千葉大学
基本情報
試験時間:80分/問題数:大問3題
分析担当
波多野 瑞

出題内容・難易度

大問 出題内容 出題形式 難易度
1 長文読解問題:「数学と知的能力」(968語) 記述式 やや難
2 長文読解問題:「生物学史的視点から見た人類」(792語) 記述式 標準
3 自由英作文:「欲張りな男の寓話」(498語)、自由英作文(空所完成) 記述式 標準

問題分析

  1. 内容説明が3問、下線部訳が1問、選択式の空所補充による要約完成が1問という構成。
    問1:第一段落の内容と直後の認知心理学者の見解をまとめる問題で、やや難しい。
    問2:代名詞特定和訳 it=the rule=“if there is~must be a
    5”の初出までを確認して過不足なくまとめる。
    問3:those=university students
    問4:理由説明についてはまとめ方が難しいので、問5の要約完成を先に一読して全体の論理展開を把握するのが実戦的攻略法。
  2. 内容説明が4問、先行詞指摘が1問、書き換えが1問、省略語句が1問という構成。
    問1:下線部の後の内容をまとめればよい。(標準)
    問2:関係代名詞whichの非制限用法なので、先行詞の範囲を特定する。
    問3:理由説明は後の文の内容をまとめる。
    問4:“K species”の内容説明は前出の――(ダッシュ)に注目してその部分をまとめる。
    問5:if以外の句を用いる仮定を節に書き換えるもので、従来の択一式の文法書ではなく記述対応のグレードの学習が効果的である。
    問6:省略補足についても同様に、日頃から「対比」「言い換え」を意識した読解力を身につけることで容易に解ける。
    問7:理由説明は;(セミコロン)以下の該当部分をまとめる。
  3. 「貪欲な男の寓話」の話の進行に沿った「自然な発想」を求める自由英作文である。まずは前後の表現、代名詞・時制・ディスコースマーカー等に注目して表現を考えよう。満点を狙えるので、早い時期からの英作文学習が必須である。

総評

2019年度は試験時間が80分と短くなり、分量もやや多くなったため、全体的にはやや難化した。千葉大学医学部合格のためには、まずは長文速読力養成のためのセンスグループ・リーディング、パラグラフリーディングを体系立てて学習するとともに、正確な構文力の強化と記述の練習を心がけたい。単なる「全訳」と「解釈」の違いを意識した学習が必要である。記述説明問題の該当部分が離れている、あるいは複数箇所に分かれていることも多いので、論理展開を押さえた精確な読解を目指したい。また、英作文対策としては、一定数の基本例文を身につけておくことが必要である。