おかあさんの参考書
子どものやる気をなくさせる親の言葉

子どものやる気をなくさせる親の言葉

親野智可等

子どもが勉強のやる気をなくすきっかけで、よくあるのは次の二つです。
一つは、勉強の内容がわからないときです。
もう一つは、親や先生から不愉快な言葉をぶつけられたときです。

今回は、子どものやる気をなくさせる親の言葉を具体的に紹介します。
ご自分が何気なく言っていないか、振り返ってみてください。

家庭で勉強しているときのNGワード

「なんでこんな問題もできないの?」
「また同じところを間違えてる」
「この前やったよね?」
「もう忘れたの?」
「何がわからないの?」
「何度同じことを言わせるの?」

「宿題やったの? いつやるの?」
「やる気あるの?」
「いつやる気になるの?」

テストの結果を見たときのNGワード

「ちゃんと問題を読まなきゃダメでしょ」
「しっかり見直しをしないから、こういうことになるのよ」
「なんで80点しか取れないの?」
「これじゃ○○中学は無理ね」

「ダメだなあ」
「がっかりだわ」
「もういい」

「はあ……」
「あ~あ……」
「情けない」
「悔しくないの?」

「あなたには無理なのね」
「言い訳しないで」
「あなたは口ばっかり」

「授業中、集中してる?」
「先生の話、ちゃんと聞いてる?」
「真面目にやってるの?」

ほめるべきところで、逆に否定してしまうNGワード

子どもは「けっこうがんばった。まあまあ良くできた」と思っているのに、親はそう思わず、否定的な言葉を投げつけてしまうこともあります。

「これくらいできなきゃね」
「これくらい当たり前でしょ」
「これが続くといいけどね」

「まぐれでしょ」
「めずらしいから雨が降るんじゃない?」
「問題が簡単だったからじゃない?」

「一回くらいでいい気にならないで」
「調子に乗らないで、『勝って兜の緒を締めよ』よ」
「そんなにうれしい?」
「国語はできたけど算数はダメだね」

「できたけど雑。もっと丁寧に」
「できたけど遅い。次はもっと早くやって」
「自分からできるともっといいね」

「○○君はもっとできるよ」
「お兄ちゃんはもっとできたよ」
「お父さんはもっとできたよ」

おためごかしなNGワード

「あなたのために言ってるのに」
「あなたのことが心配で言ってるのよ」
「あなたの将来のために言ってるんでしょ」

「今がんばらなくて、いつがんばるの?」
「負け組になりたいの?」

不愉快な言葉が子どもを勉強嫌いにしてしまう

以上、子どものやる気をなくさせるNGワードを紹介しました。
このような、いやみで否定的な言葉は子どもを不愉快にします。

これらは勉強に関して言われた言葉なので、子どもの脳の中でちょっとした勘違いが起こって、「勉強なんて不愉快。大嫌い」という認識ができあがってしまいます。

本来は勉強そのものを不愉快と感じたのではなく、親の言葉を不愉快に感じたのですが、勉強に関して言われたために、「勉強は不愉快」という認識になってしまうのです。

これが、脳科学でいうところの「脳の勘違い」です。
親の不愉快な言葉こそが、勉強嫌いの原因になってしまうわけです。

著者プロフィール

親野智可等
親野智可等
おやのちから

教育評論家。1958年生まれ。本名 杉山 桂一。公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。ブログ「親力講座」も毎日更新中。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。

教育評論家・親野智可等 公式ホームページ『親力』


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