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5月病対策!「やる気を持続させる」方法とは?

5月病対策!「やる気を持続させる」方法とは?

菅原裕子

五月病は一生懸命にがんばっている証拠

新年度の慌ただしさも落ち着きをみせ、ゴールデンウィークも終わった今の時期、よく「五月病」という言葉を耳にします。

五月病とは新しい環境になじめず、いろいろな精神的症状があらわれる状態のことを言います。

受験生でも症状が出ることもある五月病。そんな時でも、やる気を持続させるには、どのような方法があるのでしょうか?

一般的には、神経質で生真面目な人が五月病になりやすいと言われています。

この時期にストレスを抱えるのは、一生懸命に頑張っている証拠なのです。

それは、子どももまったく同じで、いまだ新しいクラスになじめずにいたり、受験に対して神経質になっていたりするかもしれません。

新しい環境に慣れようとか、受験に向けてよい成績を得ようとか、努力をしているからこそストレスがたまるのです。

人は、自分のキャパシティーを超えてやろうとしたときに、疲れがたまります。

あるいは、「努力しなくては」というプレッシャーがストレスになる場合もあります。

そんな状態の時にやる気を求めると、かえって状態を悪化させてしまいます。

子どもにやる気が見えない、集中力に欠けていると感じた時に、単にサボっているとか、やる気を出していないというように、気分の問題として片づけないようにしたいものです。

親として大切なことは、子どもの思いを理解することです。

何とかしたいと焦る気持ちを理解し、子どもにとって最適なペースを一緒に見つける努力をしましょう。

子どもの置かれている環境から、どんな精神的影響を受けているのか、身体的には充実しているかなど、様々な角度から判断し、それらに応じたストレス解消法を考えていきましょう。

睡眠

「寝る間を惜しんで勉強する」などと言いますが、これは成長期の子どもが最も避けなければならないことです。

ストレス解消法の第一に挙げられるのは「睡眠」ですが、逆に「早く寝なさい」と言われることも、子どもにとってはストレスのもとになる可能性があります。

まずは、十分な睡眠がとれるように、日々の生活のリズムを整えましょう。

1週間単位で何をするかをはっきりさせ、子どものペースで生活できるように計画し、子どもが自分で管理できるように工夫しましょう。

中学受験のペースに乗せようとするのではなく、その子に合わせたペースづくりを心掛けることで、やる気を維持することができます。

栄養管理

栄養管理は、子どもの体力を支え、思考力を高めるために欠かせない要素です。

多少の好き嫌いがあっても、十分に栄養が取れるよう、日々の食事を配慮したいものです。

ストレスがたまる時期には、ビタミンCが失われがちになりますから、野菜やイチゴ、かんきつ類などを日々の食事のなかにうまく取り入れましょう。

また、カルシウムやマグネシウムも、ストレスに効くと言われています。

働いているお母さんは、献立を考える時間が取れず、同じようなメニューに陥りがちになるかもしれません。でも、ここはちょっと努力してください。

インターネットのレシピサイトを見ると、時短メニューや作り置きなどが多く紹介されています。それらを参考にしながら、いろいろと工夫して、子どもに「おいしい!」と言わせましょう。

運動

子どもによって差はありますが、体を動かすことはよいストレス解消となり得ます。

特に、もともと子どもがあまり運動をせず、車で塾や習い事の送り迎えをしているような家庭では、子どもの運動時間が十分ではない可能性があります。

適度に体を動かすことで、体にたまったエネルギーが発散され気分も変わります。

歩くこともいい運動です。外遊びも含めて、子どもの運動量を点検してみましょう。

楽しむ時間

家族と過ごす時間は、子どもにとっては良いストレス解消となり得ます。

楽しく食卓を囲んで家族の話を聴いたり、会話に参加したりするだけで、心の中の漠然とした不安から解放されます。

家の中が明るいことが一番の薬でしょう。

特にお母さんの笑顔は、子どもにとって何よりも元気のもととなります。

また、友達と遊ぶ時間を大切にしていますか?

ストレスを感じる時ほど、たとえ短い時間でも楽しむ時間が必要です。

受験一色にせず、好きなことに打ち込む時間をできるだけとれるようにしましょう。

楽しみ、笑い、夢中になる体験があれば、子どもは自然に五月病から抜け出し、元気を取り戻すことができるでしょう。

著者プロフィール

菅原裕子
菅原裕子
すがはらゆうこ

NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事。有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役。1977年より、人材開発コンサルタントとして企業の人材育成の仕事に携わり、従来の「教え込む」研修とは違ったインタラクティブな研修を実施。参加者のやる気を引き出し、それを行動に結びつけることで、社員と企業双方の成長に貢献。後に、企業の人育てと自分自身の子育てという2つの「能力開発」の現場での体験をもとに、子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム「ハートフルコミュニケーション」を開発。各地の学校やPTA、地方自治体の講演やワークショップでこのプログラムを実施し、好評を得ている。著書に『子どもの心のコーチング』『子どもの「やる気」のコーチング』(以上、PHP文庫)、『子育てが変わる親の心得37』(幻冬舎)等。

公式ホームページ『NPO法人 ハートフルコミュニケーション』


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