おかあさんの参考書
世間体を捨てれば、子育てや教育が楽になり、親子ともども幸せになる

世間体を捨てれば、子育てや教育が楽になり、
親子ともども幸せになる

親野智可等

世間体が子育てや教育を苦しくする

子どもとの毎日を楽しく安らかな気持ちで過ごしたい。
良好な親子関係で幸せに暮らしたい。

みなさん、このように思っていると思います。
でも、実際にはそうなっていない親子も多いようです。

子育てや教育を大変にしたり、親子関係を難しくしたりするものにはいろいろありますが、「世間体」というものもその一つだと思います。

周りの目が気になって自分らしく生きられない。
自分らしい子育て・教育ができない。
周りからどう見られるかを考え過ぎて、叱らなくてもいいことで叱ってしまう。
お受験などをしたいわけでもないのに、受験しないだけで負け組のように思われたくないから受験する。
背伸びしてつま先立ちで、やっと合格した中学で、授業についていけなくなる。
習い事や塾も人並み以上に通わせないと安心できない。
特別支援学校・学級の方が合っていそうだけど、世間体を気にして踏み切れない。
本当は低層階のマンションで十分なのに、見栄をはって高層階にしてしまい、金銭的に苦しくなってしまった。

世間体をこれほど気にするのは日本人だけ

このように、世間体、つまり周りの目を気にしすぎた結果、生活や子育てが大変になっている例がたくさんあります。
「世間学」を研究している九州工業大学名誉教授の佐藤直樹氏によると、世間体をこれほど気にする国民性は、世界中を探しても日本だけだそうです。

これは私見ですが、その理由として、日本古来の稲作文化と恥の文化が大きく影響しているように思います。
また、集団主義的な傾向が強くて、しっかりとした個人が未だに確立されていないということも大きいでしょう。

自分らしく生きていこう

とはいえ、もう21世紀も5分の1が過ぎようとしていますし、これからは、AIの時代、流動性と多様性の時代、超高齢化社会、グローバル時代の加速化など、激動の時代に入ります。
ですから、そろそろ日本人も変わっていってよいのではないでしょうか?
日本のよいところを残しつつ、捨てるべきものは捨てていくべきです。
もっともっと自分らしく生きて、自分らしい子育てをしていきましょう。
子育ても、「世間体」を捨てるとずいぶん楽になるはずです。
楽であると同時に、楽しくて幸せなものになると思います。
それが、子どものためにもなります。

世間体や周りの目なんてどうでもいいでしょう。
そんなものばかり気にしていたら、一体誰のための人生かわかりません。
自分の人生なのですから、大人も子どもも、もっと自分らしく生きていきましょうよ。

著者プロフィール

親野智可等
親野智可等
おやのちから

教育評論家。1958年生まれ。本名 杉山 桂一。公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。ブログ「親力講座」も毎日更新中。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。

教育評論家・親野智可等 公式ホームページ『親力』


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