横浜市立大学
基本情報
試験時間:2科目180分/問題数:大問3題
分析担当
川口 奈奈子

出題内容・難易度

大問 出題内容 出題形式 難易度
1 植物の配偶子形成と受精 記述式全6問。
基本用語を答える問題を含み、論述は20字、70字、100字以内の3問。
やや易
2 1遺伝子1酵素説とスプライシング 記述式全6問。
基本用語を答える問題を含み、論述は100字、200字以内の2問と簡潔に説明するもの1問。
標準~
やや難
3 免疫 記述式全7問。
問題文1は基本用語を答える問題を含み、論述は100字、40字、50字以内の3問。問題文2は実験考察問題。論述は60字以内1問。
やや易

問題分析

  1. 被子植物の配偶子形成と受精についての問題は、基本問題である、配偶子が形成されるまでに生じる細胞の名前を知っていないとできないが、多くの受験生が正解できたのではないかと思う。重複受精について説明する問題も同様に、多くの受験生が正解できたと思う。シダ植物の受精について、100字以内で説明する問題は、100字以内と若干多いので、生活環を含めて解答することが良いのではないかと思う。
  2. 1遺伝子1酵素説で説明できる代謝異常は、フェニルケトン尿症とアルカプトン尿症である。テータムとビードルが、アカパンカビを用いたのは、単相体で使用することが可能で、表現型が表れやすいからと考えられる。6の、イントロンとエキソンの問題は、問題文からエキソン2からエキソン3の範囲を考えればよい。
  3. 問題文1について、基本用語を答える問題は、多くの受験生が正解できたのではないかと思う。免疫に関して、比較的基本的な問題である。問題文2についても、比較的基本的な問題である。

総評

 例年と変わらず、理科2科目で180分、大問3題であった。問題の難易度も、例年の通りで、基本から標準レベルと言ってよいだろう。基本用語を答える問題は、基本的に教科書レベルであるが、中にはより踏み込んだ内容のものもあるので、標準的な問題集1冊を丁寧に一通りやっておく必要がある。参考書なども駆使して、より深い理解をするように心がけてほしい。
 論述問題については、例年通りと言ってよいであろう。説明力、表現力が重視されている。対策としては、論述を含む問題集をやっておくことと、過去問を4~5年間分くらい解いて、出題形式に慣れることが必要である。その際、解答例を参考にして、字数と内容もチェックしておくとよい。すなわち、例えば、50字、100字がどれくらいの分量でどのような説明になるかといった感覚をつかんでおくことも時間内に記入するためには有効ではないかと思う。字数がわかる原稿用紙を利用するとよい。
 また、日頃から、生物に関する様々な事象や実験結果について説明(表現)することを心掛けることも有効かと思う。論述に関しては、教師や講師に添削してもらうようにすることが、科学分野に求められる明快な記述文を書くためには望ましいと思う。