2019.03.24

医学部入試分析報告会
~国公立大・私立大総集編~

2019.03.24開催 医学部入試分析報告会 in 横浜ベイシェラトン

3/24(日)横浜ベイシェラトンにて、19年度医学部入試の分析報告会を開催。国公立大・私立大医学部の分析や、現役医学部生インタビューをお届けしました。
1部では2019年度入試のメディックTOMASプロ講師陣による各教科の分析結果をご報告。2部では難関大医学部に通う現役医学部生の生の声をお届けしました。

プログラム...

1部:2019年度医学部入試分析

鍋屋 秀顧

【登壇者】
鍋屋 秀顧
メディックTOMAS横浜校

○ 入試日程が過密に

今年はセンター試験の実施が例年より一週間弱遅かったため(1月19日、20日)、その後から始まる私立大医学部入試の日程がやや過密化しました。

1月22日の国際医療福祉大、愛知医科大から始まり、序盤はあまり日程の重複もなく同一地域では1日1校と言うペースが続きます。

しかし、27日には北里大、埼玉医科、川崎医科大、近畿大の4つが重なり、関東では北里大、埼玉医科大の二校が重複。受験生としてはできれば志願者数の少ないほうを受けたいものなので、かなり迷った受験生もいたのではないでしょうか。

その後28日は日本医科大、自治医科大、金沢医科大が続き、29日には二次試験(小論文・面接)を実施する大学もでてきました。受験生にとっては二次試験に進むことができた場合とダメだった場合で試験を受けに行く先が左右される不安な日々が続きます。

2月3~4日になると一次試験落ち着いてきて、二次試験のスケジュールが過密になってきます。

なお、二次試験については候補日を複数設定しており、受験生は出願の際に希望日を出すことができますが、希望は通らないこともあります。

○ 2018年との比較

帝京大、藤田医科大 聖マリアンナ大は日程の重複の影響もあってか若干志願者数を減らしました。

東京医科大は繰り上げ合格者を出した影響で募集定員がかなり減りましたが、出願者数も半数以下になったため倍率としてはあまり変化はなかったのではと思います。

○ 主要6大学 入試問題分析

東京大、東京医科歯科大、千葉大、筑波大、横浜市立大、そして前回の入試分析報告会実施時点で入試が行われていなかった慶應義塾大の6大学について、メディックTOMASの講師陣による分析結果を一部公開します。

※★は大問数を表しています。

標準的、もしくはやや簡単な問題が中心でした。東京医科歯科大のみ難しい問題を出しています。私立大同様に国公立大の中にも総合大と単科医科大があり、単科医科大は問題が総合大に比べて難しくなる傾向があります。

東京大の英語の入試問題は4技能を意識した出題になっており、この6校の中では唯一リスニングが課されるのも特徴的です。東京医科歯科大は1500語を超える超長文や要約、正誤問題が出題されており、志望校に特化した対策が必要でしょう。千葉大は英語の問題が簡単と言われていましたが近年やや難化傾向にあります。筑波大は他学部と共通の問題です。そのため、人文、社会など色々なテーマが扱われるのが特徴です。医療系の問題ばかり演習してきた方は注意が必要かもしれません。

数学に関しては難しくしすぎても差がつかなくなるため、難問はあまり出ません。ミスなく迅速に正解していくことが求められます。これは、日々診察するさまざまな患者の対応をミスなく行っていく人材が求められていることの表れかもしれません。

どこも難易度は標準的です。『重要問題集』や『良問の風』『名門の森』と同レベル。ただし、生徒たちの声を聞くと、問題の設定が新しく何を言っているのかわからず手が出ないこともあるようです。ただ問題を解くだけでなく、問題文の問うていることを理解することを意識

(ガイダンスではこのほか、生物、化学についてもお伝えしました)。

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2部:現役医学部生インタビュー

現役医学部生インタビュー
角田さん

三浦さん
東京慈恵会医科大学新6年

鈴木さん

宮原さん
慶應義塾大学医学部新3年

大谷君

香月さん
横浜市立大学新4年

今回は3名の現役医学部生にインタビューを行いました。本日はその模様の一部をご紹介!

受験学年を迎える春。この時期はどのような勉強をしていましたか?

香月さん: 英語では英単語の習得と音読です。「鉄壁」という英単語長を一日一章覚えるようにしていました。音読では中身を理解している文書をなるべく早く声を出して読むようにしていました。そうすることで初見の英文も早く読めるようになっていきました。
数学では計算力に自信がなかったので「受かる計算」という本で毎日計算練習をしていました。
宮原さん: 高3のこの時期は英語が苦手だったので、単語や熟語を覚えていました。地道に紙に書いて声をだしながら覚えると同時に音読にも取り組みました。たくさんの英文に触れるよりも、数を絞って「正」の字書きながら何度も読み、英文が自分にしみこんでくる感じを大切にしていました。
三浦さん: 高3になると模試で浪人生と争うようになるので、正直焦っていました。そこで、まずは苦手をつぶそうと考えました。数学の苦手単元は確率だったので厚さ2センチほどの確率ばかり取り扱った問題集を春休み中に2周しました。
化学、生物は苦手というよりも、当時まだ全範囲終わっていなかったので間に合うのか心配でした。今やるべきことは何か考えた結果、先取りではなく、既習範囲を完璧にすることを重視。完璧にすることの定義を、資料集に知らないこと一つもない状態と定め厳しく取り組みました。

指導歴の長いお二人にお聞きします。ずばり伸びる生徒、受かる生徒とは?

三浦さん: 伸びる生徒、受かる生徒とは?と考えた時に、彼らには油断や慢心がないという共通点があるように思います。例えば、油断しがちな生徒だと「問題集2周したので、もう完璧です」などと油断が前面に出た発言がよく聞かれるのですが、こちらが「2周したら完璧になるの?じゃあこれ解いてみて」と解かせるとできなかったりします。たとえ問題集をやりこんだとしても、「自分はまだまだできないことがある、24時間じゃ足りないくらい」といったことを言っている子が伸びて、受かっていきますね。
香月さん: 私は数学を見ることが多いのですが、ただ式だけを羅列していたり、小さく汚く書く子もいる一方で、きれいに方針も書いて立式をしている子もいます。後者のほうが確実に伸びていると感じています。

新受験生に向けてアドバイスをお願いします。

香月さん: 医学部に入りたいという強い想いをもって、毎日を大切に、時間を無駄にせず勉強していってください。
宮原さん: 強いモチベーションを持つことが大事です。他の受験生たちも死に物狂いでやっているので、気を引き締めていきましょう。
三浦さん: 医学部受験はつらく厳しいものです。年明けからは精神的にも追い詰められてくるでしょう。ですので、ご家族の方はぜひ支えてあげてください。
周りに同じような境遇のライバルがいると心強いものなので、良きライバルを見つけると良いかも知れません。環境づくりも大事にしてみてください。 

○ 次回は2019年度入試で見事合格を勝ち取った新大学1年生たちに話を聞く予定です。

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