千葉大学
基本情報
試験時間:理科2科目あわせて100分/問題数:大問3題
分析担当
吉山 茂

出題内容・難易度

大問 出題内容 出題形式 難易度
1 遺伝 計算問題・
理由論述
標準
2 免疫 語句挿入・
説明論述
やや易
3 乳腺の発生 記号選択・
理由論述
やや易

問題分析

  1. 遺伝についての問題。遺伝計算はそれほど高い難易度ではないが、最初にあるだけに少し面食らったかもしれない。突然変異の理由についての200字論述があり、ここを短時間に終了させてスムーズに進められるかが全体へ影響につながってくる。
  2. 免疫についての標準的な問題。論述も説明論述2問であり、ここではミスなく短時間で解ききりたいところ。グラフ描画も非常に平易であり、目新しさはなかった。
  3. 乳腺の分化についての問題。問5以外は知識であり、問5でやっと問題文を読んでの解答になる。問題文と問いを見比べて、「読まずに解ける」問題を早めに進めておくことがスピードアップのポイントになるかもしれない。

総評

昨年から2科目100分となり、大きく解きやすくなった印象である。1が一番重たい内容であり、他の2題が平易であるだけに時間配分がポイントになりそう。先に2以降を解いてもよかったかもしれない。
医学部では遺伝・遺伝子・動物生理の問題が昨年と今年も選択されており、大きく偏りが生じている。昨年もそうであったが、合否のポイントは遺伝計算であり、遺伝について不安のないようにしておくことがポイントになっている。論述は200字と100字、60字、80字、140字とあり、長いものは理由の論述になっている。しっかりと長文で考察を組み立てていく訓練も必要である。今年度は免疫の問題でのグラフ描画が出題されているがきわめて標準的であり、それほど気にすることはない。
上記のように単元が絞られているが、まずは「理系標準問題集」(駿台文庫)など標準的な問題集で全体をしっかりと学習したのちに、「国公立標準問題集CanPass」(駿台文庫)などで千葉大学に頻出の分野を徹底的に演習することが基本的な流れになる。説明論述よりも理由論述の方が合否を限るポイントになるので、しっかりと論述の対策を行いたい。理由論述のボリュームが今年度大きくなっているため、この問題形式についての強化は怠ることができない。
問題自体は「問題集的」な問題が多く、問題集をやりこんだだけ得点が上がる印象があるが、発生の問題を中心に「今回の実験からのみわかること」を答える問題も出題されるだけに、その「さじ加減」がポイントになる。
遺伝計算は、この2年合否を分けるポイントになっているので、必ず完成させておきたい。複数の問題集で演習を行って、早く正確に解けるようにしておきたい。理科は2科目まとめて行うことから、一方の科目を速く進められるともう一方の科目に十分に時間を取ることができる。時間的精神的な余裕をつくるためにも、「解ける」ことを目標とせずに「速く解ける」ことを目指していくことで、ボリュームは減ったとはいえ、タイトな時間配分の千葉大学への合格をつかむ近道になる。