順天堂大学
基本情報
試験時間:80分/問題数:大問5題
分析担当
渡邉 哲史

出題内容・難易度

大問 出題内容 出題形式 難易度
【長文読解】
空所適語選択、内容一致文選択
選択
【長文読解】
下線部同義語選択、内容一致文選択、表題選択、文補充箇所選択
選択
【長文読解】
下線部同義語選択、内容一致文選択、表題選択、文補充箇所選択
選択 標準
【長文読解】
下線部同義語選択、段落主旨選択、表題選択
選択 標準
【英作文】エッセイ文作成 
200語レベル
記述 標準

問題分析

  1. 【文章題材】ノーベル化学賞受賞ジェニファー・ダウドナへのインタビュー記事  約950words
    昨年度は例年と比べて読みやすい英文であったが、本年度はさらに読みやすい簡単な文章だった。設問についても難しいものはなく、適語選択が7問、内容一致文選択が3問。例年と比べて適語句選択が多かったが、選択肢の語彙レベルは易しく、文章内容が把握できていればすぐに判断できる。10分とかからず処理することが出来るレベルである。
  2. 【文章題材】ハチミツ摂取がもたらすアレルギーへの効用 約720words
    文章展開を分かりやすく示しながら書かれている典型的な科学系論説文が題材。同義語選択が5問、内容一致文選択が4問、文補充箇所選択が1問。主題と実験の概要が分かれば解ける問題が多く、大問1と同様、時間をかけずに処理出来てしまうレベル。
  3. 【文章題材】癌の発症が少ないクジラ 仕組みの解明と治療への応用 約900words
    本年度の4つの長文の中では一番難しい内容である。専門性の高い内容であっても、文章としての展開は、【譲歩+But+主張】や、疑問文で方向性示して自ら答えて主張を強調するなど、論説文の基本パターンが多く分析は容易。分析スキルをしっかり習得出来ている受験生にとっては大問1、2同様にほぼ苦戦することなく処理できるレベルと言える。
  4. 【文章題材】子どもの頃の心臓血管系リスク要因が大人になってからの認知機能に与える影響 約750words
    同義語選択が5問、内容一致文選択が5問。定番の文補充箇所選択の出題は無かった。第一段落に文章全体のテーマが示されており、非常に論旨把握のしやすい題材であった。設問の対応個所に的をしぼった読み方、アプローチが出来る。
  5. 大量破壊兵器を除き、これまでに発明されたものの中から無くしたいものを1つ選択して、それを選んだ理由と無くした結果、世界がどう変わるかを論じるエッセイ文を作成する。話題・譲歩などの導入、主張、そして説明・理由などのサポート文をその役割が明確に伝わるように、英語的に自然な論理展開を構築して書くようにとの条件設定は例年通りである。近年の設定の中では発想の自由度が高く書きやすい。

総評

 大きな変更点はなく例年通りの構成。文中の空所適語選択、下線部同義語選択、および段落主旨把握と全体要約としての表題選択問題がメインである。例年以上に文章が読みやすかったことで、大問5の英作文に十分に時間をかけることが出来たと思われる。この傾向が近年続いており、英作文の得点が合否を左右する大きなポイントとなる。順天堂大学攻略のためには、1文を正確にとらえることは当然として、長い文章を短時間で読み、段落の主旨、全体の主題を把握できる力が必須。訳し方練習で終わらずに、文章の読み方、論旨の把握の仕方を技術的に習得する練習を重ねるべきである。英作文ではエッセイ文の書き方を把握するところからスタートして、日本語とは異なる英文の文章展開を作ることが出来るようにすることが求められる。