


試験、試合、発表会などの本番に強い子にするには?
緊張をほぐし、リラックスして本番に臨むには?
あるプロ家庭教師の先生に聞いた話が、とても示唆に富んでいたので紹介します。
その先生は以前から、模擬試験や入学試験のときに、日頃の実力を十分に発揮できない子がいることを憂えていました。
せっかく一生懸命勉強してきたのに、いざというときに実力を出せない子がいるのです。
先生は、そういう子をたくさん見てきて、「かわいそうすぎる。何とかならないか?」と考えていたそうです。
そして、その一番の原因が、緊張のしすぎにあることに気づきました。
「緊張をほぐし、リラックスした状態にすればいい」とも気づきました。
それで、ある方法を思いついて実行したところ、非常に大きな効果があったそうです。
先生は、私にその方法を教えてくれました。
本番前の「おしゃべり」でリラックスさせる
その方法とは、ズバリ、本番前の「おしゃべり」です。
具体的には、本番前、子どもに「今、どんなことが不安? 心配なことはない?」と語りかけるのです。
すると、子どもは「社会の歴史で室町時代が……」「理科の○○がまだよくわからない。それが出るんじゃないかと不安」などと答えます。
それに対して、先生は「そうかあ。そこは難しいからね」「ああ、それ、出ないといいね」などと、共感的に返します。
あるいは、「試験中にトイレに行きたくなったらどうしようかって心配」「昨日、よく眠れなかったから、集中できるかなって心配」「ああ、やたら緊張してきた。やばい」「この模擬試験の結果によっては、志望校を変えなきゃならないから心配」という話も出ます。
それらに対しても、「心配になるよね」「緊張するね」「困っちゃうよね」などと共感します。
励ましとアドバイスの前に、とにかく共感
子どもの話に徹底的に共感することで、子どもは本音を話しやすくなります。
とにかく、子どもの本音や正直な気持ちを、できるだけたくさんしゃべらせることが大事だそうです。
しゃべることで、溜め込んでいたストレスを吐き出させるからです。
子どもの話を聞いて、すぐに励ましたりアドバイスをしたりすると、本音や正直な気持ちが話せなくなるので、まずは共感するそうです。
もし、励ましとアドバイスをする場合は、たっぷりと共感してからにするそうです。
この辺の話は私も全く同感で、講演でもいつも話していることなので、我が意を得たりという感じでした。
試合、発表会、プレゼンでも使える
不安な気持ちをたっぷり話し、その気持ちに共感してもらうと、子どもはすごく落ち着くそうです。
それまで緊張していたのがウソのようにリラックスして、それで本番に臨むと、日頃の実力が十分発揮できます。
いくら実力があっても、本番で緊張していると実力が発揮できません。
とにかく大事なのは、おしゃべりによって緊張をほぐし、リラックスさせてあげることです。
なお、このおしゃべりは、できるだけ本番直前に行ったほうがよさそうだ、とのことです。
ということで、みなさんのお子さんが本番に臨むときにも、ぜひやってみてください。
試験だけでなく、スポーツの試合や何かの発表会のときにも使えると思います。
もちろん、大人であるみなさん自身の本番にも応用してください。
例えば、大事なプレゼンテーションや資格試験の前などに、その緊張や不安な気持ちを一人で抱え込むのではなく、誰かに話すといいと思います。
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