


個別最適化イコール社会の進歩。教育も個人のニーズに応えることが大事
2024年度の小中学校における不登校児童生徒数は346,482人でした。前年度より47,434人もの増加で、率にすると15.9%の増加です。この傾向は今後も続くと思わざるをえません。
20年ほど前は「不登校は単なる子どものわがままだ。親がちゃんとしてないからだ。全て親の責任だ」と言う人がほとんどでした。でも、今そんなことを言う人は非常に少なくなりました。
未だに言っている人たちは、この状況への認識がアップデートできていないだけで、昔からの思い込みで言っているだけです。不登校の子が約35万人もいるということは、個々の子どもや親のせいということより、日本の学校のあり方により多くの問題があることを示しています。
集団主義はもう限界
日本の学校の問題をひと言でいうと大人数の集団主義です。つまり、勉強も運動も生活も大人数集団が同じ内容を同じ場所で同じペースで一斉におこなうというあり方です。
これに向いている子や耐えられる子ばかりではありません。そうでない子が息苦しさを感じるのは当たり前です。そんなところで長時間過ごすのは大人でも嫌でしょう。
個々の事情を抑え込んで無理に集団に合わせることは、ストレスの増大と幸福度の低下に繋がります。社会が進歩すればするほど、多様性への認識が高まり個々のニーズに応えられるようになります。つまり、個別最適化はイコール社会の進歩とも言えるのです。
例えば私は肉類が超苦手で、レストランでコース料理が出る場合は肉類を魚や大豆製品にかえてもらうようにしています。40年くらい前はそれを頼むと断られることもよくありましたが、今はほぼ100%応じてもらえます。これは社会の進歩といえるわけで、実にありがたいことです。
個別対応塾のニーズ増は、個別最適化の必要性の表れ
また、ある医師に聞いた話では、以前は薬も「子どもは大人の量の1/2」などというざっくりした処方でしたが、今は年齢や体重や性別などで細かく調整する必要性が言われているそうです。
それはそうですよね。体重80kgで運動量の多い20代男性と体重45kgでほとんど運動しない80代の女性を、「大人」というくくりで薬の量を同じにするのはおかしい話です。
塾でも少人数指導や個別対応の塾の方が、ニーズが増えています。これは学力も自己管理力も差がある子どもたちを一律に教えても成果が出ないことがはっきりしていて、個別最適化の必要性が認識され始めているからです。
子どもたちはみんな個々の成長ペース・発達特性・課題を持っていて必要とする支援のニーズも違います。学力も自己管理力も様々なので勉強においても個別最適化が必要です。
日本の学校はもっともっと進歩して集団主義から抜け出す必要があります。それでないと不登校の人数は増え続け100万人規模になる可能性もあります。
不登校は子どもたちのストライキです。ストライキは労働者の権利であり、「労働条件の改善」や「権利の確保」を求めるための重要な手段です。
同様に不登校も子どもたちの権利であり、「学校における学習や生活の条件」や「権利の確保」を求めるための重要な手段です。
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