医学部入試問題分析

千葉大学 【2025年度 生物】

千葉大学 【2025年度 生物】

基本情報試験時間:2科目100分/問題数:大問3題
分析担当吉山 茂
出題内容・難易度
大問 出題内容 出題形式 難易度
1 紫外線によるDNAの損傷と修復 語句挿入・記号選択・理由記述 やや易
3 筋収縮について 語句挿入・説明記述・記号選択 やや易
4 カメムシの生態について 語句記述・描図・説明記述 やや易
問題分析
  1. 紫外線照射に対してDNAの修復ができない日光過敏症に対しての問題。記述は100字一題だけ存在し、電気泳動を行った結果のバンドの図示もあった。全体的には平易であり、上記の「問3」のみが悩む結果となったであろう。
  2. 会話調の文章から筋収縮について考える問題である。80字・100字の説明記述が存在するが、至って標準的でありスムーズに進めることができる。
  3. カメムシの生態についての文章を読みながらの説明記述と光による定位についての描図がメインの問題構成となった。描図は昨年も存在し、それほど驚くことはなかった。昨年同様「頻出分野」以外での実験の結果を推測する描図を含む問題。
総評
記述問題は80字から100字までであり、記述のボリュームは大きく減った印象を受ける。一方、DNAの電気泳動や帰巣の軌跡の描図など、描図は千葉大学では連続での出題となる。記述が少なかった、計算問題がなかったということで時間的にはかなりスムーズに進んだと思われるため、もう一つの科目への負担も少なく、時間的・精神的な余裕を作ることができたであろう。
千葉大学は5つの大問から医学部は3題を指定する仕組みであり、頻出分野の細胞・代謝と遺伝子・発生、そして動物生理がメインの選択になるが、ここ2年は植物・生態系と頻出分野以外が出題されており、総合的に学習を行っておくことが必要であろう。問題は極めて標準的で記述問題もほとんどが説明記述であり、普段の学習のたまものとして合格を手に入れられるはずである。
全体的に「標準的」で「問題集的」であるだけに頻出問題を集めた「理系標準問題集」(駿台文庫)など基本的な問題集をしっかりと早いうちに一周しておくことは必須である。それをスタートにして実験結果考察をメインにした「国公立標準問題集」(駿台文庫)などで強化していくことが必要である。
記述問題の多くは「説明記述」であるので60字~120字程度の記述をしっかりと練習しておくことが必要である。基本的には80字~100字をメインにしながらも160字~200字や40字~60字などバリエーション豊富な記述パターンを身に付けておく必要がある。
今年度は出題がなかったとはいえ遺伝を中心にした計算問題は頻出であるのでしっかりと演習しておきたい。
このようにある程度国公立の標準的な学習で合格を手に入れることができる問題であるので、普段の学習を計画的に実行していくことが何よりも大切である。学校の学習をメインにしているだけでは反復する回数が少なくなるので遅くても3年生の夏休みまでには全範囲を終了して反復演習に十分に時間を取れる環境を作りたい。

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