医学部入試問題分析

東京大学 【2025年度 英語】

東京大学 【2025年度 英語】

基本情報試験時間:120分/問題数:大問5題
分析担当大久保 歩
出題内容・難易度
大問 出題内容 出題形式 難易度
1 【長文読解】
(A)要旨要約(日本語で70~80字)
(B)空所補充文選択、語句整序
記述・選択 標準
2 【英作文】
(A)自由英作文 60~80語
(B)和文英訳
記述 標準
3 【リスニング】30分間
(A)記事 (B)ラジオ番組
(C)講義内容一致文選択
選択 標準
4 【長文読解】
(A)文法・語法 誤文指摘
(B)和訳
記述・選択 標準
5 【長文読解】
(A)空所補充
(B)英文和訳 (C)内容説明
(D)空所適語選択、内容一致文選択
記述・選択 標準
問題分析
  1. (A)【文章題材】科学技術の進歩と死の定義。約330words
    例年通りの要約問題。文章のテーマは比較的身近で、各段落の要点は読み取りやすい。ただ、ひとりの研究者の考えが大きく取り上げられているので、これをどう扱うかが少し悩ましい。制限字数内に各要素をまとめる作業で思考力や日本語能力が問われる。
    (B)【文章題材】人間の言語の特殊性。約810words
    近年同様、文空所補充と語句整序で構成。ダミーの選択肢は今年も1つ。文章量は昨年よりも40 wordsほど減少。段落ごとの要点さえおさえれば、空所を埋める文を選ぶのは比較的容易。整序作文は、空欄を含む文をしっかり分析することが求められる。
  2. (A)「意見を言わないことは同意することを意味する」という主張について論じる自由英作文。
    例年同様60~80語と語数が少ないが、今年はテーマの抽象度が高く、理由を挙げるのが少し難しかったかもしれない。理由の述べやすい立場を選び、できれば短い時間で解答を書き上げて時間を節約したい。
    (B)例年同様の和文英訳。和文の構成はそれほど複雑ではなく、英語に置き換えることは難しくない。和文特有の表現が少ない問題なので、訳に漏れがないように丁寧に英文を作成し、高得点を狙いたい。
  3. (A)(B)がモノローグ形式、(C)がインタビュー形式。それぞれある程度の分量の英語を聞くことになるので、テーマを先に把握して、聞きながら内容を頭の中で整理する必要がある。今年は科学的な内容が多く、設問では細かい点を問うものが見られた。設問で問われることを先に把握し、聞き取るべきポイントを前もって明確にしておきたい。
  4. (A)誤文指摘:例年通り、各段落5カ所の下線部より誤りを含むものをそれぞれ選択。今年度は、文章内容に関するものはなく、文法や語法の知識で簡単に誤りを見つけられるものばかりだった。全問正解を目指したい。
    (B)和訳:古代の仮想の話を題材にして検閲逃れについて論じたエッセイの中の3つの英文を和訳する問題。全体に文構造は特に複雑ではないものの、後半の2問は文章全体の要旨を把握していないと文意を正しく読み取れず適切に訳せなくなる可能性が高い。
  5. 【文章題材】イスラム教の断食の風習についての筆者の体験や考え。約900words
    近年同様、エッセイ文からの出題。語句整序問題がなくなり、表現の意味を問う問題が増加。文章中の語彙や表現は決して難解ではなく、記号問題の選択肢も特に紛らわしくはない。記述解答も、設問条件に沿った解答を心がければ十分に対応が可能である。
総評
英語の総合能力(語彙、文法・語法、読解、リスニング、英作文)が問われるだけでなく、論理的な思考能力(文脈・要旨把握、要約作成)も求められる例年の特徴に変わりはない。リーディングの語数が減少したがリスニングはやや難化した。国公立大の問題として決して難解ではないが、短い時間でさまざまな文章を正確に処理しなければならない。まず、英語の能力をまんべんなく伸ばす必要がある。特にリスニングは地道に力を養っておきたい。同時に、要約や英文和訳などの問題演習を通して、日本語文の作成能力も鍛えておく必要がある。

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