医学部入試問題分析

東京医科大学 【2025年度 英語】

東京医科大学 【2025年度 英語】

基本情報試験時間:60分/問題数:大問4題
分析担当堀口 浩司
出題内容・難易度
大問 出題内容 出題形式 難易度
1 【4択問題】空所適語選択 選択 標準
2 【整序問題】空所適語選択 選択 標準
3 【長文読解】内容一致選択・空所補充 選択 標準
4 【長文読解】内容一致文選択・同義語選択・英文和訳 選択・記述
問題分析
  1. 〔四択問題〕空所に適する語を選ぶ問題
    昨年同様に適語を選択する6題であった。昨年は語彙力によって正解を導くものであったが、今年は文法力が試されるものが多く、標準レベルの問題で6問中4問は正解したい。問aは比較級worseから判断、問bはoweの出題パターンに関して<owe A to B>だけでなく4文型の使い方も確認しておく必要がある。問cは「お金・料金」に関する単語としてfee, fare, cost, price, charge, wage, spending, fine, toll, budgetなどまとめて覚えよう。問dは<on the ground that SV>を知っていれば選べたのでは。<前置詞+疑問詞>に馴染みがないかもしれないがこれを機会に確認したい。よく見るwonder ifでは後ろが成立しないのでケアレスミスは避けよう。問eは命令文から判断する。問fは「思いつく」という意味で使うには ①②④は人を主語として使う。全体として文法の標準問題やイディオムをしっかり学んでいれば十分対応できるレベル。
  2. 〔整序問題〕6つの語を並び替え、空所に適する語を選ぶ問題
    昨年同様6題の整序問題であった。問aは関係代名詞の目的格thatの省略と知覚動詞seeの使い方、問bのmost,almostは4択文法問題にもよく出題されるので確認が必要。問cは<so~that>構文の倒置と<so 形容詞 a 名詞>の語順に注意。<so~that>の他に<as~as>、<too~to>、<how>も形容詞を直後に置いて修飾するので覚えたい。なお昨年も否定語句文頭における倒置問題が出題されている。問dは<of+抽象名詞=形容詞>に修飾語が入るパターン。問eは<the way SV>と<help (to) V原形>の使い方。問eは関係代名詞の目的格whichの省略と<have~to do with>の関係性を表すイディオム。並べ替えを苦手とする人も多いと思うがイディオム、構文の暗記そしてたくさん演習することで得点源にしたい。
  3. 〔文章題材〕脳損傷患者における「認知と運動の解離(潜在認知)」:誤診そして今後の治療の可能性 846words
    脳損傷患者が身体的反応を示さず意識不明状態に見えても脳の中では受容、処理されている潜在認知があることが新しい研究でわかった。その発見によりfMRIなどの設備をもたない病院での誤診の可能性が生じる負の面もあるが、新たな治療法への希望もあり得るという話。長文の内容はそれほど分かりにくいものではなく、設問も難問レベルはなかった。長文問題を解くためには本文の根拠となる箇所を確実に特定する必要がある。私立入試問題はある段落の1・2文で設問1題が解けるので普段から意識した訓練をすることが大切である。語句挿入問題も選択肢の単語が標準レベルであった。挿入問題を苦手とする受験生は多いが、文の流れから肯定的な語句なのか否定的な語句なのかを判断基準に入れると良い。
  4. 〔文章題材〕様々な自治体における職場に子どもを連れて来ることができる支援システム 847words
    いくつかの自治体で従業員の育児と仕事のバランスを上手く保てるように職場に子どもを連れて来ることを許可する試みが行われている。労働力人口が減少する中でいかに優秀な人材を確保するかの狙いもある。各自治体の取り組みを紹介している読み易い文章であった。内容一致問題も迷うものが少なく全問正解したい。意味の近い単語を選ぶ問題は少し選びにくいものがあったかもしれないが、知っている単語から考えて消去法を使うと良い。和訳は無生物主語構文を意識して訳せれば問題ないレベルである。内容、設問ともに大問4は易しめであった。このレベルは確実に得点できるように長文の練習を積み重ねることが大切である。消去法を意識した解き方もぜひ実践して内容に関わらず解く力を身につけたい。
総評
昨年度と同様の出題形式であった。ここ3年連続して易化した入試問題になった。文法も並べ替えも標準レベルで普段から問題をしっかり解く練習をしていれば対応できるレベルであった。違いを挙げれば大問3と大問4の長文が昨年に比べて合わせて500語ほど語数が増えたことである。しかし、内容が理解し易いもので語数の多さを感じることなく読めたであろう。正解率は75%以上確保したいところである。入試問題は数年で改訂されることがよくあるが、一旦易化したものをいきなり難しくすることは考えにくいものである。このレベルの問題が続くとなると高い合格点の争いになる可能性も出てくるので8割を目指して力をつけよう。
文法、長文ともに特別な対策を必要とする問題ではないが、取りこぼしなく確実に本番で得点するには日頃の演習、そして復習が大切になる。英語を苦手とする受験生はまず<知識=自信>となるよう単語やイディオムを覚えることから始めよう。長文は必ず時間を意識しながらも落ち着いて選択肢を確認することが大切である。また、消去法を使うことで主観を入れずに選べるようになるだろう。常に問題を解く時は本番を想定して時間的な負荷をかけながら訓練すると良い。英語は最も安定して得点できる科目であり、そうする必要もある。合格の鍵を握る科目として日々努力しよう。

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