医学部入試問題分析

千葉大学 【2025年度 数学】

千葉大学 【2025年度 数学】

基本情報試験時間:120分/問題数:大問5題
分析担当波田野 茂男
出題内容・難易度
大問 出題内容 出題形式 難易度
5 確率 記述式 標準
6 図形と方程式、微分、積分 記述式 標準
7 微分 記述式 標準
8 複素数平面 記述式 標準
9 微分、積分、不等式の証明 記述式 やや難
問題分析
  1. 反復試行(ランダムウオーク)の確率を求める問題。比較的容易だが(3)は慎重に数え上げる必要がある。
  2. 座標軸と円・対数関数のグラフの相接条件とそれらによって定まる領域の面積を求める問題。(1)は幾つかの解法があるが上手くやらないとやや計算が煩雑になる。(3)も全て積分でやるより台形や扇形の面積公式も利用するとスマートに求まる。
  3. やや煩雑な式で与えられた関数のグラフを描きその接線のy切片の値域を求める問題。計算はかなり面倒だが型通りなので確実に得点したい。ただし(4)はまともにy切片の具体的な式を微分すると大変過ぎる。上手く考えれば(2)の計算結果が利用できるのだが。あるいは(3)の図を利用して直感的に答えるというのが出題者の用意した筋かもしれない。
  4. 複素数を利用して図形の性質を証明したり見出す問題。厚めの参考書・問題集によく類題(どころかほぼ同じ問題も)がある。未経験だと戸惑うかも知れないが、そうでなければ比較的易しい。
  5. 1~3次の導関数の符号にのみ条件が与えられた抽象的関数に関する不等式の証明問題。aを固定された定数とし各々の不等式の両辺の差をbの関数とみて微分を繰り返せば良いのだが、(2)(3)は適切なタイミングで平均値の定理を使うことに気付かないと難しい。また(4)はいかにも(2)(3)の結果を使うべき問題に見えるが、実はそれでは上手く行かないので注意。
    なお(1)は面積の大小を使った証明も考えられるがf(x)の正値性は仮定されていないので一工夫しないと減点される可能性がある。
総評
9の(2)以降は受験生には難しい問題であったが、その他は手を付けやすい問題が多く昨年度と比較すると易化した。とは言っても生半可な実力で完答するのは容易ではなく難関医学部に相応しい出題内容と言える。毎年書いているが、このような試験で安定して高得点を取るには、むやみに難問に挑む前に標準的な問題を表面的にではなくしっかり内容を分析して理解する習慣を持つことである。
出題分野が今年度は数ⅢC(とくに微積分)にかなり偏っていた。微積分と確率は他分野と融合しやすいし今後も多く出題されるだろう。他には整数や数列も要注意である。

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