
さきよみ中学受験

大学入試で問われる英語力は小中学生のうちから
大学入学共通テストで問われる英語「4技能」
2021年に、これまでの「大学入試センター試験」に代わる新しい「大学入学共通テスト」が始まり、国公立大学だけでなく、センター試験を入試に活用している私立大学でも引き続き活用されることが見込まれています。
数学や国語などに記述式の問題が取り入れられることは大きく報じられましたが、もう一つの目玉として、英検などの民間の資格検定試験を入試に活かす方法が導入されることが決まりました。
「話す」「聞く」「読む」「書く」の英語の「4技能」を適切に評価するためのもので、大学入試では初めてです。
これまで、4技能という形で試験を行ってこなかったセンター試験を、すぐに4技能型に変えることは難しいものがあります。大学入学共通テストの受験生は50万人以上もいるからです。
そこで、英検などの民間資格検定試験を活用することにしたのです。具体的には、大学入試センターが「大学入試英語成績提供システム」を作成し、高校3年生のうちに受験した試験のスコアを集約し、受験生が志望する大学に提供します。こうすることで受験生と大学側との英語の成績のやり取りが簡単になります。
民間の資格検定試験を実施する団体側も、これに対応するため懇談会を開き協議を進めてきました。現在、大学入試センターが認めている民間の試験には、英検やGTEC(ジーテック)などがあります。
※2019年7月2日、TOEICは「大学入試英語成績提供システム」への参加を取りやめることを発表しました。 試験の申込から運営、成績提供までの処理が当初の想定よりも煩雑になることが分かったため、2020年春からのシステムへの対応が難しくなったためとしています。
小学生は「英語嫌い」にならないように
では、小中学生の保護者が未来の大学受験に対してできる準備はどのようなものになるでしょうか。
小学校段階では、「英語嫌い」にさせないことが最も重要です。
2020年春から、小学校では英語が5・6年生で正式な教科になります。これまでは外国語活動として比較的ゆるやかな授業でしたが、来年からは教科書ができ、通知表に成績も付きます。
保護者世代の英語の学び方は、単語や文法を覚えるというイメージが強いかもしれませんが、小学校ではコミュニケーションを中心とした学び方になります。ここで英語が楽しいという印象をしっかり持たせて中学校に進みたいものです。
中学校では「英語を学ぶ意味」を感じさせて
中学校になると文法事項も入ってきますので、「小学校の英語と違う」と英語嫌いが増えてしまう懸念もあります。そうしたギャップに対応し、英語好きをさらに伸ばす学習が重要です。
将来の大学受験に備え、民間の英語資格検定への取り組みを始めるのも、この時期が最適と言えるでしょう。
子どもたちに「英語を学ぶ意味」を強く感じさせるのも重要です。
私立中高一貫校の中には、中学校段階から海外に研修に出かけ、英語でコミュニケーションすることの楽しさを早くから味わわせるところがあります。
近年、注目されているのは「ターム留学」です。これは、1学期間をまるまる海外の学校で過ごすプログラムです。現地校での成績が単位として認められるので、日本に戻ってきても遅れることなく同じ学年で過ごすことができます。
約3カ月を海外で過ごすことにより、英語を「聞ける耳が育つ」「自分から積極的に話しかけられるようになる」「ホストファミリーと仲良くなれる」「自分の身の回りのことができる自立心を育める」「帰国してから英語への勉強意欲が高まる」など、多くのメリットがあります。私立中高一貫校では、中学校3年の秋から冬休みに実施する学校が多いようです。高校受験のない中高一貫教育ならではの取り組みと言えるでしょう。
英語4技能の中でも、スピーキングやリスニングの力は能動的に行うことで伸びていく力です。 小学校から英語を嫌いにならず、中学校で一定期間英語漬けになり、英語を使うことに慣れたり、英語を学ぶ意味を経験的に感じさせたりすることが大切です。
こうした経験があれば、高校になってどのような民間資格検定を選ぼうとも、実力を発揮することができ、大学入試にもしっかり対応できる力が身につくでしょう。
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