千葉大学
基本情報
試験時間:80分/問題数:大問3題
分析担当
横倉 光男

出題内容・難易度

大問 出題内容 出題形式 難易度
長文
「考え直す能力」
下線部和訳(3問)、
内容説明(3問)
標準
長文「孤独な高齢者に
 ― 配られたロボットペット」
指示語内容指摘(英語)(2問)
下線部和訳(1問)
内容説明(5問)
標準
英作文 指定語使用の書き換え(10問) 標準

問題分析

  1. ★「考え直す能力」についての英文で受験生にとっては興味深い内容である。語彙もわかりにくいものは注に出ているので読みやすかったと思われる。次の大問2と同様に記号で答える問題はなくなりすべて記述問題となり、日頃から記述問題に慣れていないと時間がかかってしまうかもしれない。★問1:the 比較級, the 比較級の構文 問2:下線部のあとをまとめる 問3:比較表現 not so much A as Bの構文 問4:下線部のあとの段落からさがす 問5:下線部の前にあるカエルの例をまとめる 問6:接続詞のonce→一度~すると ★記述問題はすべて和訳問題の形が変わったもので下線部の前後に答えがあるので問題演習を通じて慣れる必要がある。
  2. ★高齢化の時代にあっての「孤独な高齢者にロボットのペットを配る」という話である。大問1同様に全問記述問題。注の語彙を参考にすれば楽に読める英文である。少々長いが、パラグラフごとに読んで解いていけば十分時間内に解答できるだろう。★問1:指示語と省略を英語で書かせる問題→上の行に同じIt’sがあることに注目する
    問2:下線部の趣旨→段落の最後に書いてある 問3:下線部の結果→同じ段落の後半をまとめる 問4:下線部の状況→電池との関連を書けばよい 問5:下線部のきっかけ→同じ段落をさがす 問6:thisが指すもの→すぐ上の行のthat節を書く 問7:特に難しい箇所はない 問8:この文の主人公である「孤独な老人の機械への愛着」を書けばよい ★記述は一見難しそうだが実は慣れれば、選択問題よりも解きやすい。他の国立大学の類似問題で練習を積めば合格点は楽に取れるだろう。
  3. 2021年度は英文を読んで、空欄箇所の指定語を用いての作文であったが、今年度は短い英文の指定語を使っての書き換え問題である。日頃、標準的なイディオムや同意表現を学習していれば平易だろう。ただし時制や代名詞には注意する必要がある ★問1:pay attention to 問2:仮定法過去完了→時制に注意 問3:carry out 問4:副詞+enoughの用法 問5:be used to 名詞 問6:be about to原形 問7:直接話法→間接話法 問8:二重否定文 問9:It is since構文 問10:be obliged to原形 ★いずれも基礎的な問題であり満点が望ましい。

総評

 2021年度とはかなり変わり、長文はほとんどが記述問題になった。代名詞の指すもの、省略、下線部の日本語説明、そして下線部和訳である。ただ、英文の内容が分かりやすく、難しそうな語彙は親切にも注があるので平均的な受験生は難なく解答できたと思われる。今年度は入試問題として英語力を見るには理想的と思われるが、大問3の書き換え問題は変更の余地がある。長文対策としては、当然であるが精読と速読が必要である 構文系英文の全訳演習、センター過去問の長文速読、他の国立大学の類似記述問題を解くことで答え方に慣れれば合格点はとれる。英語能力のみならず日本語力が試される。