2017.11.19

T.A.が語る
受験直前期の勉強法

2017.11.19開催 医学部入試ガイダンス

11月19日(日)に開催された医学部入試ガイダンスより、メディックTOMAS T.A.(ティーチングアシスタント)のKさんとNさんの合格体験談をQ&A形式でお届けします。
受験直前期の勉強法、T.A.の時間の有効活用法、受験日当日の振り返りなど参考になる話がたくさん飛び出しました。

プログラム...

受験直前期のセンター試験対策

【登壇者】
Kさん
千葉大(医)、順天堂大(医)、日本医科大(医) 現役合格
Nさん
東京慈恵会医科大(医) 現役合格

この時期はセンター試験対策に力を入れ始める時期ですが、どのようなバランスで勉強していましたか?

Kさん: 1:1くらいでやっていました
Nさん: 僕も国立志望だったのですが、この時期はセンター対策の比重を多くして、7割くらいは時間を割いていました。数学の点数を最初からとれている人であればそんなにがっつりやらなくてもいいと思うのですが、知識に取りこぼしがある場合は多めにした方がいいと思います

おふたりはセンター試験で何点とったのでしょうか?

Kさん: 830点くらいでした
Nさん: 810点前後だったと思います

英語はどのくらいでしたか?

Kさん: 194です
Nさん: 1問間違いだったので、196か8でした

英語で180点を超えるのはひとつの壁だと思います。打破するポイントは?

Kさん: 自分は、序盤の語彙やアクセントといった、2点配点の問題をいかに取りこぼさないかを意識して重点的に対策しました。たかが2点、されど2点という意識は重要だと思います
Nさん: 180点を超えるには、長文の選択肢を誤ってはいけません。1問の配点が5~6点あるので、ここでミスすると命取りになってしまいます。180点取れるのであれば基本的な英語力には問題がないと思うので、何か落としているとしたらケアレスミスの可能性も。そういった1問・2問を大切に取りにいくことが大切です

センター英語対策として、どのような教材がお勧めですか?

Kさん: センター試験は形式が毎年似ているので、何より過去問が大切です。自分は過去問数年分の問題を解くなかで、たとえばアクセント問題だったら「アクセントの位置がカタカナ英語とは違うんだな、そういう問題を引っかけとして出すんだな」というふうに研究していました
Nさん: センター試験で点数を取れない人には2タイプいると思っていて、ひとつは「知識はあるけれど形式に慣れていなくてミスしてしまうタイプ」、もうひとつは「そもそも知識に穴があるタイプ」。前者であれば過去問や駿台の予想問題を解いていれば伸びますが、後者の場合はむしろ、基礎的な教材に戻って知識の確認をする方がかえって近道になると思います。その場合にお勧めなのは「ネクステージ」です。そこに出てくる文法を押さえておけば、センター試験で知らない問題が出てくることはありません

ネクステはみんな使っているけれど、Nさんは何周しましたか?

Nさん: 中学から使っていたので10~20周でしょうか。ぼろぼろになって、表紙がなくなるくらいやりこんでいました。左ページに問題があって、右ページには答えや関連知識が載っているのですが、その関連知識の部分までしっかり読み込んで全部覚えていました

Kさんは「これはやりこんだ!」という教材はありますか? 英語に限らず。

Kさん: 自分は生物が本当に好きだったので、標準問題精講をかなりやりました。「標準問題」というタイトルですが、中身は全然 “標準” ではなくて応用です。生物ほんとおもしろいな~なんて思いながら、記述式のものは一言一句を違わず覚えていました

限られた時間を有意義に使うために…

受験生にありがちな悩みとして「ケアレスミスが減らない」というものがありますが、本番でミスをなくすためには?

Nさん: ケアレスミスは僕も多くて苦労しましたが、なぜミスしたのかを分析することで潰していくことができました。具体的には、自分のしたケアレスミスをノートに書き並べて、ひとつひとつ対策とその結果を書き、効果が出ているかを確認していくという作業です。
ミスが減らない人の特徴として、ミスを見たときにさらっと流してしまうというのがあると思います。実際僕がメディックTOMASで指導しているときでも「計算ミスが多いんです〜」と言う生徒に「足し算・引き算が苦手なんですか? 掛け算・割り算が苦手なんですか?
どこで失点しているか把握していますか?」と聞くと答えられないケースが多い。ミスは気をつければ減りますが、ずっと意識を張り続けるというのは現実的ではありません。苦手な作業を把握して、「自分は掛け算でミスしがちだから、そのときは特に集中しよう」というふうに集中力の緩急をつけないといけません
Kさん: 僕の場合、ミスした模試答案を親に見せたらものすごく怒られて、怖くなって直りました! ミスしたらこんなに怒るんだ…って(笑)。そこまで深く刻み込まれればミスしなくなるので、この時期にポジティブ思考は大切ですが、ミスに対してはポジティブにならずに、しっかり問題意識を持つといいと思います

メディックTOMASの特徴であるT.A.の時間。うまく活かせるかどうかで合否を分けることもあると思うのですが、活用法についてアドバイスはありますか?

Nさん: 問題を解いてから解答を見ると、その解答が正しいことはわかるけれど、自分の着眼点がなぜだめだったのかということってなかなかわからないじゃないですか。僕が受験生だったときはT.A.の先生に「このやり方がよくて、このやり方がだめな理由はなんですか?」って質問していました。自習でわからない部分をクリアにできたので力をつけられました
Kさん: 僕も受験生だったとき、「前置詞がわからないんですよね」って何気なくT.A.の先生の前でポロっと言ったら、次の時間に前置詞の問題をズラっと持ってきてくれてすごく助かりました。ミスを発信する勇気も必要だと思います。自分がT.A.になってみて、生徒に「模試どうだった?」って聞いても「知識が多かった」「記述が多かった」という答えが返ってきて、できたかできなかったかというのはなかなか発信してこないんですよね。「この分野ができませんでした」とか発信してくれれば、T.A.もそれに対処していけるので、うまく使ってくれればと思います

医学部入試ガイダンス 申し込みはこちら

学校別 出題傾向の振り返り

ここからはお二人の合格校について、試験本番を振り返りながら、各科目の傾向などを分析してもらいます。

○ 東京慈恵会医科大 (Nさん)

● 英語

慈恵の英語は変わった部分があって、大問のうち3~4問が文法・語彙問題で、しかも非常にマニアックなんです。そのあとの2問くらいが長文問題で、こちらの難易度は“最難関”というほどではありません。文法・語彙問題では絶対に捨て問が出てきてしまうので、いっそ長文を完璧にした方がよいでしょう

● 化学

東大の問題を簡単にしたような感じです。東大は、設問に絶対に見たことのない物質を使ってくる上に、長くて何が要点なのかわからなくて、こちらの戦意を削いでくるような問題。慈恵の場合は、一見すると東大同様に非常に小難しいのですが、よくよく読むとただのニトロ化を小難しく書いているだけだなと気づけます。なので、知らない構造式が出てきても慌てずしっかり読み解きましょう

● 物理・数学

基礎力だけでなく思考力も必要とされる問題。「まじめに教科書や問題集の知識をコツコツ覚えました」だけでは足りません。与えられた問題を紐解いて、簡単な問題に落とし込む思考力が必要です。思考力を養うためには、過去問や塾の発展教材に取り組みながら、「目の前の問題からどう条件を引き出すか」「自己流の解き方でなくて、正攻法にきちんとたどり着けているか」「解答に書かれた第一式がどうやって出てきたのか理解しているか」といったことを意識しながら鍛えていくしかありません

○ 千葉大 (Kさん)

千葉大は総合大学なので、いろんな学部を志願している人が同じ問題を解きます。12~3題の大問があり、「医学部受験者は何番」と指定されたものは完答する必要があります。総論としては、千葉大はいかに標準的な問題をできるかが大事だと思います

● 英語

大問1の英文和訳はセオリー通りです。大問2の空欄補助は簡単なものが出たので、満点以外はありえないくらいの意識で狙っていきました

● 数学

苦手なベクトルが出てしまい焦りました。ベクトルこそ白紙になってしまいましたが、それ以外は完答を狙わなくてはということで、残り4問のうち3つは完答で提出しました

● 生物・化学

生物は記述問題です。字数指定があり、問いにより増減します。指定された字数に対応するには、まず「キーワードはこれとこれとこれ」とピックアップして、前後に使う動詞はこれにしよう、説明の流れはこうしよう、と決めてから書くことです。試験勉強の段階で、「この文字数ならこの要素を入れよう」「字数が増えたらこの要素も付け足そう」とシミュレーションしておくとよいです

○ 順天堂大 (Kさん)

● 英語

英作文が特徴的な順天堂大。僕は23行くらい書きました。マーク式の問いも160点のうち140点ほどは確保できました

● 数学

順天堂大の数学では、大問1~3のうち、2は完答必須というのが一般的なセオリーですが、僕はその大問2ができませんでした。仕方がないので、傾斜配点のついている英語でべらぼうな点数を叩き出して補完していこうという作戦でいくことに。ただ僕は極端な例なので、やはり大問2は落とせないと考えたほうがよいです。センター試験の1.3倍くらいの難しさを0.7倍の時間で解かないといけないので大変です

● 生物

生物は大問1で知識問題が出るのですが、ここで出た細胞骨格を全然やっていなかったので、顔面蒼白でした。順天堂大はかなり細かいところまで聞いてくるので、生物に関してはT.A.に「難しめの生物問題やっていいですか?」と聞いて、資料集レベルの問題までやってみることを薦めます

○ 日本医科大学 (Kさん)

● 英語

過去問演習の段階で、毎年傾向が変わるなという印象を受けたので、あまり過去問対策に力を入れませんでした。もう、びっくり箱みたいなものだと思っていたので

● 数学

日医の数学は難しいです。日医の証明は、いろんな面から知識を聞いてきます。国立の入試問題集などを解いて、難しいレベルの問題に慣れておきましょう

● 生物・化学

基本的な内容なので、満点を狙っていきました。化学では苦手な気体や浸透圧が出て「これはだめかも」と思ったのですが、結果的には生物のおかげでなんとかなったようです

来場者からのQ&A

質疑応答の時間も設けられ、来場者からも質問が飛び出しました。

いわゆる大手予備校ではなくて、メディックTOMASを選んでよかった点はなんでしょうか?

Nさん: 他の予備校ですと、みんな使える汎用的な教材を渡されますが、メディックでは「こういう問題の対策をしたい」と言えばそれを与えてもらえます。押せば出てくる自販機みたいなものなので(笑)、活用しない手はないです。「自分はこういうタイプの問題苦手だな」と思ったときにすぐにピンポイントで対策ができるのは大きな強みだと思います
Kさん: 僕はTOMASに小5から通っていました。なんといっても、ここ(目の前)に先生がいるというのは集団塾では考えられないことです。自分が問題を解いているのをリアルタイムに見ていて「Kくん、わかってないだろ」と言ってくれるので、つまずきをすぐに対策できます。大人数の授業では、後ろの方にいる人はわからないところをわからないまま授業を終えてしまうので自分には合わないなと

この時期、駿台などの全国模試は受けましたか? 判定はどうでしたか。

Nさん: 自分は、この時期は受けませんでした。というのも、成績を見てしまうと、よくても悪くてもなんらかの影響を精神面に与えてしまうと思ったからです。模試自体、判定にはほとんど意味がないと思っていて、勉強法が合っているかどうかを調べるために受けるものだと思っています。実際、僕はずっと数学が苦手だったのですが、受験の2週間前くらいに急に解けるようになってきたという実体験があるので、今の勉強がいつ花咲くかというのは本当にわからないものです。なので、あまり結果で一喜一憂するのはもったいないかなと
Kさん: 僕も受けませんでした。現役生は1月にぐっと伸びてくるので、12月の結果を1月に見てもあまり意味がないと思ったので

勉強が点数に結びつかず、つらいです。どうしたらいいか悩んでいます。

Nさん: つらいですよね。自分もかなり試行錯誤したタイプなのですが、とにかくいろんな人から話を聞いて、いろいろ試してみるといいと思います。合わなかったものや結果にならなかったものはやめていって、結局残ったものが自分にとっての正攻法になるので。あとは、「ギリギリになっても最後に勝つぞ」という心意気を持つことが大事。目の前の成績に成果が出ないというのはつらいけれど、それでもやっていくしかないので
Kさん: 僕も、模試の結果が伸びないときは、いろんな人に聞いて行くのが大事だと思います。自分の場合、T.A.に「〜〜が手につかないんですよね」と相談すると、「教材は何を使っているの?」「こういう時間は何に充てているの?」など引き出してくれて新しい視点を持てました。積極的に今の思いをT.A.や先生にぶつけて方法を試していって、だめなら別の方法試していく、とやっていくしかないと思います

T.A.から受験生へのメッセージ

最後にT.A.の2人から、今まさに追い込みシーズンである受験生に向けてエールを送ってもらいました。

○ Nさん

受験勉強は苦しいけれど、そこで学んだことは今後活かせることも多いので、ぜひ楽しみながら勉強してくれればいいかなと。そういう心の余裕を持てれば、「メンタル的に参ってしまって一週間勉強できない」ということもないかなと

○ Kさん

焦らないでスパートをかけてください。アクセルベタ踏みでいってオーバーヒートするよりは、毎日コツコツとやっていく方がいいですから、焦らない気持ちも大切です

メディックTOMASの医学部入試ガイダンスは、東京・市ヶ谷にて毎月開催されています(1月・8月を除く)。
次回は2017年12月17日(日)に開催されます。入場無料(要事前予約)。

メディックTOMASホームページ 医学部入試ガイダンス申し込みページ

医学部入試ガイダンス 申し込みはこちら