
医学部入試問題分析

横浜市立大学 【2025年度 数学】
基本情報試験時間:120分/問題数:大問4題
分析担当波田野 茂男
分析担当波田野 茂男
出題内容・難易度
設問 | 出題内容 | 出題形式 | 難易度 |
Ⅰ | 小問集合(1)分数式・方程式(2)漸化式(3)関数の最小値(4)数列の和計算 | 答えのみ記述 | (2)易 (1)(3)(4)標準 |
Ⅱ | 場合の数・数列 | 記述式 | 標準 |
Ⅲ | 空間座標 | 記述式 | 標準 |
Ⅳ | 微積分の計算 | 記述式 | 標準 |
問題分析
Ⅰ. (1)分数型の方程式を解く問題。右辺を通分し整理すると簡単になるが、そうせずに直ちに分母を払うと3次方程式になる上に無縁解が現れる。
(2)漸化式で与えられた数列の一般項を求める問題。階差数列の復元公式を使うだけで容易。
(3)分数型の関数の最小値を求める問題。医学部受験生ならば微分を使うのが妥当。他に3正数の相加相乗平均の関係や逆像法を用いる解法も考えられるが少し難しくなる。いずれの方法でも分子の次数下げや変数の置き換え等工夫した方が良い。
(4)数列の和が有理数となる条件を求める問題。和を計算するためにまず項を階差型に変形する必要があるが難しくはない。
(2)漸化式で与えられた数列の一般項を求める問題。階差数列の復元公式を使うだけで容易。
(3)分数型の関数の最小値を求める問題。医学部受験生ならば微分を使うのが妥当。他に3正数の相加相乗平均の関係や逆像法を用いる解法も考えられるが少し難しくなる。いずれの方法でも分子の次数下げや変数の置き換え等工夫した方が良い。
(4)数列の和が有理数となる条件を求める問題。和を計算するためにまず項を階差型に変形する必要があるが難しくはない。
Ⅱ. 回文数(十進表記が左右対称な自然数)を数える問題。
回文数の出題は過去に他大学で何度かあり問題集で類題を経験した人も居ると思われるが、誘導が丁寧なので初見でも難しくない。
桁数の偶奇で場合分けして考えるのもすぐに気付けただろう。
回文数の出題は過去に他大学で何度かあり問題集で類題を経験した人も居ると思われるが、誘導が丁寧なので初見でも難しくない。
桁数の偶奇で場合分けして考えるのもすぐに気付けただろう。
Ⅲ. 座標空間において点・平面・球面の位置関係を調べ長さや面積を求める問題。平面の方程式とその法線ベクトルの知識が必要。
(1)(2)の答を出すだけなら点と平面の距離の公式を使うのが早いが(3)で点H等の座標が必要になるので先に求めておく方が良い。
(3)は計算のみで解くのは難しく図形的な考察が必要だが、複素数平面で同趣旨の問題をよく見かけるので迷わないだろう。
(1)(2)の答を出すだけなら点と平面の距離の公式を使うのが早いが(3)で点H等の座標が必要になるので先に求めておく方が良い。
(3)は計算のみで解くのは難しく図形的な考察が必要だが、複素数平面で同趣旨の問題をよく見かけるので迷わないだろう。
Ⅳ. 三角関数の微分および積分の問題。誘導形式ではなく各問の間に繋がりはない。
(1)は微分計算、(2)は極値を答える微分の応用問題、(3)は定積分の計算、(4)は回転体の体積を答える積分の応用問題であった。
どれも入試問題としては易しいので丁寧な記述を心掛けるのが良い。(1)では答をある程度まとまりの良い式にすること、(2)では導関数の符号をどう判断したかの説明が欲しい。また(4)は横市の受験生ならばいわゆるバウムクーヘン分割法を使えばより簡単に答が求まることを当然知っているだろうが、念の為教科書準拠の方法で解答しておくのが無難か。
(1)は微分計算、(2)は極値を答える微分の応用問題、(3)は定積分の計算、(4)は回転体の体積を答える積分の応用問題であった。
どれも入試問題としては易しいので丁寧な記述を心掛けるのが良い。(1)では答をある程度まとまりの良い式にすること、(2)では導関数の符号をどう判断したかの説明が欲しい。また(4)は横市の受験生ならばいわゆるバウムクーヘン分割法を使えばより簡単に答が求まることを当然知っているだろうが、念の為教科書準拠の方法で解答しておくのが無難か。
総評
今年も医学部入試としては抑えた難易度、証明問題なし、おなじみの出題分野と完全にここ数年の傾向を踏襲した出題であった。この一文は昨年度全く同じことを書いた。あえて言うなら今年度は今までにも増して難易度が低かった。いくら何でもこれでは数学が得意であったり2次試験で挽回を目論んでいた受験生に気の毒ではないだろうか。逆に数学が得意でない受験生にとっては大いに有利に働いたことだろう。
ともあれ試験は試験なのでこのような出題が続いても、あるいは国公立医学部らしい出題に戻ったとしても対応できる幅広い学習が必要といえるだろう。今回のような場合はとくに計算ミスや題意の取り違え等は致命的となるので禁物である。
なお平面の方程式は2年続いての出題になったことは気に留めておこう。

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