医学部に合格するための具体的勉強法

study tips to pass medical school

医学部入試では、とくに単科医科大を中心として、応用レベル・発展レベルの大変な難問がたびたび出題されます。たしかに、一部の最難関校では、このような難問でもある程度までは得点できなければなりません。しかし、そのような例外を除けば、医学部入試では難問の出来で合否が決まることはありません。医学部の受験戦略としては、「難問をとる」ことではなく、「基本問題・標準問題で落とさない」ことが必要なのです。
ここでは、「医学部という進路」「学習計画と学習戦略」「もっと知りたい医学部受験」のカテゴリで述べてきた「総論」からもう一歩踏み込み、「各論」として教科・科目別の対策と、個別対策を超えたより実践的な対策に触れていきます。医学部用の受験勉強に必要なステップである「入試基礎固め」「典型問題演習」「共通テスト対策」の具体的な方法論を確認し、日々の受験勉強に落とし込んでください。

【医学部受験用 共通テスト対策】共通テストの「攻略法」

【医学部受験用 共通テスト対策】共通テストの「攻略法」

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以下では「総論」として、センター試験と比較した場合の共通テストの特徴、および、とるべき戦略について説明します。

センター試験から共通テストへの変化

共通一次試験の後継として1990年度から始まった大学入試センター試験(以下、「センター試験」)は、2021年度に大学入学共通テスト(以下、「共通テスト」)としてリニューアルされました。共通テストは2025年度で5回分実施されたこととなり、出題の特徴もだいぶ固まってきました。以下のとおりです。

  • 問題文の分量が膨大
  • 「知識の運用力」を重視
  • レベルが個別学力検査に近づいている

以下、順を追って説明します。

問題文の分量が膨大

共通テストでセンター試験時代以上に強く重視されているのは、大量の文章や資料を試験時間内で正確に処理できる読解力です。どの教科・科目でも、試験時間に比して圧倒的なボリュームの問題文が出されます。たとえば、2025年度の英語リーディングでは、合計6,000語弱の英文が出題されました。しかも、大問数が前年度の6題から8題に変更されています。英文を読むごとに頭を切り替えなければならない回数が増えているのです。
もっとも、このように長文が何題も出題されるとはいえ、共通テストの英語リーディングは、問題文・設問文とも「時間さえあれば解ける」というレベル設定ではあります。しかし、この長大な分量を80分という試験時間でさばき切るのは、多くの受験生にとって相当厳しいはずです。

「知識の運用力」を重視

センター試験時代には「知っていれば解ける」という設問が比較的多く出ていたのですが、共通テストではそのような単純な出題が激減しました。
代わりに急増したのは「初見問題」です。「初見問題」とは、多くの参考書や問題集に載っているような「典型問題」ではなく、受験生にとってなじみのない設問条件のもとに出てくる問題です。
「初見問題」の増加からは、共通テストの出題者が受験生に「知識が身についていることを前提として、知識を道具のように使いこなす能力」、すなわち、「知識の運用力」を求めていることがうかがえます。

レベルが個別学力検査に近づいている

上で述べたとおり、共通テストでは、知識そのものの有無よりも「知識の運用力」、言い換えると試験における「現場対応力」を試す傾向が強まっています。
では、知識はさほど要らなくても解けるのかというと、けっしてそうではありません。むしろ、とくに理科・地歴公民を中心として、センター試験時代以上に高度な知識を問う出題が散見されます。また、前出のとおり、新しい切り口による「初見問題」の出題も増えています。
このように、共通テストは、求められる知識レベルが高く、また新傾向の出題が頻発するという点から、各大学が課す個別学力検査のレベルに近づいていることがみて取れます。

共通テストの「戦略」

共通テストが得意なら、地方国公立大医学部の受験を検討する

受験生の中には、「大量の情報処理を得意とし、知識を使って考えるのが好きだが、各大学が課す個別学力検査ではさほど高い点数がとれない受験生」も一定数存在します。そのように、共通テストの出題との相性がよい一方、医学部の個別学力検査はあまり得意でない受験生には、地方国公立大医学部の受験をおススメします。なぜかというと、地方国公立大医学部には、個別学力検査に比べ共通テストの配点が高めに設定されている大学が多いからです。
たとえば、山形大医学部の配点は、共通テストが950点、個別学力検査が700点(2025年度現在)となっています。もし首都圏などの大都市圏から地方に移り住むことにさえ抵抗がなければ、共通テストで勝負するという受験戦略をとることは、合格可能性を高めるための選択肢として検討に値します。

早いうちから共通テストの過去問に触れ、スピードをつけておく

前項でお話ししたように、共通テストの問題文は膨大です。試験まであまり残り期間がない時期に過去問を解き始めているようだと、その圧倒的ボリュームをさばききるスピードが身につかないまま本番を迎えることになりかねません。たとえば、英語リスニングの攻略に必要な聴解力は、大量の音声に触れなければならないため、対策にはとくに長い期間を確保しなければなりません。
共通テストの過去問演習にはできる限り早く着手し、情報処理能力を高めておきましょう

対策の「抜け漏れ」をなくす

共通テストの学習戦略としては、上で述べた「早くから取り組む」ことだけでなく、特定の教科・科目および単元・分野に偏らず「抜け漏れなく取り組む」ことも大切です。
多くの医学部受験生がとくによく陥りがちなのは、「国語・地歴公民対策の後回し」です。この2つは、個別学力検査で課されない教科であるため、「まずは英語・数学・理科対策を優先しなければならない」という思いから、つい先送りにされがちな傾向にあります。その結果、国語・地歴公民の「抜け漏れ」ができてしまうのです。
たしかに、国語・地歴公民は共通テストのみの試験科目であり、配点も高くありません。この2教科の受験勉強は、なるべく軽い負担で切り抜ける必要があります。
そこで国語・地歴公民についておススメしたいのは、学校の授業を対策のメインに据えることです。せっかく学校の授業を受けているのに授業とは別に自学自習するのは二度手間であり、きわめて非効率的です。この2教科については、学校の授業を完璧に理解すること定期テストで高得点をとることを優先してください。国語・地歴公民の対策にはあまり時間をかけず、「コスパ重視」と割りきって取り組んでいきましょう。

参考URL
「マナビジョン」
https://manabi.benesse.ne.jp/daigaku/school/1085/nyushi/i/index.html

「独立行政法人大学入試センター」ホームページ
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7/

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https://www.tomas.co.jp/medic/


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