

中学受験で低学年からしておくべき準備とは? 国語と算数の勉強法も解説!
小学校低学年からできる中学受験対策は、学習習慣を身につけることが大きな目標になります。多くの小学生は3年生から中学受験対応の塾に通い始めますが、それまでに机に向かう習慣や、本を好きになること、自然や身の周りのことに興味を持つなど、広い意味での家庭学習が、国語や算数といった中学受験科目の土台になります。夏休みから楽しくできる中学受験対策を考えてみます。
中学受験対策を低学年からするべき理由は?
中学受験は高校受験と違い、難易度の高い受験です。そのために低学年から学習習慣を身につけ、勉強に対するポジティブなイメージを持てることが学力の土台になります。
●中学受験はほかの受験より難しい
中学受験は、高校受験や大学受験よりも難易度が高いのが特徴です。なぜなら中学受験に向けて勉強している小学6年生だけが学力で挑む入試だからです。高校受験のように、ほとんどの中学生が受験するのとは母集団が違うのです。
また、中学受験で試される学力は小学校で学んだ範囲以上の発展的な内容で、進学塾での準備が必要です。さらには本人の努力だけでなく保護者をはじめ周囲の協力が欠かせません。その意味で、ほかの受験よりも難易度が高いといわれるのです。
●いつから中学受験の対策を始めるのが一般的?
小学3年生の2月から「新4年生」として通塾を始めるのが一般的です。しかし、それまでに何もしなくていい、というわけではありません。比較的時間にゆとりのある低学年のうちから保護者が勉強を見たり、一緒に本を読んだりと、早めの準備をすることが大切です。子どもが勉強に対してポジティブなイメージを持てると、積極的に塾に通うことができます。
●低学年からの中学受験対策で、勉強に自信が持てる
低学年の中学受験対策とは、ひと言でいえば「家庭で子どもの勉強や生活をしっかり見てあげて、できたらほめて自信を持たせること」です。すると学校でも毎日の勉強が楽しくなり、成績も伸び、知らないことへの興味がわいてきます。学習内容がまだ高度ではなく、教科の好き嫌いも少ない低学年のうちから、勉強の楽しさや達成感や自信を持たせてあげましょう。それが後に、中学受験の勉強が忙しくなったときに「乗り越える力」になります。
●椅子に座って勉強する習慣がつく
中学受験を控えた6年生になると、長時間、机に向かって集中して問題を解くことが求められます。こうした態度は一朝一夕に身につくものではありません。低学年のうちから椅子に座り、良い姿勢で机に向かう習慣を積み上げていくしかないのです。
近年は、幼児期からスマートフォンやタブレットに親しんでいる子どもも多く、姿勢の悪さや近視の低年齢化が進むのではと危惧する声もあります。お子さんの体に合った机やいすを整え、正しい姿勢を保つ環境を整えることは中学受験にも役立ちます。
●きれいな字が書けるようになる
中学入試の答案はほとんどが手書きです。また、記述式で回答する問題もあるので、読み誤られることのない、きれいな字で高得点をマークしたいものです。そのためには低学年のうちから、保護者がノートの書き方などをていねいに見ていく必要があります。
鉛筆の持ち方や書き順なども子ども任せにしておくと、間違えたまま定着してしまうおそれもあります。スマホやパソコンがいくら普及しても、手書きで文字を書く場面は社会人になってもたくさんありますから、きれいな字が書けることは一生の財産になります。
中学受験に理想的な勉強のサイクルとは?
中学受験の勉強では、予習をして塾で理解し、復習や宿題で学力を定着させるのが王道のサイクルです。低学年から早めのスタートを切ることで、理想的な勉強法を身につけることができます。
●不得意科目を作ってしまう勉強の負のスパイラル
中学受験の塾に通い始めると、学校の勉強とは別に、予習や復習、宿題を解く時間が必要になります。学校とは違い、自分で進んで勉強することがレベルアップにつながります。
その時に避けたいのは、勉強法の悪循環にはまってしまうこと。▽予習をせずに塾に行く。▽授業で先生の話が理解しづらくなる。▽問題がなかなか解けなくなり「つまずき」が生まれる。▽復習や宿題も滞り、次の授業についていけなくなる。▽やる気を失い、その教科が不得意になる――。高学年になってから苦手教科を克服するのは大きなエネルギーが必要ですから、負のスパイラルに陥らない学習習慣を早くから獲得することが大事です。
●レベルアップを図れる理想の学習サイクル
理想的な中学受験の勉強のサイクルは、予習を起点にした自学自習のサイクルを作ることです。▽予習をしていき「わからないところ」をマークしておく。▽塾で先生の説明を聞き、疑問点は質問して解決する。▽問題が解きやすくなり、習ったことが確実にわかる。▽復習や宿題もはかどり、次の授業のための予習ができる。▽やる気がアップし、その教科が得意になる――。予習を起点とした学び方は、小学校では教えてくれません。低学年のうちに準備することで、塾に通うようになっても慌てずに済みます。
低学年のうちに身につけておきたい力
中学受験の塾に通う前に、読み・書き・計算の基礎力をしっかり身につけておくことが、後に大きな学力の差になってあらわれます。
●計算力
算数の土台となる計算力は、学力の基礎・基本として小学校でも力を入れています。低学年では足し算と引き算や、その筆算、3年生になると掛け算、割り算、4年生になると分数や小数の計算…と、積み上げ式で学んでいきます。
とくに3・4年生でのつまずきは、低学年で十分な計算力が身についていないことから起きることが多いので、しっかりと理解し習得する必要があります。中学受験の算数で知られる「つるかめ算」や「植木算」などの特殊算も、基礎の計算力が十分にあってこそ理解できるのです。
●読む力・書く力
「読み・書き」というと、国語の勉強の印象が強いかもしれません。しかし、すべての教科において問題を理解し、解答を書き、自分の考えを書くうえで「読み・書き」の力は必要な能力です。
とくに中学受験では長文読解や、文字数を指定した記述式の回答、文章題やデータや資料を読み解く問題に対応するため、読み書きの一定のスピードも必要です。低学年のうちから読むことや書くことに親しむ環境を作ることが中学受験にプラスに働きます。
低学年の中学受験対策、おすすめ勉強法
計算力と読む力・書く力を高めるには、小学校の学習にプラスアルファの家庭学習をおすすめします。無理やり先取りをする必要はありません。机に向かって新しいことを学ぶのが「楽しい」と思える工夫が大切です。
●算数の勉強法
小学校低学年の基礎的な計算力は、多くの問題を解くことで正確にできるようになりますし、解くスピードも上がってきます。計算問題だけでなく、文章題にもチャレンジするのがおすすめです。問題文をていねいに読み、式を書いて答えを出すなど、解き方も合わせて覚えたいものです。
ただし、間違えても「叱る」のは逆効果。保護者にとっては簡単な計算でも、お子さんは一生懸命考えています。どこで間違ったのかを一緒に考え、答えを導き出す楽しさや、頑張りを認めることを重視しましょう。
●国語の勉強法
コツコツ続けたいのは漢字学習です。読める・書ける漢字が増えれば語彙が増え、国語力も伸びていきます。漢字ドリルに取り組む以外にも、漢字や言葉を覚える「楽しさ」をプラスしたいものです。
そこで活用したいのが読書です。幼稚園や保育園時代の「絵本の読み聞かせ」から「自分で読む読書」にステップアップするためにも、低学年向けの児童書を選んですすめてみてはどうでしょうか。
日常生活や遊びから伸びる「非認知能力」とは
近年、学力テストでははかれない「非認知能力」が教育界で注目を集めています。やる気や集中力、ねばり強く頑張る力、創造力や工夫する力などを指し、これらが学力や進学率にも影響するとされています。
非認知能力は日常生活での他者とのかかわり、遊びやさまざまなアクティビティの中で育つといわれます。中学受験に向けた勉強は、どうしても書かれた文字やデジタル情報を中心としたものになりがちです。低学年のうちはアウトドアや旅行などの五感を通した体験、家族や友達とのコミュニケーションも、中学受験につながる「学び」になると保護者が意識し、お子さんの興味や関心を広げていくことが大切です。
低学年から塾に通うなら確認したいこと
低学年向けの塾は、中学受験に対応したものから、小学校の勉強をサポートするものまでさまざまあります。本人の特性や個性に合わせた選択、家族のフォローが欠かせません。
●一定時間、座って授業を受けられるか
中学受験を目指して低学年向けの塾に通うなら、お子さんには一定時間、塾の教室できちんと座って勉強ができること、そして保護者には塾での勉強や生活リズムをフォローできるか、がポイントになります。
中学受験を目指す進学塾では先取り学習があります。先ほどの「勉強の負の悪循環」を低学年のうちに味わってしまうと、その先の受験勉強は本人の負担にしかなりません。本人の希望のもと、しっかり保護者がフォローすることを前提に、低学年の通塾を検討しましょう。
●規則正しい生活習慣が身についているか
難関校に合格しているお子さんは「時間の使い方がうまい」のが特徴です。学習塾だけでなく、スポーツや芸術の習い事と両立させたり、学校や地域の行事に参加してきたお子さんも少なくありません。それができるのは、食事や睡眠、運動などの基本的な生活習慣が整っているからです。
自分で料理を作ったり、住まいを選べない子どもの場合、生活習慣を形作るのは保護者の意識にかかっています。とくに心身がまだ未熟で、日々成長途上の低学年の場合は過度なスケジュールは禁物。そのお子さんのペースに合った健康的な生活リズムを整えていきたいものです。
まとめ
低学年の中学受験対策は、具体的な教科の勉強法というよりも、机に向かう習慣や生活リズム、「読み・書き・計算」の基礎的な力をつけながら、勉強する「楽しさ」を経験することにあります。
TOMASでは、お子さん一人ひとりの個性や習い事などのスケジュールに応じて、完全オーダーメイドのオリジナルカリキュラムを作成します。将来の難関校合格を見すえながら、低学年のうちから「読み・書き・計算」の基本的な力と学習習慣づくりを行います。
オススメ記事
記事一覧
お近くのTOMASを見学してみませんか?
マンツーマン授業のようすや教室の雰囲気を見学してみませんか?
校舎見学はいつでも大歓迎。お近くの校舎をお気軽にのぞいてみてくださいね。