母は最後まで一緒に
走ってくれた伴走者
宿題をやらずに毎日ケンカ…当事者意識が芽生えたきっかけとは?
女子学院中合格
磯村 美樹さん(仮名)
「祖父から『1日でも怒られない日があったらお小遣いあげるよ』と言われるほど、母とは毎日ケンカしていました。私が宿題をやらないことが原因だったのですが……」とバツが悪そうに振り返る美樹さん。本格的に受験勉強を始めた小4のときに「どうせめざすなら最難関を」と御三家の女子学院に照準を定めたが、受験がどこか他人事のような日々が続いた。
意識が変わったきっかけは、昨年9月の学校見学。実際に志望校を見たことで入学後のイメージが鮮明になり、受験に対して当事者意識が芽生えたという。それからは、勉強への取り組み方もガラリと変わった。伸び悩んでいた算数は「丸覚えになっていたので、応用が利かずに点数がとれていなかった」という反省に基づき、演習量をセーブして授業で解いた問題を確実に理解することを心がけた。どうしても好きになれなかったという地理は、歴史を極めることで克服。史実や条約で覚えなければいけない地理の要素をまとめ、少しずつ知識に厚みをつけた。
自発的に勉強するようになったことで、日課だったケンカも自然となくなった。「最後は子どもにいつスイッチが入るかですよね。娘の場合はそれが小6の9月。遅いですよね(笑)」(お母様)。一時期は志望校を変える話も出たというが、やる気になった美樹さんの成績は急上昇していった。
合格を勝ち取った今、ともに受験を乗り越えたお母様との関係を美樹さんに尋ねると、少し考えて一言。「母は最後まで一緒に走ってくれた伴走者でもあり、勉強に関するいろんなことを教えてくれた先生でもあります」。受験を経て成長した美樹さんに、お母様は「自慢の娘です」と目を細めた。
個人情報が特定できないよう編集し転載しています