昭和大学
基本情報
試験時間:70分/問題数:大問4題
分析担当
安部 雄太

出題内容・難易度

大問 出題内容 出題形式 難易度
1 力学
万有引力
地球の周りを公転する人工衛星の運動
記述式 易しい
2 熱力学
球形容器での分子運動論
記述式 易しい
3 波動
くさび形空気層の光の干渉
記述式 易しい~標準
4 原子
ブラッグ反射
記述式 易しい

問題分析

  1. 力学から、昨年度と同じく万有引力(宇宙内容)についての出題。地球の周りを公転する人工衛星の運動について問う内容であり、この単元の典型問題であったため完答したい。唯一、楕円軌道の半短軸を求めさせる問題が出題されたが、2次曲線の基礎知識があれば難しくはない。これまで大問1はA・B問題の2部で構成されていたが、それがなくなったという点で変更が見られた。
  2. 熱力学からの出題。球形容器での分子運動論についての問題であり、典型問題であるため完答したい。
  3. 波動からの出題。くさび形空気層の光の干渉の問題であった。くさび形空気層の問題では、干渉の条件や干渉縞の間隔を問う内容やガラス板を移動させた際の明暗線の移動距離を問う内容が頻出内容であり、本問も同様の内容であった。典型問題のため、完答したい。
  4. 原子範囲からブラッグ反射についての出題。こちらも典型問題ではあるが、有効数字3桁で答えを出す必要があるため、計算が多少複雑になる。計算ミス等に注意して完答したい。

総評

 全体として各大問が典型問題で構成されていたため、物理での合格点は9割以上と言える。唯一、大問1で楕円の半短軸の長さが問われたため、2次曲線の公式等が必要となったほか、大問4で計算が複雑になるという点のみ注意する必要があった。
 これまで昭和大学の物理の問題は、大問のうち1~2題が発展問題、残りが易~標準レベルの典型問題という傾向にあったが、本年度は全ての大問が典型問題で構成されていたため、大幅に易化した。これまでの昭和大学の入試問題では、典型問題を素早く正確に処理し、残った時間で発展的な問題でとれる部分を得点することが求められたが、本年度も「典型問題を落とさずに得点する」という部分は同じである。
 昭和大学の物理の対策としては、なるべく早く物理の全範囲の学習を終了させると同時に、並行して日々の繰り返しの復習で基本内容を定着させ、標準レベルまでの問題でミスなく得点出来るようにすることである。また、類似の問題はその他の私大医学部でも出題されているため、早い時期から過去問演習も行い、各単元について穴がないように仕上げていくことを心掛けてほしい。