昭和大学
基本情報
試験時間:英語と合わせて140分/問題数:大問4題
分析担当
藤原 大輔

出題内容・難易度

大問 出題内容 出題形式 難易度
1 円の折り返し+
線分の通過領域
短答式 標準
2 小問集合
(整数、数列)
短答式 やや易
3 小問集合
(確率、面積・体積)
短答式 やや易
4 小問集合
(面積・体積、
確率・期待値)
短答式 標準

問題分析

  1. 「図形と方程式」の円に関する問題であるが、円束や線分の通過領域など類題の経験でかなり差がついたと思われる。
    (1) 折り返した円の方程式を求める問題であるが、これが今年の昭和大の合否を左右した問題といってもよい。この問題に手が出ないとかなり苦しくなる。
    (2) 円の弦を直径とする円の方程式を問う問題で2円の位置関係など幾何的にとらえられたかがカギであった。
    (3) (2)で求めた円からy軸が切り取る弦の長さを求める基本問題であった。
    (4) 折り返した円の弦の通過領域を問う問題で類題の経験があれば難しくないが、経験がない人や時間に余裕がなかった人は捨て問でよい。
  2. 整数、数列の小問集合で決して難しくはないが、いずれも条件を満たすものをすべて答える問題で、漏れが起こりやすい問題であった。
    (1) 8の倍数となる自然数の十の位の数を問う基本問題であった。
    (2) 根号・指数を含む等式を満たす自然数を問う問題で、指数により根号内に負の整数もとれることを見落とした人が多かったのではと思われる。
    (3) 数列の和の絡む等式を満たす自然数の組を問う問題で、等式から解の範囲を絞り込んでしらみつぶしに調べることをスムーズにできたかで差がついたと思われる。
  3. 確率、求積問題の小問集合で、ここは確実に完答したい。
    (1) 袋から球を取り出す確率を問う問題で、起こりうる状況を整理できれば難しくない。ただ、(1-2)は題意が少しわかりにくいので注意が必要であった。
    (2) 円と放物線に囲まれた部分の面積、回転体の体積を問う基本問題でこれは落とせない。
  4. 空間図形の体積、確率・期待値の小問集合で、ここも差がつく問題であった。
    (1-1)は楕円の面積の公式で即答するとして、(1-2)は曲面の方程式を見て、z軸に垂直に切った断面が楕円になることに気づけるかどうかで差がついたと思われる。これは類題を経験していれば容易に気づけるが、経験がないと厳しい。
    (2) は昭和大頻出の確率と期待値の問題。(2-1)は漏れが出やすい確率の問題で注意が必要だが、(2-2)は(2-1)の結果を使うだけの簡単な問題であった。

総評

 全体としての難易度は易化した。完全に手が止まってしまうような難問はないが、①より簡単に単純に考えて解く、②面倒な計算・処理を最低限の時間でミスなく行う、この2点を普段から意識して学習できていたかどうかで差がつくセットの問題であった。目標は70%程度と思われるが、さらに上のレベルを目指すのであれば余裕をもって90%程度は欲しいところである。