医学部入試問題分析

東京大学 【2025年度 数学】

東京大学 【2025年度 数学】

基本情報試験時間:150分/問題数:大問6題
分析担当霜村 昌美
出題内容・難易度
大問 出題内容 出題形式 難易度
1 図形と方程式・式と曲線 記述式 やや易
2 微分法・積分法・極限 記述式 標準
3 三角関数 記述式 標準
4 整数 記述式 標準
5 場合の数・数列 記述式 やや難
6 複素数平面 記述式 標準
問題分析
  1. 与えられた情報に沿って、何を問われているかの読み取りが容易な問題であった。しかし、媒介変数で表された曲線の長さを求める公式による丁寧な計算を必要とする問題から、時間を必要としてしまった受験生がいたかもしれない。
  2. (1)の証明は、誰もが経験している問題であったので、非常に容易だと感じた者が多かったはずである。(2)の極限に関しても、(1)の不等式を利用してはさみうちの原理を使う方針は立てやすかったと感じる。しかし、この場合は特に下限について出題者からのヒントがなかったため自分で関係を考える必要があったことから、この問題全体としては不安要素を抱えた者が一定数いたのではないかと感じる。ただ、(2)を(1)とつながりがないと判断した者もいただろうと考えられる。
  3. 長方形に内接する平行四辺形から、長方形の面積を求める問題であり、長方形と平行四辺形の性質から(1)のSをθを用いて表すことは容易であったと考えられる。(2)の最大値を求める際、場合分けが必要であることから丁寧な計算過程が必要となり、面倒に感じたかもしれない。方針を決定するまでは容易であると考える。
  4. fa(n)が平方数になるnについての問題であり、(1)を考えることは容易である。(2)の証明に関しては方針を立てる際にいくつか考えられるので、各自が自分の選択した方針を丁寧に仕上げていくことができれば高得点につながるはずである。特にこの問題は解答時間に差がつきやすい問題であったといえよう。
  5. (1)の証明に関しては、『A1,A2のうち少なくとも一方は』という表現から方針を決定するのが簡単であったはずである。また、(2)に関して、(1)を示したことで、方針を立てやすくなっていると言え、漸化式を作る練習をいくつかのパターンで行っていた場合は解ききるまでに時間を要さなかっただろう。ただし、答案を作成する際、どのように考えたのかを伝えきることができたかがカギになったのではないか。
  6. 円周上を動く点に関する問題であり、どのように複素数を置くべきかを判断する力があれば容易に解けただろう。しかし、(2)ではα≠βの情報を見落とさないようにしなければならない等、注意すべきことが多くある問題だった。
総評
昨年までの出題のように、流れが明確で、丁寧に誘導に乗ることで素早く解き、解いてからどのように答案を作成しようかと吟味し解答するような時間の使い方はできにくかったという面からみれば、明らかに難化したといえる。しかし、誘導が少ない分、自分で学習してきた問題とどこに類似点があるのかを分析し、同じように導けばよいと方針を立てることができた者にとっては決して難しくなったとは思わない問題構成であっただろう。つまり、日頃から、典型問題を解けるだけにせず、各問題で、表現方法に惑わされずに、どの情報があればどのような反応をするべきなのかを確認しパターン化する訓練と、積分を中心に計算の正確性を高める訓練を行うことが本学を合格するためには必要であるといえる。

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