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オンライン教育の可能性が広がる1年に

オンライン教育の可能性が広がる1年に

2021年度は、インターネットを活用して学ぶ「オンライン教育」の可能性が広がる年になるかもしれません。
先ごろ政府は、オンライン教育のあり方についての取りまとめを発表しました。
取りまとめでは、子どもと先生との対面授業を基本としながらも、さらなるICTツールの普及促進や、非常時の在宅オンライン学習を学校での学習と同じ扱いにできるよう、取り組みを進めると公表しています。
具体的にはどのような教育が始まるのでしょうか。

オンライン教育の有効活用に向けた第一歩

新年度が始まるのを前に、萩生田光一文部科学大臣と河野太郎規制改革担当大臣は、3月29日に共同で記者会見を行い、教育現場で今後、オンライン教育を推進することを表明しました。
オンライン教育は、新型コロナウイルス感染症の拡大による学校の一斉休校措置で、その必要が高まっていました。また、社会のデジタル化を推進する中で、学校のオンライン教育への対応を加速するよう国が文部科学省に求めてきた背景もあります。これらが合致して方向が定まったのです。

オンライン活用でどんな教育ができる?

オンライン教育というと、インターネットを使って、生徒が自宅にいながら学校の授業を受けられる方法、というイメージを持つ方も多いと思いますが、それだけではありません。
荻生田・河野両大臣の発表では、次のような教育が可能になると示されています。

  • 同時双方向型の授業のほか、動画などのデジタル教材を活用して、より質の高い授業ができる
  • 授業でデジタル教科書を使用する時間の制限が撤廃され、活用の幅が広がる
  • 高校や大学では、オンライン授業で取得できる単位の算定方法が弾力化される
  • 不登校や病気の子どもが、自宅や病室からオンライン授業を受けられ、出席扱いになる
  • 新型コロナウイルスなどの感染症にかかったときや、災害時など、登校できない場合でも、オンライン授業を正式の授業として受けられる

勉強だけではない学校の役割

世界がAI(人工知能)など高度なデジタル技術を駆使した社会へと転換する中、デジタル技術を活用できる人材を育てる必要があります。そのためにも、学校の授業のオンライン化は待ったなしの状態でした。
それが今回のコロナ禍で導入への道が一気に開けた形です。

しかし、授業や子どもの学びのすべてがオンラインで完結するわけではありません。
知的な能力だけでなく、情緒面の成長が著しい小中学校時代には、人と人とのリアルなコミュニケーションが不可欠です。
また、健康診断や給食など、子どもの心身の健康を保つ「ケア」の側面も、一斉休校で再認識されました。
人と人とがつながることで成り立つ部活動や行事などの体験の場も、学校が多くを担ってきたのです。

先を行く私立中高一貫校は何を考えているか

先の会見の中で、萩生田文部科学大臣は「オンライン教育を進めるにあたって、押さえるべきポイント」として、次の4点を挙げました。

1) 学校は、児童生徒と先生、そして児童生徒同士が直接触れ合うことが基本
2) デジタル技術は先生を助けるものであり、教育現場のICT化によって、先生が不要になるということではない
3) 児童生徒は、学校においてオンラインを活用した授業を受けるために、当該授業は、教師と児童生徒がいる場で行われる
4) その上で、個々の授業の具体的なやり方については、なるべく学校現場の創意工夫のもと、オンライン教育を有効に活用する

公立小中学校では、2020年度に1人1台のコンピュータ端末が整備され、21年度から本格的な活用が始まります。

一方、コロナ禍以前からコンピュータの整備を進めてきた私立中高一貫校では、コロナの休校中にオンライン授業をスタートさせ、授業の創意工夫を重ねてきました。
そして、学校再開後は、学校に生徒が集まるからこそできることは何か、リアルの場では何が大切かを問い直してきました。それは萩生田大臣が挙げた4つのポイントにも重なります。

中学受験を考えるご家庭では、一歩先を行く私学のオンライン授業のあり方やデジタル活用に注目し、学校選びのヒントにしてみてはいかがでしょうか。


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