おかあさんの参考書
個別相談会で何を聞くかを考える

個別相談会で何を聞くかを考える

鳥居りんこ

せっかく学校に足を運ぶのだから、その学校をより深く知ることが大切

前回は、「学校説明会で何を見るか」についてお伝えしました。

1 必ず、学校の最寄り駅から歩いてみる

2 校長挨拶は要と心得よ

3 在校生と先生の雰囲気を確認せよ

4 掲示物を見よ

5 秋から最終までの学校説明会には参加すべし

学校説明会では主に、校長先生の挨拶、生活指導部から生徒の日常について、進路指導部から大学受験対策について、入試対策部から中学入試について(各学校で組織の名称は異なります)の説明がなされます。

これは来場者全員が等しく聞ける情報ですが、やはり、せっかく学校に足を運んだのですから、その学校をより深く知るということが大切です。

今回は、学校説明会後に開催される個別相談会で、先生に何を聞けばよいのかをお伝えしましょう。

「どういう学校なのですか?」という質問は×

多くの学校では、学校説明会後にブースを設け、個別に相談を受け付けています。

それぞれの家庭で事情も様々ですので、個人的に質問したいことがある場合、学校説明会の席上では手を挙げることが叶わなかった場合などがあれば、ぜひ足を運んでみてください。

先生方は慣れておられますので、一般的に突飛な質問と思われるようなことにも真摯に回答くださるはずです。

ぜひ、素直な質問をぶつけてみてください。

その答えの内容で、我が子に合っている学校かどうかの判断がつきやすくなります。

ただ、注意すべきポイントがあります。

それは、「どういう学校なのですか?」という質問。

これまで多くの先生にインタビューさせていただきましたが、その多くが「この質問はもったいない」と考えておられるようです。

もちろん、誠実にお答えになられますが、「ある程度は本校の情報を調べてから来ていただきたい」というのが本音のようです。

「どういう学校ですか?」という質問が決して悪いわけではありませんが、時間も無制限ではありませんので、その学校の教育方針などを理解した上で、具体的な質問をしたほうが得るものが多いでしょう。

具体的な質問をする

では、具体的な質問とはどのようなものを指すのでしょうか。

例えば、

「面倒見が良いとうかがいましたが、具体的にはどのようなことを指すのでしょう?」

「補習の様子を教えてください」

「宿題が少ないと聞きましたが、どうしてですか?」

「英会話はネイティブが担当されているとのことですが、実際に生徒たちの会話レベルはどのように進歩していますか?」

「校則が厳しいようですが、それはなぜですか? また、違反者にはどのようなペナルティがありますか」

「大学受験は予備校要らずと聞いていますが、学校ではどのような受験体制を組んでいますか」

「キャリア教育は卒業生にどのような効果が出ていますか?」

「卒業生が就いている職業にはどのようなものがありますか?」

「〇〇部は中高別で活動しているようですが、なぜでしょう?」

などなど、入学後の学校生活を知る根拠になると思われることを聞いたり、学校説明会の席上では時間の都合でサラッと触れただけのことの深掘りしたりすることも可能です。

意外に思われるかもしれませんが、入試相談をその場ですることも可能です。

かつて、我が子の書く文字が汚いということに悩んでいたお母さんが、志望校の先生に相談したそうです。

そのお母さんは我が子の模試の解答用紙を持参していたため、その場で先生に注意点を指導してもらえたといいます。

「漢字はここまで見ているので、これは正答になるが、こっちはアウト」という具合です。

また、別のお母さんは、「算数の“場合の数”が苦手なのだが、対策法を教えていただけないでしょうか」と相談したところ、先生は紙を取り出し、具体的に「どのようにして手を動かして考えるか」を教えてくれたそうです。

理解できるまでは公式に頼らず、一見、回り道と思えても根気よく書き出していくことの重要性を諭され、そのお母さんは「一気に目が覚めた」「ここの先生方に我が子を託したい」と思ったそうです。

親子は、その学校を第一志望と決め、偏差値の壁を越えていきました。

現在、中3になった子は、偶然にもその先生が担任となり、充実の学校生活を送っているとのことです。

具体的、入試対策を相談できることもメリットですが、このように「一生の出会い」になる可能性を秘めているのが、学校説明会や個別相談会なのです。

個人的な事情についても正直に話してみる

さらに、個人的事情について相談する場合もあるかと思います。

例えば、次のようなケースです。

「祖父母の家からの通学は可能か?」

「持病があるが、配慮してもらうことは可能か?」

「現在、不登校気味であるが、不登校生徒に対するケアを教えてほしい」

「質問する」ことも大切ですが、個別事情をお持ちの方は、特に「我が子のことを話して相談する」ことはマストになります。

入学後「こんなはずでは…」というミスマッチを防ぐためにも、ぜひ、事前に正直に伝えて、その返事を待ってみてください。

学校説明会に行く意義は、我が子に「どういう学校生活を送ってもらいたいか」ということと、「我が子が無理なく、楽しく学校生活を送れるのはどのような学校なのか」というバランスを具体的に体感することにあります。

我が子と学校のミスマッチほど切ないことはないので、低学年のうちから、興味が湧いた学校に実際に出向き、個別相談会で我が子を預けるに足る学校なのかを確認してみてください。

著者プロフィール

鳥居りんこ
鳥居りんこ
とりいりんこ

作家&教育・介護アドバイザー。2003年、長男との中学受験体験を赤裸々に綴った初の著書「偏差値30からの中学受験合格記」(学研)がベストセラーとなり注目を集める。保護者から“中学受験のバイブル”と評された当書は、その後シリーズ化され、計6タイトルが出版された。自らの体験を基に幅広い分野から積極的に発信し、悩める女性の絶大な支持を得る。近著に『【増補改訂版】親の介護をはじめたらお金の話で泣き見てばかり』(双葉社)、『【増補改訂版】親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ』(同)、『親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと』(学研プラス)、企画・取材・執筆を担当した『女はいつも、どっかが痛い がんばらなくてもラクになれる自律神経整えレッスン』(やまざきあつこ著・小学館)、『たった10秒で心をほどく 逃げヨガ』(Tadahiko著・双葉社)、『1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている 猫みたいに楽に生きる5つのステップ』(鹿目将至著・同)、『神社で出逢う 私だけの守り神』(浜田浩太郎著・祥伝社)など多数刊行。最新刊は『消化器内科の名医が本音で診断 「お腹のトラブル」撲滅宣言!!』(石黒智也著・双葉社)

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