順天堂大学
基本情報
試験時間:80分/問題数:大問5題
試験時間:80分/問題数:大問5題
分析担当
渡邉 哲史
渡邉 哲史
出題内容・難易度
大問 | 出題内容 | 出題形式 | 難易度 |
---|---|---|---|
1 | 【長文読解】 下線部同義語選択、内容一致文選択 |
選択 | 易 |
2 | 【長文読解】 下線部同義語選択、内容一致文選択、表題選択、文補充箇所選択 |
選択 | 易 |
3 | 【長文読解】 下線部同義語選択、内容一致文選択、表題選択、文補充箇所選択 |
選択 | 標準 |
4 | 【長文読解】 下線部同義語選択、段落主旨選択、表題選択、文補充箇所選択 |
選択 | 易 |
5 | 【英作文】エッセイ文作成 200語レベル |
記述 | 標準 |
問題分析
-
【文章題材】SpaceX社のロケット開発・宇宙事業をめぐるインタビュー記事 約800words
例年と比べ読みやすい記事からの出題である。同義語選択と内容一致問題という構成は変化なし。昨年度見られた、内容そのものではなく作者のスタンス、感情を問う出題はなかった。大まかにでも論旨が分かれば完答できるレベル。 -
【文章題材】前頭側頭型認知症 約820words
難しい語句には注釈をつけるか、削除する編集がなされており、専門性の高い説明の箇所も内容把握には困らない。問2(1)において、文章構成上の筆者の狙いを問う出題が昨年度に続き見られた。ストーリー自体はもちろん文章展開や、論理構造上の各文の役割という点に注目した分析を求めている。設問は解きやすいものが多く完答できるレベル。 -
【文章題材】先延ばししてしまう習慣のメリット・デメリット 約870words
長所、短所両面述べていること、また、パターン分けをしたうえでのメリットの有無を述べているなど、変化に富む展開。今年度の長文4題の中では最も整理しにくい。それでも大問2と同様、分かりやすくするために本文に編集を加えた出題であった。
同義語選択、内容一致、文補充という設問構成は例年通りである。 -
【文章題材】進化、生物学的観点からのあご髭の効果 約610words
他の大問と異なり、同義語選択問題が少ない代わりに文補充が2問出題されている。内容一致問題は昨年度に続き、段落の主旨は何かという問いで統一されている。後半は実験の話が中心となっており、論旨から容易に判断できてしまう内容。論旨把握力を問うという順天堂らしさが出ている出題である。 - 医療系以外の職業を想定し人々の暮らしをどのように良くしていくか、また何故そうしたいのかをテーマにエッセイ文を作成していく。話題・譲歩などの導入、主張、説明・理由などのサポート文をその役割が明確に伝わるように書き、英語的に自然な論理展開を構築していくようにとの条件設定は例年通りである。語彙、文法、語法の正確さはもちろん、文章としての完成度が求められる。前提となる問題文が年々長くなってきている。条件の見落としが無いように確認を徹底すべき。
総評
80分で長文4題、20行程度の英作文問題1題。設問構成は変化なし。論旨把握力、文章力そして処理スピードを高めることが必須。昨年度と比べて総語数は250wordsほど増加したが、注釈が多いこと、難しい部分を削除する編集がなされていることから、易化傾向であり高い得点率が求められる。長文問題が容易な分、英作文に時間をかけることが出来た受験生が多かったものと思われる。難しい1文を正確にとらえる力は重要ではあるが、長い文章を短時間で読み、各段落の主旨、本文全体の主題を把握できる力が求められている。訳出するだけで満足せずに、筆者が伝えようとしていることは何なのか、どのような意図があってその情報を伝えているのかを考えていく読解練習、思考習慣を積み重ねていくことが重要。