日本医科大学　【2025年度　数学】

基本情報試験時間：90分／問題数：大問4題
分析担当小俣和也

出題内容・難易度

大問	出題内容	出題形式	難易度
Ⅰ	確率・複素数平面	空欄補充＋答えのみ	やや易
Ⅱ	空間ベクトル	答えのみ＋記述	標準〜やや難
Ⅲ	ベクトル・空間座標	答えのみ＋記述	標準〜やや難
Ⅳ	数Ⅲ積分法	答えのみ＋記述	やや難

問題分析

Ⅰ. 確率と複素数平面のからの出題であり、全体を通して、方針の立てやすい問題であった。(1)は反復試行の確率の基本問題と、極形式に直して計算する問題でミスなく確実に得点したい。また、(2)は確率の最大値を求める問題で定石通り解ける問題であった。
(3)は複素数が純虚数となる条件を考える問題であり、方針は立てやすかった。計算ミスに気をつけ完答を狙いたい大問であったといえる。

Ⅱ. 空間ベクトルからの出題であった。問1問2は基本レベルで、取りこぼしのないように心がける。
問3の内心ベクトルも方針を立てやすく得点したい問いである。問4については、三角形の面積に関する問題で、一見取り組みやすそうにみえるが、図形的な特徴に気づかなければ計算が大変であった為、差がつく問題であったと予想される。

Ⅲ. 空間内の曲面に関する問題であった。問1〜問3までは基本問題や誘導に乗りやすい問題であったので、取りこぼしのないようにしたい。問4に関しては、線分の最小値を求める問題であったが、図形的な解釈ができれば解答できる問題であったので、実力差の出やすい問いであった。満点を取りにいきたい大問であったと言える。

Ⅳ. 関数方程式からの出題であった。問1の偶関数、奇関数の証明は問題ないだろう。問2(1)は定義から解く問題であり、(2)(3)も方針が立てやすく得点したい問いであった。問3は有名な積分がテーマの問題であり、慣れている人には取り組みやすい題材であった為、全体を通して差がつきやすい大問であったと言える。

総評

大問は例年通り4題構成であった。昨年と比べると数Ⅲからの出題が減り、全体的に易化した印象を受ける。合格にはⅠの完答、Ⅱ、Ⅲで少しの減点、Ⅳの部分点を確保し65％以上を目指したい。

日本医科大学の数学は、正確かつスピーディーな計算力と、全分野に渡って高い学力が必要とされる。今年のように空間図形・空間座標がテーマの出題も多くあるので、しっかり演習を積んでおきたい。複雑な設定になっている問題が多いので、図を描き正しく状況把握する力が要求される。過去問研究に加え、計算力向上のためのアウトプット演習も必要である。また、記述答案の作成力も必要になる為、答案添削の授業などを活用し来年度の受験を迎えてほしい。