2023.3.29

学校行事シリーズ

フェリスのアドヴェントの集い

生徒・教職員・保護者が
一堂に会して祈りを捧げる

森上教育研究所 所長 森上展安氏

キリスト教主義のさまざまな行事

 伝統あるキリスト教主義学校らしく修養会があり、中1は学校内で、中2・高1は郊外で2泊3日かけて行われる。中2は「友達」、高1は「生きる」というテーマで、牧師先生のお話を聞いたりディスカッションをしたりする。ちなみに「修養」はretreatmentの日本語訳。a mountain retreatmentは山荘、retreatは日常生活を避けて瞑想するという意味合いがあるようだ。
 その他、6月のキリスト教教育週間(近隣の教会から牧師先生をお招きして礼拝でお話をうかがう)、11月の奉仕週間(キリスト教の社会福祉団体の方からお話をうかがう)、11月の感謝祭礼拝、そして12月初旬には生徒が企画運営し、生徒・教職員・保護者が一堂に会するアドヴェント(キリストの降誕を待ち望む期間)の集いがある。

フェリスの音楽教育

 フェリスの校歌は、ホームページを開くと聞けるようになっている。若き日に音楽教師としてフェリスに勤務し、後に大成した團伊玖磨による作曲で、卒業生のお気に入りの曲としても支持が厚い。校歌・応援歌というと、慶應や早稲田が人口に膾炙されているが、名曲という意味ではフェリスや学習院も上位にランクされるだろう。そして、コロナ禍でここ数年実施されていなかったが、合唱コンクールが7月にある。クラスごとに指揮者・伴奏者・音楽委員などを選出してクラス対抗で行われる。また、毎朝の礼拝では賛美歌を歌っている。

自然とふれ合えるさまざまな行事

 一般的な催しとしては、中1の山手周辺の散策に始まり、中3の5月に上高地でのフィールドワーク、10月に三浦半島の理科研修という宿泊行事がある。また、高1の2月に広島研修旅行、高2の3月には卒業準備の会という2泊3日の学年行事があり、いわゆる修学旅行はないのが大きな特徴。中3~高1の希望者が参加できるスキー教室もある。

フェリス生の真の気質とは

 神奈川女子御三家というのは、いずれも同じ丘の上にある。フェリス生は、通学にあたって通称「フェリス坂」を、少し大げさにいうと山登りのように毎日登らなければならない。俗世間から離れた別世界の趣がこの3校に共通している。元町商店街付近での賑やかな登下校風景は相変わらずで、なかなか整然といかないのが校風。あるOGいわく、フェリス生の気質を一言でいえば「サバサバ」とのこと。毎日礼拝から始まる姿とサバサバ気質が両立し、それがフェリスの行事を支えている。