杏林大学
基本情報
試験時間:60分/問題数:大問3題
分析担当
小嶋 有紀

出題内容・難易度

大問 出題内容 出題形式 難易度
三角関数 マーク式
数Ⅲ(微分積分) マーク式
平面図形、空間図形 マーク式 標準

問題分析

  1. (1)三角関数の基本的な問題。3倍角の公式は覚えずに導く人もいると思うが、時間短縮のために覚えておくほうが良い。
    (2)(1)から(2)の式を書き換えるとsinθだけの式になる。sinθ=tと置くtの3次式となるので、増減表を作れば、最大値、最小値を求めることが出来る。極値の個数はt=-1/2 で極大となりそれに対応するθが2対あることから、極値の個数を2個とした受験生も多かっただろうが、元の関数とtで置き換えた時の関数の関係性をよく考えてみてほしい。
  2. (1)絶対値の積分計算と、そのために必要な部分積分の計算問題。このタイプの部分積分は、受験生なら何度も演習している計算なのでミスなく解いていきたい。絶対値の積分計算は、指数部分の符号が確定しているので、整式部分の符号を判別して絶対値が外せているかがポイントとなる。後は(1)を利用するだけなので、自分自身で「効率的に計算を進めていくためには・・・」などと考える必要もないため、時間もそれほどかからない問題だと思われる。
    (2)極値問題。x=0、1で極値をもつ条件、次にx=0で極大、x=1で極小となる条件を考えていけばよく、最後の計算も(1)を利用するだけである。
  3. (1)
      (a) ∠BAC<∠ABCを満たすときの点Cの存在場所を考える問題。∠BAC=∠ABCとなる境界を考えることで選択肢から 選べるだろう。
      (b) ∠ABC<∠ACBを満たす存在範囲。正弦定理を用いて解くことが可能である。
      (c) ∠ACB<π/2を満たす存在範囲。(a)と同様に∠ACB=π/2を考えよう。
      (d)(a)~(c)をまとめたものであることに気付いてほしい。
    (2)(b)は条件からベクトルを用いて考えることが出来れば、点Ⅾが2つの球の交わる円上にあることが分かるが、丁寧な誘導があるためそれに従っていけば解ける問題だった。 

総評

 昨年同様、比較的易しい問題が多かった。空間図形の問題もよく出題されているので、きちんと対策をしていけば高得点も狙えるだろう。問題は、試験時間が60分なのでⅢで状況把握しながら完答を目指すとなるとⅠ、Ⅱでどれだけ正確に速く解けるかが大切となってくる。
 基本的な問題が速く正確に解けるということは、医学部受験においては絶対に必要な要素であるため、夏休み前までには基本が仕上がっていることが好ましい。