
中学受験基本シリーズ

中学受験の勉強法! マッチした学習法で難関合格
男女御三家をはじめとする難関中学受験に向けて塾に通い始めたものの、なかなか成績が上がらず「今の勉強法で大丈夫?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。志望校合格を確実にするためには、正しい勉強法を身につけることが肝心です。難関中学受験を制するにはどのような勉強法が有効なのか、科目別にお伝えします。
✔この記事を読んでほしい方
- 成績が上がらず、今の勉強法でよいのか不安な保護者の方
- 苦手科目の克服に苦戦している受験生の保護者の方
- 塾で勉強法について相談する機会がない保護者の方
- 受験勉強を始めたばかりの小3・小4生の保護者の方
難関中学受験を制する勉強法の鉄則
「知識」と「思考力」をバランスよく伸ばす
男女御三家などの難関中学受験では、どの科目においても「知識」の習得を前提として、さらに知識を使いこなすための「思考力」「判断力」「表現力」が求められます。
受験勉強において演習量の確保はもちろん大切ですが、漫然と問題を解き続けるだけでは、かえってマイナスになる場合もあります。たとえば「同じ形式の問題は解けるが、形式が変わったり、言い回しや前提が変わったりすると解けない」「問題を読まずに数字だけ拾って解いてしまう」といった悪い癖がついてしまうと致命的です。
5年生までの内容であれば、このような勉強の仕方でも答えが出てしまうため、「自分が本当に解っていない」ことに気づかないケースが多くあります。そのままの方法で勉強を続けていると、いざ受験が間近になって複合型の問題が出てきたときに対応ができず、一気に点数を落としてしまいます。
一方で思考力や表現力に優れていたとしても、前提となる知識が不足していると、与えられた問題文から解決を導く糸口を掴むことができません。つまり、最難関中学受験では「知識」と「思考力」の2つをバランスよく伸ばしていくことが合格のカギであるといえるでしょう。
長時間勉強を続けることを目標にしない
また、男女御三家などの最難関中に合格する生徒の特徴をして挙げられるのが、「取り掛かるのが早いこと」であり、「メリハリのつけ方、切り替えの仕方がうまいこと」ともいえるでしょう。このような生徒は何事につけ処理能力が高いため、自分の間違いに気づくのも早く、身につくのも早いのです。
本来、小学生は長時間集中し続けることは苦手です。長時間勉強を続けることを目標にするのではなく、たとえば30分勉強したら休憩するというペースを何度も繰り返す方が、質・量の両面において効果があります。
難関中学合格を確実にする科目別勉強法
国語の勉強法
難関中学受験ではどんな力が求められる?
文章中に書かれた情報を正しく読み解く力と、整理してわかりやすく伝える力が求められます。このような国語の力は、4教科の根幹です。特に近年の入試では、算数・理科・社会も問題文が複雑化・長文化しており、速く正確に解くためには読解力が欠かせません。
ご家庭の勉強で意識したいこと
国語は単元の得意不得意というより、基本の読解力・語彙力・表現力に成績が左右されやすい教科です。成績が思うように伸びない生徒は、そうした基本が弱いといえるでしょう。ご家庭での勉強においては、毎日の積み重ねを意識して「量」をこなして鍛えることが大切です。
継続的に取り組みやすいのは、語彙力の強化です。たとえば、漢字や語句、慣用句、故事成語といった言語知識を、親子でゲーム形式にして取り組むなどして、飽きさせずに楽しく取り組みましょう。また、こまめに辞書を引く習慣をつけることも大切です。辞書には言葉の意味だけでなく、語源や派生語など多くの情報が詰まっています。常に手元に辞書を置き、宿題や復習に限らず、本やテレビ、会話の中で気になる言葉が出てきたら辞書を引きましょう。
学年別の勉強法アドバイス
〇小学校6年生
本格的な志望校対策を行う中で、過去問を中心に解答力や実戦力を強化しなければなりません。そこで前提となるのは読解力です。文章が読み取れていなければ、問題は解けません。文章の話題や要点、要旨、人物の心情などについて、文章を一読してしっかり読み取れるようにしておきましょう。また、テーマ別の文章パターンも把握しておくとよいでしょう。
読解力をさらに高めるために、塾で扱った文章でも構わないので、内容を記述でまとめる練習をしましょう。正解に至るまでの思考過程や記述解答を自分で再現できるようにすることも大切です。特に記述に関しては、模範解答をよく分析してください。もちろん、入試の基礎点となる漢字・知識の総復習も欠かせません。
〇小学校5年生以下
読書の習慣は読解力や表現力の向上に役立ちます。どんなジャンルの本でも構わないので、お子さんが夢中になって読んでいる本があれば、ぜひ「どんな本なの?」と聞いてみてください。読んだ内容を自分の言葉で説明することで、論理的思考力を養うことができます。
算数の勉強法
難関中学受験ではどんな力が求められる?
最難関中学受験では、問題文を読み解き、答えまでの道筋を導き出して式や図表として書き表す力が求められます。今まで学習してきた知識や技術を駆使して、初見の問題や未知の問題に対応しなければなりません。
ご家庭の勉強で意識したいこと
算数はさまざまな問題演習を通して考える力を養うことが大切ですが、同時に基礎となる計算力を鍛えておく必要があります。計算練習を1日何分やると決めて、毎日継続しましょう。計算は練習すればするほど速く、正確になり、ミスが格段に少なくなります。
また、難関中学受験では答えに至るまでの式や考え方を求められることが多いので、順序立てて書けているか、指定された枠に収まる記述量や文字のサイズかなどを意識する必要があります。枠内に収まらないものは採点の対象外とする学校もあるので、日頃の学習から注意を払いましょう。
学年別の勉強法アドバイス
〇小学校6年生
単元学習を完成させて、早めに過去問による実戦演習に入れるかがポイントです。ボリュームの多すぎない教材を1冊選び、計画を立てて夏のうちにやり切ると達成感もあり、自信にもつながります。使ってきた教材の復習をしっかりやり切るのもよいでしょう。1日2時間などと決めて勉強を始めると、だんだん力がついてきて、時間内に解ける分量が変わってきます。逆にわからない問題に時間をかけすぎるのはよくありません。
単元学習のときに解けた問題が、総まとめになるとできないということがありますが、入試はまさに総まとめ。試験に出たときに、それが「〇〇算」だと見分けられるレベルまで単元学習が身についている必要があります。ランダムな出題に対応できる力は、ランダムな問題を解く練習でしかつきません。夏休みからは総合的な問題を解いて、レベルを基礎→応用→発展と上げていきましょう。
〇小学校5年生以下
算数は一つの単元でつまずいてしまうと、芋づる式にできない単元が増えてしまい、生徒自身が苦手意識を強く感じてしまいがちという特徴があります。よって授業でわからないところがあれば絶対に放置せず、なるべく早い段階で解決することを徹底してください。また、計算力の養成も忘れてはなりません。より早く正確に、工夫を考えながら毎日取り組むようにしてください。
理科の勉強法
難関中学受験ではどんな力が求められる?
単元ごとの知識にとどまらず、現象を記述で説明する力、データやグラフをもとに考察する力、条件通りに作図する力が求められます。未知の知識をその場で理解して考える問題や、高度な実験・考察問題に対応しなければならないため、付け焼刃ではない本質の理解が欠かせません。
ご家庭の勉強で意識したいこと
理科は単元学習の段階で覚えなければならない項目が多くありますが、知識を習得するにあたっては「知識網」、つまりはつながりだけでなく、広がりのある知識を身につけることを意識しましょう。原理や背景、関係までを含めて総合的に理解できるように心がけてください。
学年別の勉強法アドバイス
〇小学校6年生
知識網を強固なものにするためにも、問題集を1冊決めて計画的にやり切ることをおすすめします。また、実戦的な演習も重要です。問題文、表、グラフ、図などの情報を整理し、題意を正確に読み取る一連の流れを掴む練習が必要になります。知識網の強化と、題意を読み取る力に加えて、計算・記述に関するテクニックが結びつくと、得点力のアップにつながります。
〇小学校5年生以下
単元学習を着実に進めることも大切ですが、まだ時間に余裕がある小5以下は教科自体に興味をもたせたい時期です。教科書で学ぶだけでなく、出かけて自然や動物と触れ合ったり、博物館や科学館などに出向き、そこで行われる体験イベントに参加したりと、「生きた体験」をたくさんさせてあげることが理想です。お子さんが興味をもったことにはとことん付き合い、科学的思考力を育ててあげてください。
社会の勉強法
難関中学受験ではどんな力が求められる?
理科と同様に、用語などの知識の習得にとどまらず、その背景や理由まで答えられる力、時事や現代社会の問題点の指摘、解決策の提案ができる力が求められます。
ご家庭の勉強で意識したいこと
まずは地理の地形や気候、都道府県と県庁所在地、歴史の年号や人名・地名といった最も基本となる知識をしっかり身につけることが最優先課題です。特に地理の知識は歴史を学ぶ上でも重要です。歴史上の出来事というと年号や因果関係ばかりに気をとられがちですが、「どこで起こったのか」という視点を持つことで知識に奥行きが出て、定着度も変わってきます。
学年別の勉強法アドバイス
〇小学校6年生
基礎知識の定着はもちろん、テキストや授業で学んだ知識が日常にどう活かされているのか、身の回りの事象と結びつけて捉える視点が大切です。特に公民分野は興味がわかず、苦手と思い込んでいる生徒が多いようですが、学習してみると関連ニュースや社会の動きに興味がわき、耳に入ってくるようになります。入試直前に付け焼刃で時事問題を確認する受験生も多くいますが、ニュースにリアルタイムに触れる期間が長い方が確実に自分の中に残ります。ニュースを見聞きしたときの自分の意見や感想をノートに書き留めておくと、意見や考えを問う問題の対策にもなります。
〇小学校5年生以下
まずは都道府県名・県庁所在地や、主要な川や山地などの名前や位置を確実に身につけましょう。知識だけ丸暗記するのではなく、地図帳を手元においてしっかりと位置関係を把握しながら学習することで定着度が格段に変わります。地図帳を見る習慣がついたら、次の段階としてぜひ白地図帳を用いましょう。色を塗って形を覚えたり、都道府県の位置や名産を書き込んだりして自分だけの地図ノートを作っておけば、受験学年でも大いに役立つでしょう。
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