最難関校合格を勝ち取る 中学受験の「社会科」勉強法

Social Studies Tips for Top Junior High School Entrance Exams

最難関校の入試では、知識があることを前提として解く「資料問題」「正誤問題」「記述問題」などの出題形式が主流です。また、知識を試す場合でも、近年起きた出来事を取り上げる「時事問題」や、高校入試や大学入試と見紛うばかりの高度な内容などが出てきます。このような手ごわい出題で合格点をとるには、どのような対策が必要なのでしょうか。ここでは、その秘けつをお話しします。

【中学受験の「社会科」勉強法①】社会科の攻略に大切な「知識」と「イメージ」

【中学受験の「社会科」勉強法①】社会科の攻略に大切な「知識」と「イメージ」

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暗記のポイントは「知識どうしの関連性」と「視覚情報の活用」

知識は、「つながり」の中でおさえる

近年の最難関校入試には、ある出題傾向が顕著に見られます。それは、知識の丸暗記だけでは通用しない、という点です。他教科の入試問題と同様、社会科の入試問題においても、知識それ自体を問うという従来型の出題は減り、「知識の活用力」を試すという流れが加速しています。
出題傾向の変化は、「初見問題」の増加として表れています。「初見問題」とは、多くの受験生にとって未見の題材を、覚えた知識の活用によって考察させ、試験という現場での対応力を測るという出題です。とりわけ、見慣れない統計から情報を読み取らせる「資料問題」というタイプが頻出します。また、高校受験や大学受験に出てきてもおかしくないレベルの高度な知識を試す出題も増えています。
このような出題に対応するため、勉強ではふだんから、単独の知識を関連知識・背景知識と結びつけて総合的に理解するという姿勢が必要です。ある特定の知識が出てきたら、関連する知識も「つながり」としていっしょにおさえましょう。
ここで、例として「建武(けんむ)の新政」の内容を取り上げます。実際に、周辺に出てくる知識や派生する知識もいっしょにおさえていく方法を適用すると、この内容は以下のように理解できます。

関連知識・背景知識と結びつけて知識をおさえる方法の例:「建武の新政」

  • 「なぜ建武の新政が始まったのか?」
  • 「鎌倉幕府の滅亡によって武士中心の政治が終わったことを受け、後醍醐(ごだいご)天皇が公家(くげ)中心の政治を導入しようとしたから」
  • 「建武の新政はその後どうなったか?」
  • 「公家中心の政治に対する武士の不満が募ったことを受け、天皇側についていた楠木正成(くすのきまさしげ)を足利尊氏(あしかがたかうじ)が倒した。吉野に逃れた後醍醐天皇は、京都の北朝とは別に南朝を建てた。その結果、南朝と北朝という2つの朝廷(ちょうてい)が存在する南北朝時代が始まった」

公家:天皇と、天皇の親戚である皇族に仕える上流階級。
朝廷:天皇・皇族・公家によって組織された政治体制。

社会科の勉強では、このように、知識どうしを結びつけて覚えていくよう意識しましょう。

知識は、地図・資料・ニュースなどからも積極的に吸収する

「知識の活用力」が試されるとお話ししましたが、その前提にあるのは、言うまでもなく、「知識の正確な理解と定着」です。
知識を習得する方法として、試してほしいやり方があります。それは、「文字情報」だけでなく、「視覚情報」、すなわち「ビジュアル」も用いるという方法です。「ビジュアル」によって学べる教材には、「地理」であれば地図帳、「歴史」であれば資料集、「公民」であればテレビのニュース番組などがあります。これらを積極的に活用しましょう。
「ビジュアル」からの理解がとくに重要なのは「地理」です。たとえば入試問題における地理分野のうち「地形」に関する近年の出題は、頭の中で地形の「イメージ」がわかない限り解けません。地理の学習では、「ビジュアル」の情報源として、地図帳を辞書のように使い倒してください

日常生活との接点から社会科の「イメージ」を広げる

社会科は、日常生活からも学べる

そもそも、社会科は何のために勉強するのでしょうか。それは、自分と「社会」とのつながりを「イメージ」としてとらえるためです。
子どもにとっては、家庭と学校がすべてです。しかし、その外側にはもっと広い世界、つまり「社会」が広がっています。社会科の学習で重要なのは、社会と自分との結びつきへの想像力をはたらかせることです。それは、すなわち、「イメージ」を膨らませることを意味します。
「イメージ」は、教材による机上の学習だけでなく、日常生活の中で広げていくことも可能です。受験勉強が本格化する低学年のうちに、勉強とは切り離して、社会との接点が持てる身近な体験をなるべくたくさん積ませてください。
体験には、おもに以下の4通りがあります。

  • 買い物
  • 食事
  • 旅行
  • 日帰りイベント

以下、それぞれを取り上げていきます。

「買い物」から社会が学べる

「身近な体験」の1つ目は「買い物」です。スーパーマーケットでの買い物からは、たとえば、「コメ売場はなぜレジの近くに置かれることが多いのか」など、「イメージ」を育てるのに役立つ情報がたくさん得られます。
「コメ売場はなぜレジの近くに置かれることが多いのか」☞答え:コメは大きな袋に入っていて重く運びにくいので、運ぶ距離を短くするためにレジの近くに置かれやすいから。

「食事」から社会が学べる

2つ目は「食事」です。食事の場ではスーパーマーケットで買ってきた食材を取り上げ、たとえば、「このキャベツって、群馬県産なんだよ」「群馬県では、高い土地でキャベツを栽培しているんだよ」などと話してあげましょう。子どもが日常生活と社会とのつながりを「イメージ」することに役立ちます。

「旅行」から社会が学べる

3つ目は「旅行」です。
たとえば、東海道新幹線の下り列車に乗ると、途中から富士山が見えてきます。静岡県内の走行中には、うなぎの養殖で有名な浜名湖(はまなこ)が目に入ります。また、岐阜県内の走行中には、合戦の舞台となった関ヶ原(せきがはら)を通過します。
旅行の過程で目にするこのような風景は、いずれ始まる受験勉強にすべて結びついていきます。小学校の長期休暇などを利用して、お子さんをぜひ旅行に連れて行ってあげてください。

旅行体験は、あとからジワジワ効いてくる

上で旅行の効能を述べました。しかし、まだ社会科を習っていない低学年の子どもは、旅行で全国各地を回ったとしても、あまりピンとこないかもしれません。ましてや、旅行から自分と社会とのつながりを実感することは難しいはずです。では、旅行体験は無意味なのでしょうか。けっしてそんなことはありません。低学年での旅行体験は、本格的な受験勉強に入る際に生きてくるからです。
たとえば、沖縄県を例にとりましょう。沖縄県は、全国47都道府県中、ゲリラ豪雨の発生件数が最も多い地域です。旅行で沖縄に行かれた方ならご存知のとおり、沖縄では、まるでバケツをひっくり返したかのような大雨にしょっちゅう遭います。そのような大雨の様子を見ても、社会科を習っていない低学年の子どもは、沖縄でなぜこんなに激しい雨が降るのかを不思議に思うだけで、その理由まではわかりません。しかし、そのような疑問は、地理を学ぶとスッキリ解決します。地理で「亜熱帯気候に属する沖縄県は、台風などが通過しやすく、年降水量が多い」という内容を学ぶからです。
このように、低学年での旅行体験によって得られた「イメージ」は、社会科を習う学年に入ってから時間差で効いていきます。

旅行の時間がなければ、「日帰りイベント」参加でもOK

もっとも、お父さん・お母さんの中には、「旅行に連れて行く時間がとれない」という方もいらっしゃると思います。そこで、旅行よりもハードルが低い「日帰りイベント」を、身近な体験例の4つ目としておススメします。
低学年の子どもは、博物館や公民館など見学中心のイベントよりも、実際に手足を動かして参加できる「体験型」のイベントのほうを喜びます。いちご狩りや潮干狩り、田植え体験、祭りなど、地域密着のイベントにできるだけたくさん連れていってください。

「語呂合わせ」、侮るべからず

社会科の学習における「イメージ」を広げる方法はまだあります。それは、「語呂合わせ」の活用です。
ここで例を1つ挙げましょう(「語呂合わせ」というよりは、「ダジャレ」に近い例です)。
鎌倉時代に、モンゴル帝国(元)が九州に攻めてきたことを「元寇(げんこう)」といいます。この元寇は2回起きていて、前半を「文永(ぶんえい)の役(えき)」、後半を「弘安(こうあん)の役」というのですが、この前後関係はなかなか覚えづらいものです。しかし、このようにややこしい内容も、「『弘安の役』は『後半・・の役』」という語呂合わせがあれば一発でわかります。
「語呂合わせ」は軽いイメージを持たれがちですが、子どもが社会科を好きになるきっかけとなりえます。受験勉強でも「語呂合わせ」を積極的に活用していきましょう。

まとめ


社会科という教科を得意にするためには、「自分と、自分を取り巻く世界がつながっている」と実感できることが必要です。買い物や旅行のような勉強以外の体験から自分と周囲との接点を意識し、「イメージ」を広げていきましょう。

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