情報I」が必修となり、すべての高校生がプログラミングやデータ活用を学ぶことを前提にした出題でしょう。
高校に入ってから「情報I」を学ぶので間に合うのか、という疑問もあると思いますが、実は新学習指導要領では小学校や中学校でもプログラミングを学ぶことになっていて、現に小学校でも導入が進んでいます。
小学校からの学習の積み上げが、高校での「情報」の学び方、そして大学入学共通テストにもつながっているのです。
小・中学校時代から経験したい探究的な学び
ほかにも「歴史総合」の第2問では、近代のオスマン帝国、日本、清の3カ国で制定された憲法を比較してその背景に共通するものを抽出し、関連性を探る問題が出されました。
マークシート方式とはいえ、年号や出来事、人物名を暗記するだけで解くことはできません。その知識を活用して歴史の因果関係を考察する思考力が必要になってきます。
「地理総合」や「公共」のサンプル問題を見ても、グラフや図、写真、文献、会話などの資料を含んだ問題を読んだうえで、答えを選択する形式が目立ちます。
高校に限らず、小学校や中学校でも、新しい学習指導要領では「知識、技能」「思考力、判断力、表現力など」「学びに向かう力、人間性など」という、3つの力の育成を目指しています。
「新学習指導要領のもとで身についた力を試す」という意味で、大学入学共通テストの問題が思考力重視になるのは当然のことなのです。
新傾向の共通テストを解くためには、自分の頭で考え、実験や調査をしながら考えを深めていく「課題解決型の授業」の経験が不可欠です。
私立中高一貫校の学校説明会やパンフレットなどでよく目にする「アクティブ・ラーニング」「主体的、対話的で深い学び」「探究型の学習」といった新しい学び方は、思考力や判断力を育むための方法のひとつです。
ぜひ、大学入試センターのサンプル問題を見てみてください。保護者世代がイメージする大学入試のテストとはずいぶん違っていることに気づくと思います。
これからは「勉強とは教科書の内容を理解し覚えるだけではなく、自分で課題を見つけ、疑問に思ったことに答えを出す力を身につけること」が真剣に求められます。このことに、保護者だけでなく子ども自身も、小・中学校時代から慣れておくことが未来の大学入試に役立ちます。
学校側にも、子どもの思考力や判断力を伸ばす授業へと転換していくことが求められているのは言うまでもありません。
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