おかあさんの参考書
子供の時間管理術は学力に直結! 家庭生活の時間割で「時間管理術」を身につける

子供の時間管理術は学力に直結! 家庭生活の時間割で「時間管理術」を身につける

親野智可等

時間割があれば、「あとでやる時間はない」ということが“見える化”される

親:もっと勉強しなきゃダメでしょ!

子:あとでやるから

親:「あと」っていつなの?

子:「あと」は「あと」

親:いま勉強しないと、あとでやる時間はないんだよ。わかってるの?

子:わかってる、わかってる

このような会話が、多くの家庭でなされていることと推察します。

子どもたちは「あとでやる時間がある」と漠然と思っています。

でも、本当はあとでやる時間などありません。

「あとでやる時間はない」ということを“見える化”してあげることが大事なのです。

それができるのが「時間割」です。

つまり、家に帰ってから寝るまでの「家庭生活の時間割」を作るのです。

学校には必ず、「月曜日の1時間目は何時何分から何時何分までで、教科は国語」ということがはっきりわかる「学校生活の時間割」があります。

でも、「家庭生活の時間割」を作っている家庭はほとんどありません。

私はこれを、現代の子どもたちにとって必須のツールだと思います。

ホワイトボードの時間割にプレートを貼っていく

私のイチオシは、ホワイトボードに時間割を作ることです。

あまり小さいものは使いにくいので、場所は取りますが、ある程度の大きさのものを用意しましょう。

現代の子どもたちは忙しいので、時間割は複数のパターンが必要です。

習い事がある日はAパターン、塾がある日はBパターン、何もない日はCパターンというようにいくつか作ります。

また、裏に磁石を貼った次のようなプレートも作ります。

「勉強」「読書」「遊び」「ゲーム」「テレビ」「休憩」「食事」「お手伝い」「塾」「習い事」「入浴」などです。

そして、それらをホワイトボードの時間割に貼っていきます。

「水曜日は何時から何時まで習い事だから、勉強はその前に半分だけやって、残りは夕食のあとにすぐやろう。それが終わったらゲームだ」

「木曜日は、何時から何時まで塾だから、勉強はこの時間帯にまとめてやっておこう」

このように、親子で相談しながらプレートを貼っていきます。

試行錯誤しているうちに時間管理がうまくなる

でも、実際にやってみると、うまくいかないことが必ず出てきます。

そうしたら、時間割を作り直します。

ホワイトボードを使うこのやり方だと、プレートを貼り直すだけで作り直すことができるので便利です。

「やっぱり、塾から帰ってきて宿題を全部やるのは無理だな。行く前に半分でもやっておいたほうが、あとが楽だね」

「塾から帰ってきたら思い切りゲームをやりたいから、行く前にやっておこう」

「空手から帰ってきたときは疲れてるから、勉強は10分だけやって、あとは夕食後にすぐやるようにしよう」

「自分はやっぱり朝の方が集中できるから、早起きして勉強しよう」

このように試行錯誤しながら、自分に合ったものを作っていきます。

その過程で「時間管理術」が身につくのです。

「自分で決めたことだから守らなくては」という意識が働く

最初は親子で相談しながら進めますが、慣れてきたら少しずつ手を離して、子どもに任せる部分を増やしていきます。

時間割があると、「あとでやる時間はない。ここで勉強するしかない」ということがわかります。

しかも、「自分で決めたことだから守らなくては」という意識も働きます。

なお、子どもが成長するにつれて、ホワイトボードから手帳やスマートフォンのアプリなどに移ってもいいでしょう。

パソコンなどを使って、手作りの時間割を作ることもできます。

口で叱るだけでは身につかない

親の中には、子どもたちに、「いつまでもグズグズしてないで、すばやく切り替える!」

「時間を意識して行動しなさい。いまやるしかないでしょ。わかってるの?」などと口で叱るだけの人も多いでしょう。

これでは、いつまで経っても時間を管理する力はつきません。

大切なのは、時間を管理するツールを用意してあげることです。

大人はみんな、手帳、スケジュール表、手作りの時間割、スマートフォンのアプリなど、時間を管理するツールを持っています。

何も持たず、すべて自分の頭の中で管理している人はいないはずです。

そんなことは、ずばぬけて頭がいい人か、あるいはよほど暇な人でないと無理だと思います。

ところが、子どもたちには何ひとつ時間管理のツールを与えずに、すべて自分の頭の中でやらせようとしています。

それは無理というものです。

「時間管理術」は学力に直結する

時間管理術は学力に直結します。

あるいは、人生の質そのものに直結するといってもいいでしょう。

大人で「仕事もバリバリ。プライベートも充実」という人がいます。

こういう人は時間管理がうまいのです。

一方、「仕事もパッとしない。プライベートもイマイチ」という人もいます。

こういう人は時間管理が下手なのです。

これほど大切な能力なのですから、子どものときから育てていくことが大切です。

著者プロフィール

親野智可等
親野智可等
おやのちから

教育評論家。1958年生まれ。本名 杉山 桂一。公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。ブログ「親力講座」も毎日更新中。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。

教育評論家・親野智可等 公式ホームページ『親力』


親野先生 記事一覧

ALL

オススメ記事

記事一覧

ALL

お近くのTOMASを見学してみませんか?

マンツーマン授業のようすや教室の雰囲気を見学してみませんか?
校舎見学はいつでも大歓迎。お近くの校舎をお気軽にのぞいてみてくださいね。

首都圏駅前108校 校舎検索はこちら