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海城中学高等学校
※この記事はTOMAS主催 海城中学高等学校 学校見学説明会(2025年7月7日(土)開催)での講演内容をもとに作成しています。
「海城知」を備えた、「新しい紳士」を育む
2023年に大迫 弘和(おおさこ ひろかず)先生が校長に就任。時代が求める「新しい学力」「新しい人間力」=「海城知」を備えた「新しい紳士」を育む、海城中学高等学校(東京都新宿区・男子)。2021年には理科実験室9室などを備えたScience Centerが竣工し、学習環境がますます充実しました。
海城中学校では、「学校説明会」をHP上での学校説明動画に代えており、受験生の来校チャンスは「オープンキャンパス」と「海城祭」に限られます。そのような中、TOMAS会員に向けて、特別に開催頂いた来校での説明会の内容をご紹介します。
挨拶:校長 大迫弘和先生
自己紹介
専門は帰国子女、IB(国際バカロレア)教育。海城をIBスクールにすることはないが、IBの全人的成長を重視する国際標準カリキュラムは、海城の教育と親和性が高く、自分の知識・経験が海城の教育に生きることを確信し、校長として着任。詩人としても活動。
海城教育のキーワード
- 「新しい紳士」:創立者(古賀喜三郎)と英国海軍士官との出会い。時代によって「新しい紳士」の要件は変わる。今はDEI(Diversity多様性、※Equity公平性、Inclusion包摂性)の時代。
- 「海城知」:海城が涵養してきた「新しい学力」「新しい人間力」を総合した、海城でしか身につけることのできない、生命体としての力。
- 「唯一無二の進学校」:進学校としての役割を果たす(日本一の先生方と優秀な生徒たちが集まる学校なので、これまでの進学実績を下回ることは考えられない)ことはもちろん、命の充実を追い求めながら、能力を誰かのために使う、人間としての成長を目指す学校。
※Equity≠Equality(平等)。全員に同じ条件を与える(Equality(平等))のではなく、条件を整えて全員が同じゴールを迎えられるようにするのがEquity(公平性)。条件を整えたときに、「ずるい」ではなく「よかったね」と言える人に。
『ここから』
以下のリンクから、、詩『ここから』を掲載する本校HPをご覧になれます。
高3探究「映像表現」で、海城のことを伝える1分間の映像をつくる課題のために、生徒から依頼を受けて作った詩。
教育の特徴
中高一貫教育
- 6年をⅠ・Ⅱ・Ⅲ期と分ける。とくにⅠ期が大事。大きな環境変化、12歳ギャップ。学校生活(授業、学校行事、部活…)を存分に楽しみつつ、海城での生活・学習習慣を身につけることが最優先。
- Ⅰ期は競争的な学びから内発的動機による学びへのシフトチェンジの時期。
- 内発的動機=学び続けるエンジンを持つには、学びに没頭する経験を積む、学ぶことの楽しさや喜びを知ること。
学びに没頭できる様々な仕掛け
- Science Center:工事現場の見学会、旧校舎の解体の見学会が大盛況、天井の配管が丸見え…誰かに「刺さる」。
- KSプロジェクト(特別講座):教科、学年の枠にとらわれず、興味、関心を深堀・尖らせる講座。
-KAIJO DESIGN TEAM:海城グッズ作成、音楽室のリノベーション。
-英字新聞を作ろう。
-俳句甲子園への道(6年連続9回目、東京代表)。 - 海城学術顧問:学外の著名人(内田樹、小和田恆、加藤登紀子、中村桂子、平田オリザ・・・)による講演など。
学校改革
- 1989年当時も東大30名越えの「進学校」ではあったが、「燃え尽き症候群」(東大の留年者出身高2年連続第1位)。「国家社会に有為な人材」(建学の精神)を育成できていないという反省。→1991年創立100周年。
- 1992年海城「改革元年」→「新しい学力」「新しい人間力」をバランスよく兼ね備えた人間を育てる。学校改革は今なお進行形。
新しい学力
社会科総合学習(中1-3):課題設定・解決能力・思考力・判断力・表現力。
- 中1-3:社会週4時間中2時間、教科書類は使わず、毎学期レポート提出。
- 中1(原稿用紙4-5枚)→中3の1・2学期卒業論文(30-50枚)、卒論最終報告、社会科卒業論文発表会(優秀者)。
- 卒論は「取材」が必須(テーマに精通した専門家にアポイントメントをとり、インタビューする)…論文に独自性が加わる。
- 中1の電話のかけかた、保護者・高1へのインタビュー、中2大久保フィールドワークなどを通じて、論文作成のノウハウを段階的に習得。
理科実験観察:Science Centerに実験室9つ。「建物自体を教材に」。
- 中1化学、高3化学の実験はクラスを2分割して丁寧に。
新しい人間力:学びに向かう力、人間力=対話的なコミュニケーション能力・コラボレーション能力。
- プロジェクトアドベンチャー(PA。中1・2):グループで課題を解決しながら、人間関係を構築する力とは何かを学ぶ。
- ドラマエデュケーション(DE。中1-3):演劇的手法を用いて人間関係を構築する力、創造性を涵養。
グローバル教育
- 2011年、高校募集停止と同時に、帰国生入試開始。
- 海外研修:高1・2イギリス研修、中3アメリカ研修、カナダ短期留学、モンゴルスタディツアー、学校紹介プログラム(民間)
ICT・情報教育
- 2015・2016年全教室ICTインフラ整備。ICT教育部、情報システム管理室、ICT支援員4名常駐。
- 全学年一人一台MacBook air所持。
多彩な進学先
- 現役進学率約65-70%(卒業生306名)。
- 東京大学推薦入試:過去10回中9回エントリー、すべて合格者輩出。累積合格者11名は全国7位。
- 国公立大学医学部2025年48名(現役33名)。
- 海外大学:2024年4月海外大学進学相談室開設(週2)、海外大学進学交流会は中学生の参加も多い。
海城生の一日
- 8:00 登校(推奨)
80%新大久保駅利用。通学時間平均50-60分。自転車通学可、スマホ届け出制(校内使用不可)。 - 8:20 HR
40-42名×8クラス:学校全体で約1,900名。学年主任・担任は原則6年間持ち上がり。クラス替え高1まで毎年、高2で文理別文3:理5、高2・3は担任・クラス替えなし。
共生教育:習熟度別クラス、医学部コース、東大コースは設けない。帰国生も同じクラス。
Ⅰ期:学習習慣の確立/Ⅱ期:基礎学力の確立/Ⅲ期:大学受験に対応した学力 - 8:40~ 授業
週34コマ。「新しい学力」には既存の学力、基礎知識の定着は必須。中1・2は授業中心とした学習サイクルの確立が最優先。フォローアップ講座はあるが、躓きサインを見逃さない。質問しやすい雰囲気、積極的にアドバイス。
英語は、中1・2は特に4技能を駆使しながら英語を楽しむことに主眼。新しい教科との出会いを楽しみに。 - 11:30 昼休み
お弁当推奨、カフェテリア利用可(200席・中1~)、売店(学用品)、図書館(6万5千冊)。
実技科目
- 芸術科目(書道・美術・音楽)、技術家庭などにも力を入れる。
- 体育(東京ドーム1.6倍の敷地にプール、弓道場、体育館、グラウンドなど充実)…水泳(中1・25m泳ぎ切ることが目標)。武道(中1・1学期は両方やり、2学期に剣道/柔道選択。高1まで週1)。
クラブ活動
- 中90%、高70%参加。兼部している生徒も多数。
- 週3.5日程度の活動、最終下校時刻は中17時、高18時。
講習
- 学期中講習(80分×6コマ…有料@400円/コマ)。
- 夏期講習…中1-高1:1週間、高2:2週間、高3:お盆休み以外すべて。150講座以上。指名講習、英語アドバンス(海外進学)、教養講座あり。
学校行事
- 海城祭:2日間2万人来校。中1・2はクラスで出し物。
- 体育祭:中学体育祭(縦割りチーム)、高校スポーツ大会(クラス対抗)。
- 修学旅行:中3:広島、京都、奈良、高2:沖縄。
FAQ
Q.どんな生徒が多いか?
A.【変わったところ】:穏やかでスマート、積極的に学外に飛び出していく。【変わらないところ】:人懐っこい、ホスピタリティが高い。知的好奇心が旺盛、好きなことに没頭する。「海城祭」や「オープンキャンパス」で海城生らしさが最も発揮される。学校側は「好き」を見つけるきっかけを多数用意し、そこに誘う仕掛けを工夫。
Q.塾に通っているか?
A.学校として塾に通う必要はないと答える。学校では、特に中1・2の時期を海城での生活・学習リズムを身につけるうえで大変重要な時期として位置付けている。勉強も大切だが、海城での生活を存分に楽しんでほしい。中では2~2.5割程度、高は、学校での授業を主としつつ、外部の講座を8割併用している。
入学試験
- 一般入試日程は、毎年2/1と2/3、4科目。
- 提出書類の通知表コピー(小6の1・2学期)は、学校の先生にしてもらうことはなく、普通にコピーするだけでよい。合否にはかかわらず、クラス編成の参考にしている。
- 繰り上げ合格を出す場合は、各入試の欠員を各入試の受験者の中から繰り上げる。
- 教科ごとの足きり点設定あり、非公表。
- 複数回受験特典なし。出題傾向は2回とも同じ。3日にリベンジ合格する人も40名くらいいる。
- 得点率6割5分くらいが合格の目安。