順天堂大学
基本情報
試験時間:80分/問題数:大問5題
試験時間:80分/問題数:大問5題
分析担当
渡邉 哲史
渡邉 哲史
出題内容・難易度
大問 | 出題内容 | 出題形式 | 難易度 |
---|---|---|---|
Ⅰ | 【長文読解】 下線部同義語選択、空所適語選択、内容一致文選択 |
選択 | 易 |
Ⅱ | 【長文読解】 下線部同義語選択、内容一致文選択 |
選択 | 標準 |
Ⅲ | 【長文読解】 下線部同義語選択、内容一致文選択、表題選択 |
選択 | 易 |
Ⅳ | 【長文読解】 下線部同義語選択、段落主旨選択、表題選択 |
選択 | 易 |
Ⅴ | 【英作文】エッセイ文作成 200語レベル |
記述 | 標準 |
問題分析
-
【文章題材】 コロナウイルスワクチン開発に貢献した化学エンジニアのロバート氏へのインタビュー記事
約900words
例年通りインタビュー記事からの出題。2022年3月の記事であり、時事ネタという選択もいつも通り。インタビュアーが尋ねたことに対する返答がパラグラフの主旨であり、基本的な、譲歩+But+主張のスタイルが多く、非常に理解しやすい文章であった。同義語選択問題は本文を読まずとも判断できるものがあり、内容一致文選択も主張が把握しやすい分、取り組みやすかった。 -
【文章題材】 フィンチの托卵性とその遺伝について 約875words
卵を他の鳥の卵に似せて育てさせる托卵性に関して、その遺伝的メカニズムの研究を紹介した文章。2011年の千葉大入試の出題にもあった題材である。昨年度あった文補充問題が無くなり、同義語選択と内容一致文選択の2種類の設問構成。やや専門性の高い内容であるため難しい印象をもつかもしれないが、各段落の主旨を把握するという目的で言えば、把握しやすい文章であった。 -
【文章題材】 笑いがもたらす健康促進効果 約780words
Ⅱと同様に、昨年度あった文補充問題が無くなり、同義語選択4問と内容一致文選択6問の2種類の設問構成。笑うことがもたらす健康効果について専門家のコメントによる論証を中心に終始同じ話を展開しており、非常に読みやすい文章であった。設問も内容一致文の選択が中心であり高得点必須。 -
【文章題材】 何を食べるかを重視することが体重を減らす良い方法 約870words
Ⅱ、Ⅲと同様に、同義語選択と内容一致文選択の2種類の設問構成。食べる時刻に気をつけるよりも食べるものに気をつけることが大切であるという主旨の、専門性の高くない読みやすい文章であった。内容一致文選択では、対応する段落が指定されており、答えを探しやすいという点でも取り組みやすい問題。 - 今年度のトピックは「医学部への進学を選ばないとすれば、医療系以外でどの分野に進みたいか」である。話題・譲歩などの導入、主張、そして説明・理由などのサポート文をその役割が明確に伝わるように、英語的に自然な論理展開を構築して書くようにとの条件設定は例年通りである。近年では2020年度の福井大学の入試で同様の英作文の出題があったように頻出テーマである。英作文練習において書いたことがある受験生が多かったと思われる。
総評
例年通りの構成ではあるが、文を補充する箇所を選択する問題が無くなり、下線部同義語選択、および段落主旨把握と全体要約としての表題選択という限られた設問の種類での出題となった。昨年度は例年に比べて文章が読みやすかったが、今年度も同様で、大問Ⅴの英作文に時間をかけることが出来たと思われる。この傾向が近年続いており、英作文の得点が合否を左右するポイントとなる。長い文章を短時間で読み、段落の主旨、全体の主題を把握できる力が必須。文章の読み方、論旨の把握の仕方を技術的に習得する練習を重ねるべきである。英作文ではエッセイ文の書き方を把握するところから始め、日本語とは異なる英語の文章展開を作ることが出来るようにすること。