


学校説明会で何を見るかを考える
中学受験を考えている保護者の皆さん、学校説明会に行くことは親の務めです。少なくとも1回は、受験候補に挙がりそうな学校を直接見て下さい。
「どんな学校なのかも知らないのに受験する」ということがないように
筆者への相談の中に、「一度も行ったことがない学校にしか合格をいただけませんでした。この学校の評判を教えてください」というものがよくあります。
受験は水物ですので、用意周到に準備し、受験校のシミュレーションを完璧に仕立てたつもりであっても、「まさかのまさか」がありえます。
「まさか」が起こった時の親は冷静ではいられません。その時は塾の先生が言うままに、とにかく合格を取りに行くということになりやすいのです。
逆に、「まさかのまさか」までをも想定したご家庭には「まさか」は起こりにくいということを、筆者は実感しております。
とにかく、「どんな学校なのかも知らないのに受験する」ということがあってはなりません。
お子さんの人生において最も大切な中・高時代の環境を選べることが、中学受験の本当の意義といってもよいくらいなのです。
偏差値に幅を持たせた上で、受験候補校へは可能な限り出かけて、我が子に合うかどうかの検討を重ねてください。
今回は、その時に見るべきポイントのいくつかをお伝えしましょう。
1 必ず、学校の最寄り駅から歩いてみる
学校は文化です。そして、その文化は街が育んでいます。
街にはその街特有の匂いがあり、学校も本来はその街と共にあります。
その街や通学路の雰囲気をよく見てきてください。
「この街、好きだな」と思えるかどうかも、学校選びの大切なポイントになります。
車で乗り付けるなどというもったいないことは避けて、必ず、お子さんが通うと予想されるルートを歩いて辿りましょう。
歩くことで、あらゆる情報が五感で感じられるでしょう。
2 校長挨拶は要と心得よ
トップは何よりも大事です。その集団が輝くかどうかはトップの力量に左右されます。
学校のトップは言うまでもなく校長先生です(理事長もいますが、実際に教育に関わるのは校長です)。
校長先生が語る理念と今後の目標、預かった生徒たちの未来をどのように考え、応援していくのかをよく聞いてください。
トップが語る子どもたちの未来へのビジョンに、心から共感できるかどうかを判断してください。
3 在校生と先生の雰囲気を確認せよ
学校説明会に出向いた際、学校見学ツアーが組まれることがあります。
前に行ったとしても、省略せずに参加されることをお勧めします。
ツアーでは、その学校の先生、あるいは生徒さんが案内役を務めるケースが多々あります。
その時、あなたはできるだけツアーコンダクターのそばに行ってください。
歩きながらの質問にも応じてもらえますし、例えば、先生がツアー中に出会う生徒とどのようなコミュニケーションを取るのかということも観察できます。
学校の雰囲気をダイレクトに感じ取れるチャンスなので、是非、何回でも参加してみてください。
4 掲示物を見よ
学校を見る際の重要なことのひとつに、掲示物があります。
例えば、美術の制作物であったり、研究発表の類いであったり、クラスのめあて、お知らせなどが貼ってあります。
成績優秀者の一覧表や、大学合格者が掲示されている場合もあります。
また、黒板に、生徒さんがちょっとしたアートを描いていることもあります。
それらを見て、好印象を持てるかどうかも鍵になります。
5 秋から最終までの学校説明会には参加すべし
秋から受験直前までは、複数回にわたって学校説明会を組む学校がほとんどです。
それぞれ、「すべて同じ内容です」と断りが入ることもありますが、10月には10月でしか聞けない内容が含まれており、11月、12月、1月もそれぞれ同様です。
回を重ねるごとに、6年生には特別に入試体験教室を組む学校もありますし、親には具体的入試対策を説明していくこともあります。
なぜなら、入試直前説明会が開かれるころには、入試問題が完成しているからです。
つまり、同じような内容であっても、微妙に違うケースが多く、何より「参加した」という実績を残すことにより、優遇されるケースもあるからです。
女子校に多いようですが、第一志望のご家庭に門戸を広げたいという思いから、説明会のアンケートで名前などを求められることがあります。
先生方に「いつも熱心に通ってくれているご家庭」と記憶の片隅に留めていただければ、繰り上げ合格の際に優遇されるケースもありますので、熱望校がある場合はチャンスになるかもしれません(もちろん、繰り上げ合格に値する点数を取っていることが大前提です)。
何よりも、同じ説明会であっても、複数回参加することで、より深く、その学校を理解できるようになります。
学校説明会の利用方法について、一部をご紹介しました。
中学受験は親子の受験です。子どもががんばっているのですから、親も自分ができる最大限の援護射撃でお子さんを支えてあげてください。
援護射撃の一番大きなものは、「学校選び」です。
お子さんに合った学校を探すためには、地道に足を運ぶのが一番の早道なのです。
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