


偏差値では測れない子どもの才能の見つけ方を考える
いよいよ今年も中学受験生にとっては本番の時期。地域によっては既に終了されているご家庭もあることでしょう。
当然、結果は気になるところですが、今回は「中高一貫校で過ごす意味」という視点で、お子さんにとって最適な環境の選び方を考えてみたいと思います。未就学児、あるいは低学年のお子さんをお持ちの保護者の皆さんにも参考になると嬉しいです。
偏差値よりも、子どもそのものを見る
言うまでもなく、受験には「数字」というものが大きな関わりを持ちます。テストの点数、受験倍率、合格確率、平均点……。ありとあらゆるものが数値化されるので、わが子の状況と照らし合わせて一喜一憂される親御さんも多いのではないでしょうか。
とりわけ受験には「偏差値」という数字が付いて回ります。塾や模試を実施する会社が出しているに過ぎない数字ですが、それに振り回されてしまうのも「受験あるある」です。
かく言う私も、わが子の中学受験時代は偏差値のプラス・マイナスに大騒ぎをしていたひとりです。偏差値というものが母集団によっても変わり、その時のコンディションにおいても上下の幅が広くなるということは分かっていても、ほんの少しの下がりだけで奈落の底に落ちていくような感覚になったものでした。
それはなぜだったのかを考えると、自分の中に「偏差値が高い学校=子どもの未来を保証してくれる学校」、逆に言えば「偏差値が低い学校=子どもの未来が暗くなる」という気持ちが大きかったのだと思います。
つまり、子どもそのものを見ずに数字だけを追っていたに等しかったとも言えます。昔は私も含め、こういう親が多かったのですが、近年、この考え方は主流とは言えなくなっています。受験界においても“多様性”というものが重視されるようになってきたからです。
ご承知のように偏差値は不動ではありません。同じ学校でも受験回によって大きく違うことも稀ではありませんし、今では「10年ひと昔」どころか「3年ひと昔」ではないだろうかと思うほどに、偏差値表に掲載されている学校ランキングは目まぐるしく変わっています。
保護者の学生時代は「御三家」が頂点に君臨していた時代でしたが、今現在のトレンドという意味では、21世紀幕開け前後、あるいは最近共学化された学校(例えば、栄東・開智・大宮開成・渋谷教育学園幕張・東邦大東邦・渋谷教育学園渋谷・広尾・三田国際科学など)が人気校になっています。
中学受験は社会情勢にも大きな影響を受けるので、今現在のムーブとしては「偏差値順」というよりは「不透明な時代であっても生き抜ける力を付ける」方針を明確にしている学校に注目が集まっているというわけです。
もちろん、時代の空気があろうがなかろうが、不動の人気を誇っている上位伝統校も数多く存在しています(例えば、開成・海城・早稲田・芝・浅野・慶應義塾中・青学・桜蔭など)。
要は世の中の動きに連動するかのように、中学受験界にも多様化の波は押し寄せており、受験校は分散している傾向にあるのです。
この価値観の多様化ですが、個人的にはすごく良いことだなと感じています。
これからの時代は誰かが作った数字に振り回されるのではなく、しっかりと自分の好み、あるいは向き・不向き・得意分野に、よりフォーカスした「オリジナル」の物差しを持つ時代だと思うからです。
中学受験の難しいところは、それを決めるのが多くの場合、保護者になるという点になるのですが、それでもわが子の未来を考える人間は親以上には存在しません。
ですから、注意深くお子さんを観察しながら、「この道」と決めたならば、自信を持って子どもと一緒に歩んで欲しいと願っています。
そのためのヒントのひとつをお伝えしましょう。
志望中学に、わが子が楽しめる環境はあるか
私も取材の過程で多くの識者と話をしますが、その中で共通項のように語られることがあります。
「中学受験をする上で大切なのは、親が子どもの興味関心を把握すること」
多くの塾の先生はこう言います。
「今の中学受験の状況は過酷ですから、楽しそうにやっているように見える子どもであっても、やはり遊びたい盛りだということは否めません。『遊びたい!』に代表される欲求を我慢している子どものほうが断然多い。では、なぜ、やれているかと言えば、中学に入ったらやりたいことをやろう! という気持ちでいるってことです」
これは部活、学校行事などが楽しみになると、それを目標に頑張れるからという意味だと思います。
中学に入ったらスポーツをしたい、音楽をやってみたい、英語を頑張りたい、実験が面白そうだ……。子どもが魅力を感じて「やりたい!」というものがあるのならば、それができる施設や環境はマストになります。
つまり、志望中学に子どもが楽しめる環境があるかが、とても大事になるということです。
わが子の“興味関心の芽”を見つけるヒントは日常の中に
子どもが楽しめる環境のある中学を見つけるために、まず親は、わが子の興味関心がどこにあるのかを冷静に観察してみる必要があります。
何をしている時に一番、目が輝いているか。「これ面白い!」「これ好き!」となっている瞬間はどういう時か。興味を持っているものは何か。
そのヒントは日常の中にあります。今の子どもたちは動画やゲームなどが大好きですが、その中でも好みは出てくるでしょう。その“興味の芽”を見つけたら、まずは親が関心を示してあげるのが第一歩になるかと思います。
小さい頃からロボット動画を視聴するのが好きだった女の子の話をしましょう。
5年生の頃に、たまたま山脇の文化祭に出向いたそうです。
そこで見たのが、中学生が作ったというロボット。山脇の目標のひとつに「優秀なサイエンティストを育てたい」というのがありますが、その中のひとつとして、中1から自分で選んだテーマに沿って実験や観察をしていくプログラムがあります。
また、中3からは「科学研究チャレンジプログラム」というものもあり、その子はロボットチームの活動を目にしたのだと思われます。
その子のお母さんが教えてくれましたが「正直、女の子がロボットなんて……という気持ちがあって、動画視聴を手放しで褒めるどころか、どこか呆れた目で見ていたんです。偏差値も40ちょっとしかなかったので、そんなことよりも漢字のひとつでも覚えて勉強してほしいって思っていましたね。でも、文化祭で生徒さんが作ったというロボットを見せてもらってから、私も意識が変わりました。純粋に娘の“好き”を応援したいなって気持ちになったんです。それからは受験勉強の合間を縫うかのように足繁く娘を科学館に連れて行ったりもしました」
その子は、それまでは全く受験に対して身が入らない様子だったそうですが、自ら「この学校に入りたい!」と言って勉強を頑張り出し、見事に合格を勝ち取ったという報告を受けたことがあります。
親の仕事は、子どもの“やりたい”の応援団長
受験はどの受験であっても過酷なものです。それを乗り越えるためには自分の意志はもちろんですが、親の応援というものも欠かせません。
応援にも様々なものがありますが、そのひとつに「子どもの“やりたい”を応援する」というのがあります。
誰でもそうですが、ネガティブな言葉よりもポジティブな言葉をかけられたほうが、やる気が出るというものです。
親の応援は意外と絶大で、その言葉や態度次第でやる気度も変わってくるものです。
受験勉強中には親もなかなか肯定的な言葉かけをするのは難しいものですが、逆にそういう時こそ考えるチャンスです。
「この子は何に興味があって、何が得意なのかな?」と。
その好きだという才能のかけらを育んでくれる学校はどこかという視点で志望校選びをしていくと、先ほどのお母さんのように、子どもを見る視点が変わることがあります。
これまで多くのご家庭に接してきましたが、家庭の中に、親が自分のことを認めて応援してくれているという雰囲気が出てくれば、子どもは安心して興味があることを深堀りできますし、自分で立てた目標に向かって自分なりに努力していく子になるんだなという印象を持っています。
子どもの偏差値だけでは測れない才能を伸ばすには、たとえ親の趣味や価値観とは異なることであっても、子どもの興味関心に対しては、その気持ちを認めサポートすることが、結果、子どもの人生が輝いていくことにつながるように感じています。
親の仕事は「応援団長」。この言葉を頭の片隅に置いていただけると幸いです。
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