杏林大学
基本情報
試験時間:60分/問題数:大問4題
分析担当
大久保 歩

出題内容・難易度

大問 出題内容 出題形式 難易度
文法・表現 選択 標準
文法・表現 語句整序 やや易
読解・会話文 文整序 やや易
(1)長文読解:
新興国でのビジネス
選択 やや易
(2)長文読解:
「喉まで出かかって(tip-of-the-tongue)」現象
選択 標準

問題分析

  1. 近年の傾向と同じく文法・表現の空所補充問題10問。文法3問(否定語句文頭による倒置、仮定法現在、仮主語構文)、語彙・表現7問(allow for, 形容詞のsound, many a〜,each and every〜, otherwise, be afraid to〜, to 〜extent)で構成。文法・表現ともにほぼ基礎から標準レベルの知識で対応できるが、あまり出題されない知識も問われている。<対策>文法については各単元に穴がないように反復練習で確実に定着させておくこと。特に仮定法や倒置表現は近年よく出題されているので要注意。表現についても問題集を繰り返し演習するだけでなく、文章読解のなかで最新表現に触れておく。8問以上、できれば満点を狙いたい。
  2. 近年の傾向と同じく語句整序問題5問で標準レベルの問題。標準的な知識を問う問題(関係代名詞、wait for, at least, take it easy, around the clock)がほとんどだが、難解な知識を問う問題(so much so that)も見られた。<対策>整序作文の問題を演習し、短時間で問題を解けるようにしておきたい。文型など文法の知識を活用して文を組み立てるだけでなく、文意を考えてどのような表現が使われているのかを推測しながら解くように注意する。4問以上正解が望ましい。
  3. 近年の傾向と同じく文整序問題5問。文章整序2問(A: マルチタスクの弊害、B: 歯医者の勧め)と、会話文整序2問(D: チェス、E: 犬を飼うこと)と、文章整序と語句整序の複合問題(C: SDGs)と、構成に少し変化があった。問題自体は全般に特に難しくない。<対策>過去問演習を通して文整序問題の解き方を身につけておくこと。代名詞や冠詞とディスコース・マーカー(however, thereforeなど)に着目し、確実につながる文を確定させるとともに、リード文から文章全体の要旨を推測し、文章として自然な流れを作るようにする。また、否定疑問文の受け答えなど会話に特徴的な表現も参考書などで習得しておくとよい。
  4. 問題それぞれに昨年と同じく脱文挿入が1問含まれ、文脈上の語彙の意味確定2問ずつ、内容一致2問ずつと同じ構成。(英文1):新興国でのビジネスの難しさがテーマで、経済系のテーマに慣れていない受験生は戸惑ったかもしれない。(英文2):親しみやすいテーマの文章だが、論旨を追えないと解答の際に混乱するかもしれない。<対策>医療や科学だけでなくさまざまなテーマの長文を読み、背景知識を広げておくこと。また、読解演習を通して段落ごとの要点や文章の要旨を読み取る技術を身につけておく。脱文挿入の問題は解き方(代名詞やディスコース・マーカーへの着目など)を確立しておきたい。

総評

 ここ数年と大きく変わらない問題傾向だった。全体の難易度に大きな変化はなく、難易度はそれほど高くない。合格のためには80%以上の得点を目指したい。第Ⅰ問から第Ⅲ問の文法・表現、語句整序、文整序でまず確実に得点を積み重ねておく。ここまでで時間的余裕をもたせ、第Ⅳ問は解答根拠を丁寧に確認しながら解きたい。文法や語法は問題集の演習を繰り返し、定着度を高めておくこと。整序作文や文整序の解法テクニックも身につけておきたい。長文演習は医学や科学だけでなく幅広いテーマの文章に触れておくこと。