2019.10.06

10/6 医学部入試
ガイダンスレポート

2019.10.06開催 医学部入試ガイダンス in アルカディア市ヶ谷

10/6(日)アルカディア市ヶ谷にて、医学部入試ガイダンスを開催しました。
今回のテーマは「ラスト90日間で合格可能性を20%引き上げる方法」と題し、20%引き上げるためのポイントについてメディックTOMAS校長萩原が講演をおこなった他、恒例の医学部合格者インタビュー、減点されない答案作成のためのミニ講座、の3本立てでお送りしました。

プログラム...

1部:ラスト90日間の勉強法

萩原一裕

【登壇者】
萩原 一裕
メディックTOMAS 校長

本日は「ラスト90日間で合格可能性を20%上げる方法」というテーマですので、私のパートでは残り90日で医学部合格に近づくためのポイントをお伝えします。
20%と申し上げましたが、ざっくり分けると10%は学科試験絡みで、残りの10%を志望理由書・面接試験と、小論文で埋めていくイメージです。
学科試験とその他が半々?と意外に思われた方もいらっしゃるかも知れませんが、昨今の医学部入試では人間性や価値観、コミュニケーション能力など内面も重視される傾向にあります。医学部受験は医師になることとほぼ同義であり、採用試験的な意味合いもあるためです。面接や小論文の詳細については、来場者にお配りさせていただいている「医学部合格体験記」の1次・2次試験 実況レポートをご覧ください。聞かれた内容、どう答えた(書いた)か、合格者の生の声を多数収録しています。

ここからは学科試験に向けた勉強について、一部前回の内容と重複する部分もありますが、残された期間で10%上げていくためのポイントをお話しします。

この時期、目の前のことに意識を取られて、本来やるべきことが疎かになっている受験生が多いです。まずは残された期間を把握してください。センター試験まであと何日か、第一志望の試験まであと何日か、聞かれて日数を即答できない人は危険です。
現役生の場合は、学校に通うという、ある意味では「負担」も残っているので、残日数をフルで受験勉強に使えるわけではありません。量では浪人生に勝てないので、受かるための勉強を効率的に進めていく必要があります。

○ 効率的に学習を進めるためのポイント

● 志望校の配点や出題内容、頻出項目、各科目の難易度などを把握する

敵を知ることで今後の対策が決まってきます。例えば熟考型の問題を中心に出す大学を志望しているのに、問題を解くスピードばかり磨いても非効率です。また、同じ大学でも科目によって難易度は異なります。数学や英語が難しかったからと言って、理科も同レベルとは限りません。合格に必要な力から逆算して学習計画を立てていく必要があります。
第一志望と第二志望で傾向が異なることもよくあります。自力で計画を立てるのは容易ではありません。自分でできない場合はプロの力を借りた方が良いでしょう。

● 合格に必要な合計点から逆算して計画を立てる

当たり前ですが入試は合計点で合否が決まるものです。例えば英数は概ね仕上がっている受験生がいたとして、英数であと10点あげるのと、仕上がっていない理科で10点あげるのとでは、かかる時間も負担も全然違います。残された期間、どこを鍛えて、どこで点数を稼ぐか、効率よく確実に合格点を突破するために、戦略的に学習を進めることが重要です。

● 本番を想定した訓練を積む

普段訓練していないことは、いきなり本番ではできません。しかし、意外とここを楽観視している受験生が多いのです。以下のことに気を付けましょう。 1.解答用紙のスペースに収まるように解答を記述する 前回のガイダンスでも申しあげましたが、赤本に載っている解答は、そのまま試験本番で書くことは出来ません。解答欄のスペースを意識した模範解答ではないからです。解答用紙が公開されている大学であればそれを使い、非公開であれば過去に受験した生徒からの情報をもっている医学部専門予備校から情報をもらい、解答スペース内に収まるように解答する訓練を積んでおきましょう。 2.減点されない答案を作成する 自分では完璧に書けていると思っていても、プロ講師が採点すると大きく減点されることはよくあります。答案は自分視点ではなく、採点者の目線になって書く必要がありますが、これが出来ていない受験生が多いです。どこで減点されるのか、なぜ減点されるのかをしっかりと理解し、改善していく必要があります。1点2点が合否を分ける医学部入試では、この減点対策はかなり重要です。
3.マークミスを防ぐ マークシートを塗りつぶすタイミングや見直すタイミングは定めていますか? もっともミスを見逃しにくいタイミング、ルールを自分なりにもっておくことが重要です。マーク模試でマークが一つズレていて、「ズレたところ以降すべて0点」なんて経験は多くの受験生が経験します。模試なら良いですが、試験本番でやらかしてしまった生徒も過去にいました。 4.時間配分、捨て問の見極めを行う 医学部入試では時間との戦いになる試験が多いですが、いきなり問題を解き始めてはいけません。最初に全体を俯瞰して、それぞれの問題に費やす時間や、捨て問を見定める習慣をつけましょう。
非常に時間のかかる問題をトラップとして中盤に混ぜてくることもあり、そこで時間を取られることでその後の問題の解答時間が減ってしまうかも知れません。思い切って捨てた方が良いケースもあります。そういったことを最初に短時間で見極められるようになりましょう。それぞれの問題には適正な解答時間があるので、分からなければプロに聞いてください。

色々と厳しい話をしましたが、一番大事なのは「絶対に医師になるという強い意思をもっていること」です。つらい戦いになりますが最後まで強い意志をもちながら、効率的・合理的に、勉強に取り組んでください。

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2部:医学部合格者インタビュー

医学部合格者

根橋哲也君
東京医科歯科大学1年

笹田よぐりさん
国際医療福祉大学1年

笠川佑也君
獨協医科大学1年

2部では今回も3名の現役医学部生に登壇いただきました。全員メディックTOMASに通い、この春、見事医学部に合格された方たちです。現役医学部生インタビューを聞きたい方は、ぜひ次回の医学部入試ガイダンスにご参加ください。

3部:合格に近づける答案づくり

萩原一裕

【登壇者】
鍋屋 秀顧
メディックTOMAS 横浜校

どういう所に気を付ければ合格する答案、つまり減点されない答案が書けるのか、本日は採点者の視点に立って、実際にメディックTOMASの生徒が書いた答案を見ていきたいと思います。

○ 英語

東大で出題された和訳問題を取り上げます。 こういった和訳問題では「なんとなく書けたから少なくとも半分くらいの点はもらえるだろう」と考えている受験生が多いです。 しかし、採点者としては、見ているポイントが明確にありまして、それらがクリアできているかどうかで厳しく判断します。おさえるべきポイントが何処なのかを知っておけば、減点されない答案が書けるようになります。 では、実際に生徒が書いた答案をいくつか見ていきましょう。(以下略)

○ 数学

萩原一裕

数学では神戸大学の問題を取り上げたいと思います。典型的な問題で問題集でもよく出てくるタイプの問題です。早速生徒が作成した答案を見ていきましょう。答えは合っているこちらの答案ですが、気になる所が数か所あります。まずここにある「より」の引用元がどこを指しているのか、、(以下略)萩原の話にもありましたが、赤本の解答をそのまま書くことは出来ません。スペース的にも所要時間的にも厳しいからです。ではどこを削ればいいのか? 自分では判断しづらいと思いますので、ここはぜひプロの力を借りてほしいと思います。

○ 化学

千葉大の問題を取り上げます。化学に限ったことではありませんが、聞かれていることに対して、しっかりと答えられる受験生が意外と少ない、ということについて少しお話したいと思います。問4、問5は70字以内、60字以内で実験結果がこうなる理由を述べる問題です。駿台模試で70近い優秀な生徒に書かせてみたので、その解答を見ていきましょう。 間違ったことは書いておらず、本人も10点中5点はもらえるだろうと言っていました。しかし私からすると問5は0点です。まず、問4ではファンデルワールス力が強くなる理由を聞かれているのに、ファンデルワールス力とはこういうものです、、という説明から始めてしまっています。これは、例えばカレーの作り方を聞かれているのにカレーとは、とカレーの説明をしているようなものです。採点者に、文字数稼ぎ?と思われてしまうかも知れません。問5では、A~Cの沸点が高い理由を聞かれているのにDの沸点が低い理由を書いてしまっています。間違ったことは書いていないが、聞かれたことに答えていないのです。偏差値70の生徒でもこういったミスをしてしまうので、「聞かれていることに答える」ということは皆さんが思う以上に案外難しいことです。では、こういった勿体ない失点を防ぐためにどうすればよいか?やはり自分ではなかなか修正するのが難しいところなので、個別指導でしっかりと見てもらうのが一番の近道です。

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