2019.09.08

秋からの過去問対策

2019.09.08開催 医学部入試ガイダンス in アルカディア市ヶ谷

9/8(日)市ヶ谷にて、医学部入試ガイダンスを開催しました。
第1部のテーマは「秋からの過去問対策」。実際に過去問・答案用紙を使い、採点者の評価が高い答案を作成する秘訣をお教えするミニ講義も開催しました。
第2部では3名の現役医大生に登壇いただき、過去問への取り組み方や、受験校の選び方、模試成績のとらえ方などについて、じっくりお話を伺いました。

プログラム...

1部:秋からの過去問対策

萩原一裕

【登壇者】
萩原 一裕
メディックTOMAS市ヶ谷校 校長
鍋屋 秀顕
メディックTOMAS横浜校

長かった夏休みも終わり、いよいよ受験も後半戦、過去問演習に入る時期がやってきました。
過去問演習を効率的に行うことで、志望校合格に大きく近づくことができます。
本日は過去問演習に関する考え方や差をつけるポイントについてお伝えしていきます。

○ 入試問題は各大学が求めている生徒像である

入試問題には、各大学が欲しい生徒像が表れています。大学からのメッセージを無視して、ズレた勉強をしていては当然合格からは遠ざかってしまいます。

そのため、仮に今はまだ解く力がなかったとしても、過去問をじっくり見て出題傾向くらいは把握しましょう。

この時期の受験生ですと、過去問と向き合うよりも、理科であれば「重要問題集」、数学であれば「1対1対応」、「青チャート」などを回す方が大事と考えているケースも多いです。しかし、大学はそれらの問題集で扱うレベルの問題を出すところばかりではありません。

大学は本当にそこまで求めているのか?

生徒が考える「必要な学力」のほうが、大学の求めるレベルより高く設定されてしまっていることが多いように感じています。

相手の求めているレベルを知らないまま、日々勉強するのは非効率的であると言わざるを得ません。

○ バランスを見ながら学力をつけていこう

これからの時期、各科目一定以上の学力があれば、あとは全体のバランスを見て勉強すべきです。

教科書や傍用問題集レベルまでは各科目必要になります。 それ以上については人によって、志望校によって事情は変わってきます。

「今やっている問題集が志望校合格に必要なのか 」今一度考えてみましょう。

余計なことをして時間を費やしてしまうと、他の科目の時間が減り、全科目の総合点の低下につながります。

過去問を解いたり、解けなくても出題傾向などを把握し、今後何をどれくらい埋めていかなければいけないのかを明確にする9月、10月にしてほしいと思います。

○ 意識すべきポイント

● 志望校/併願校の試験科目

物理、化学、生物のうち、受験予定の大学ではどの科目が選択できるのか、一番初めに確認しておきましょう。科目対応していなければそもそも受験できませんから。

● 科目ごとの配点を把握

得意科目の配点が大きかったり、苦手科目の配点が小さいと当然有利になってきます。

● 科目ごとの出題数

問題数が多く短時間で解かなければいけないところと、少数の難問を熟考しながら解くところでは当然対策は異なります。
また、非公表の大学も多いですが、大問ごとの配点も検討をつけておくとよいでしょう。例えば英作文の配点が15/100点であれば落とせませんが、5/100点であれば他で挽回する作戦で行くなど、自分の得意不得意に合わせた対策が可能になってきます。先生や講師などに配点の検討をつけてもらうのもよいでしょう。

● 出題内容

数学や物理・化学・生物であれば単元の偏りはあるか、英語であれば英作文や文法問題はあるかなど、出題内容を把握しておきましょう。
一口に英作文と言っても整序英作なら構文と同じ対策でよく、記述英作の対策は必要なくなってきます。必要以上の対策に時間を割かないようにしましょう。

● 頻出項目

例えば、確率が毎年出る大学であれば確実に得点できるようにしておくなど、今後の方針が立てられます。頻出項目は最低でも受験者平均までにしておきたいですね。

● 各大学の出題意図を把握する

例えば、英数は継続的にコツコツ学習を積み重ねないと力がつきません。
英数の出来が合否を左右する大学では、そういったコツコツ頑張る力のある生徒を求めていることが読み取れます。短期間でも力がつく理科で逆転されたら、大学の意図と違ってきてしまうので、そういう問題構成にはなっていません。
また、現役生をとりたいとすれば、現役生が手が回りにくい数Ⅲは教科書レベルからの出題が多くなりますし、理科も同様です。難しくすると通常は浪人生が増えます。

● 各科目の問題の難易度を把握する

各科目でどの程度の難易度の問題が出題されているのか、ここでは特に、基礎~標準レベルの問題がどれくらいを占めるのかに着目するとよいでしょう。
基礎~標準問題をどれくらいの正解率で解けば合格ラインに達するのか、難問も一つ以上解かないといけないのか、などがわかれば作戦が立てやすくなってきます。
難易度のバランスは毎年大きくは変わらないものです。

● 各科目の時間配分

どの問題にどれくらい時間をかけてよいか、事前に検討しておく必要があります。
また試験本番でも、いきなり解き始めるのではなく、最初に全問題をさらっと見て計画を立てる必要があります。日々の過去問演習や学校別模試などで、訓練を積んでおきましょう。

● 科目ごとの得点戦略

得意不得意や各科目の特性を考慮して、自分が合格最低点を突破するための学習計画を立てましょう。
得意不得意の観点では、例えば得意科目である英語で10点上げるのと、苦手科目である化学で10点上げるのではどちらが短期間で確実に達成可能か、など。同じ10点なので、早く確実に上がる方がよいですよね。
科目の観点では、ちょっとやればすぐに一定値まで上がる科目と、なかなか上がらない科目があるので、先生や講師などに相談しつつ、科目ごとに割くパワーをうまく配分しましょう。
合計点では例年の合格最低点プラス10~15点くらいに設定しておくとよいです。

● 志望校の問題特性

この大学の数学は難しい、あの大学の化学は基本的な問題しか出ない、など大学ごとの特徴を把握しましょう。
例えば半分とれたらかなり優秀と言えるような科目がある場合、他の科目で点数をカバーしないといけないことがわかってきます。

● 解答用紙

解答スペースの大きさを必ず把握しておきましょう。それによって文字サイズや、文字量も決まってきます。
大学で公表されているものは自分で用意し、実際に書いてみると安心です。この時期にぜひ一度やってみてほしいですね。
また、意外と知られていないことですが、赤本の解答をそのまま解答用紙に書くとスペースオーバーになってしまいます。間違ってはいないが入試当日に書く内容ではありません。

● 添削環境を整える

記述問題は自分では正しく書けたと思っていても減点されることがほとんどです。
生徒たちに模試を解いた日に手応えを聞くと「バッチリでした!」と答えるのですが、いざ返却された答案を見せてもらうと全然得点出来ていないケースもよくあります。
ではどうすればよいか?
採点者を意識した答案を書くようにしましょう。上から目線の答案が多いのが現状です。
省略してよいこと、じっくり書かなければいけないことを見極められるようになるには添削を繰り返すしかありません。まずは添削をしてもらう環境を整える必要があります。
本日は特別に、模範的な答案の書き方について、実際の事例を見ながらレクチャーを行いたいと思います。

※ここからはメディックTOMAS横浜校の鍋屋が、実際の答案を掲示しながら、減点のポイントや、採点者に伝わりやすい答案の書き方について講義を行いました。好評のため次回10/6、10/20のガイダンスでも答案作成のレクチャーを実施します。

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鍋屋 秀顕

2部:合格者インタビュー

東京慈恵会医科大、国際医療福祉大、杏林大に通う3名の現役医大生にインタビューを行いいました。インタビュー詳細は同内容で実施した9/15横浜ガイダンスのレポート記事をご覧ください。

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