
医学部入試問題分析

東京医科大学 【2025年度 数学】
基本情報試験時間:60分/問題数:大問4題
分析担当国政 力
分析担当国政 力
出題内容・難易度
| 大問 | 出題内容 | 出題形式 | 難易度 |
| 1 | Ⅱ 三角関数 Ⅱ 図形と方程式(式の値・共有点を通る直線) Ⅱ 積分法 C 複素数平面(絶対値を含む積分・1のn乗根) |
マーク式 | 標準 |
| 2 | A 場合の数(部分集合の個数) | マーク式 | 標準 |
| 3 | Ⅱ 対数関数(桁数) | マーク式 | やや易 |
| 4 | Ⅲ 積分法(空間図形の回転体) | マーク式 | 標準 |
問題分析
- 4題からなる小問集合である。どの問題も有名問題で適切な解法を用いたい。(1)は和を積に直す公式で変形をする。(2)は直線群や円群と同じ考え方を用いて放物線の2つの共有点を通る直線を求めるとよい。(3)は完全平方式の平方根を絶対値に直し、その絶対値をはずして積分をする。(4)は1の虚数5乗根を解とする4次方程式から、恒等式を作り式の値を求める。(3)の積分は基本的なものであり、他の問題についても解法に習熟している受験生は多いと思われる。
- 条件を満たす部分集合の個数を求める。(1)は各要素が部分集合に含まれるか否かを考えるよく知られている解法があるが、(2)以降は経験がないと同様の考え方ができることに気がつかないかもしれない。集合の包含関係を図示し、それぞれの要素を配置することを考える。二項定理を使う解法を選んでしまうと計算に行き詰ってしまうかもしれない。
- 大きな数の桁数を、常用対数を用いて求める問題で基本的な問題である。(1)は 550の桁数、(2)は 12から 1002までの平方数の桁数の和、(3)は 2nが100桁となるnの個数を求める。(1)、(3)は教科書の例題レベルであり、(2)は平方数の桁数を丁寧に調べるだけで対数も不要である。確実に完答したい問題である。
- 空間中にある平面図形である平行四辺形をz軸のまわりに回転して得られた立体について断面積や体積を求める問題である。断面は平行四辺形を切った線分が回転した図形であり、同心円になる。導入に沿って典型的な処理を行うだけで解くことができる。また、最後の設問も空間中の平行四辺形を図示すれば予想することはできるので完答することも十分に可能であろう。様々な立体について考える出題は医学部では多いので他大学の過去問にも触れて十分な対策をしてほしいところである。
総評
昨年度易化した難易度が本年度もあまり変わらず取り組みやすい問題であったといえる。4で空間中の立体の体積を扱っているものの、断面積の計算やその積分は多項式に関する計算で、数学Ⅲの微積分に相当するような問題がない。よく知られた解法がある問題ばかりであり、問題演習を重ねた受験生にとっては実力が発揮しやすい問題であったと思われる。一方で捨てられるような難問がないのですべての問題に取り組む必要があり、60分という短時間での試験では考え込むことはできない。時間管理が重要な鍵となったであろう。
今後もこの難易度で定着するか分からないので、時間配分を常に意識した対策をして問題の難易度に合わせた問題の取捨選択ができるようにしておくことと、標準問題ばかりならば全問題を解き切れる計算力とスピードを養っておきたい。
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