2017.11.19

2018年度医学部入試予想

2017.11.19開催 医学部入試ガイダンス

今回は、11月19日(日)に開催された医学部入試ガイダンスの内容より、2018年度入試予想情報と、保護者がご家庭でできるサポートについてお伝えします。

プログラム...

入試傾向について

医学部入試の特徴としてはまず、倍率の高さが挙げられます。全国の医学部医学科の定員は9,420名で、この枠を13万人弱の志願者で争います。単純計算で約12倍ですが、実際は重複して合格する人がいるため実質は7倍程度になります。学費を下げた日本医科大学は3割ほど志願者を増やしています。それも、駿台模試での偏差値66以上の志願者が集まる見込みなので非常に厳しい戦いになるでしょう。

医学部入試の難しさは、単に受験者数が多いからではありません。いかに全単元、全教科をきちんと仕上げていくかが勝負を分けます。全体的に7割できた、という完成度では勝てません。それよりむしろ1つか2つでいいから完成度を高めるべきです。苦手科目があったけれど合格したという生徒を見ると、別の得意科目の記述問題で9割5分とっています。重要なのは精度・精密さなのです。

出題傾向分析

過去問演習を通して、出題傾向を分析することは受験生にとって一番重要な作業になると思います。ただしこの分析は私立医学部には有効ですが、国立に関しては、東大や医科歯科大のように設問に特徴のある学校を除けば、重要ではありません。むしろ盤石な基礎力をつけるほうが先です。

主な学校の出題傾向を具体的に紹介します。

○ 順天堂大

● 数学

数学は大問3つで70分。しかも難易度も高い。大問1と2はマークシート式です。たまにマークシートなら記述より簡単と言う人がいますが、それは違います。マークシートは自分のやりやすい方法で問題を解いて答えを出せばよいのではなく、出題者の誘導に従って解答しないといけません。それがかえって難しいことも少なくないのです。

大問2は完答がマストです。仮に大問2に試験時間の半分以上を使ったとしても、大問2でがっちり点数を取らなければ、合格点に達することが難しくなります。そのように力点の置き方を学んでいかないとうまく点がとれない仕組みになっています。

● 英語

順天堂の英語は特徴的で、問5に20分かけ250〜300語の英作文を書きます。残りの60分は読解で、長文1題に15分しかかけられません。とにかく時間が厳しいので問題を解く順番や、絶対にとらなくてはいけない問題をしっかりと押さえることです。

○ 昭和大

過去問演習の効果が薄い大学といえばここです。英語数学あわせて140分で解くという特徴こそあれど、入試問題にこれといったキャラクターはありません。英語の問題はセンター試験に非常によく似ています。穴がないのが大事で、8割はとれるイメージを持たないと勝てないでしょう。

○ 日本医科大

日医の英語は非常に難しく、なかでも長文は他の医大と比べて一番難しいかもしれません。英文自体も難解ですし、さらに設問も難しいです。数学も、考えさせる問題です。答えを見て、解法を暗記して…という勉強法は日医に関しては無意味といえるでしょう。むしろどれだけ答えを見ないであがき続けたか、という経験が点数に結びついてくる形式です。

このように、それぞれの大学にケーススタディがあります。私立医大の受験シーズンまで残り2カ月、国立までは3カ月。時は命なので、勉強の仕方をしっかりと選択することが大事です。また、諦めないという気持ちを強く持つことが非常に重要です。中には、この時期に「無知の知」を認識して絶望してしまう生徒もいるのですが、この時期に全部100%仕上がっている人はいません。気を強く持って埋めていくしかないのです。

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この時期に保護者が受験生に対してできること

最後にT.A.この時期の頑張りは、直後に現れなくても受験期に必ず実を結んできます。ご家庭ではお子さんの頑張りを促し、ねぎらうことを意識してください。また、具体的にできることには次のようなことがあります。

  1. 1. 受験する大学はもちろん、受験するかもしれない大学案内・入試要項・願書の入手
  2. 2. 上記書類に隈なく目を通すこと ※入試要項を読んで初めてわかるようなこと・疑問点があるはず
  3. 3. 調査書の発行時期の確認(高校へ)
  4. 4. 今年または近年の医療話題(ノーベル生理学・医学賞、2025年問題など)について資料収集する→受験生本人に読ませるのではなく、簡易的に内容を伝えてあげる
  5. 5. 願書の原稿作成 特に必要文字数が多い国際医療福祉大は早めに作成する
  6. 6. 受験生本人に主体性を持たせるため、身の回りのことはなるべく自分でやらせる(朝自分で起きるなど)

【4】の資料収集には私自身苦労していますが、NHKクローズアップ現代の過去放送内容の記事や、日医大・昭和医大・浜松大・福岡大の過去問小論文のテーマをチェックするとだいたいのキーワードを拾えます。

メディックTOMASの医学部入試ガイダンスは、東京・市ヶ谷にて毎月開催されています(1月・8月を除く)。
次回は2017年12月17日(日)に開催されます。入場無料(要事前予約)。

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